団塊タケちゃんの施術日記

一人二人生の旅立ち

おもてなしの心

2011-08-21 12:48:35 | 健康・病気

会社時代の同僚が、当院を訪ねてくれました。今年5月、嘱託社員を退職したあと、悠々自適の生活を送っていると聞いていましたが、高校時代の友人2人と高知へ八十八か所巡りの遍路旅に出かけていたそうです。白衣に菅笠、頭陀袋をかけ、金剛杖を手に、まず三泊四日の旅をしてきました。遍路宿に泊まり、毎夜、汗びっしょりの白衣の上下を洗濯しました。感激したのは、「おもてなしの心」だったと言います。遍路宿の人たちの心遣いはもちろんですが、道ですれ違う子供たちまで「お遍路、ご苦労様」とあいさつをしてくれました。中学校のグラウンドで野球の練習をしていた中学生の男の子たちが練習の手を休め、一斉に帽子を取り、頭を下げました。高知市内を歩いていたとき、追い抜いた軽トラックが停まり、運転していた男性が降りてきて「ご苦労様」と言いました。覚えのない人なので「どなたでしたか」と尋ねると、街はずれのコンビニで買い物をしましたが、そこの店員さんでした。「一回、買い物に行っただけなのに」と感激していました。私が高松で勤務したことがあるからでしょうか、「お遍路さんには、おもてなしの心で接するよう、学校で教えているのだろうか」と問いかけてきました。「学校で教えても徹底するものではないですよ。家庭でしっかりしつけているんです」と説明しました。都会ではありえないことですが、地方では子どもたちは見知らぬ人にもあいさつをします。かつて山陰で勤務していたとき、朝、散歩をしていると、小学生も中学生もすれ違う際「おはようございます」とあいさつし、すがすがしい気持ちになりました。

こんな話を東京に帰ったとき、高校時代の友人に話したところ、「僕も四国遍路の旅をしたが、そんなおもてなしは受けなかった」と言いました。この友人は、タクシーで回り、ホテルに宿泊したのですが、「歩いて回り、遍路宿に泊まらなければ、道行く人はお遍路さんとわからないよ。今度は歩いてみたら」と言っておきました。

患者さんに接する際、「おもてなしの心」で応対し、心身の痛みに寄り添い、患者さんの「治す力」を高める努力をしなければ、と改めて感じました。

コメント
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