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韓国の歌手PSYの『江南スタイル』に世界が沸き立っている。韓国文化は広報効果を正確に享受している。

2012年09月30日 | その他

韓国の歌手PSYの『江南スタイル』に世界が沸き立っている。韓国と韓国語、
韓国文化はここ数十年間成し遂げられなかった広報効果を正確に享受している。


2012年9月30日 日曜日

実存的な苦悩に苛まれる韓国 9月28日 英フィナンシャル・タイムズ紙

韓国のラップ歌手PSY(サイ)が制作し、2億8000万回という再生回数を記録したビデオ「江南(カンナム)スタイル」の驚異的な成功は、韓国の高まる富を示す風変わりな(そして、かなりキャッチーな)兆候だ。

 このダンスビデオは、あまりに目覚ましいために「漢江の奇跡」として知られる経済変革により可能になった、美容整形で増強された成金のライフスタイルをやんわりとからかっている。

 ところが今、興味深いことが起きている。韓国が国際舞台で文化的、経済的、外交的に自信を深めている時に、国内ではちょっとした実存的な危機が起きているのだ。自殺は劇的に増加しており、出生率は危険なほど低く、有権者は、伝統的な大統領候補を見限って、まだ実力が試されていないIT起業家を支持するという考えを弄んでいる。

豊かになり、世界的に影響力が増す韓国がなぜ神経衰弱に?

 国家的な神経衰弱にかかるにしては、おかしなタイミングに思える。サムスンと現代は、キャンベラからクパチーノに至るまで、世界各地で一流ブランドとしての地位を確立している。韓国の1人当たり所得は3万ドルと、欧州連合(EU)の平均3万3000ドルに急速に接近している。

 さらに、アブダビで200億ドルの原子炉建設契約を獲得するにせよ、インドや中国、ブラジルといった新興国に大金をつぎ込むにせよ、米国にとってアジアで一番の友人であることを日本と張り合うにせよ、韓国はかつてないほどの世界的な影響を与えている。

 これは韓国が国内で感じていることとは異なる。おしゃれな江南地区の住人が贅沢な暮らしをすればするほど、韓国人は自国の経済モデルが特権的エリートに偏っていると感じる。一部の統計は、韓国が先進国の中で最も不平等な国の1つであることを示している。

 海外で国の誇りとなっているチェボル(財閥)は、国内では多くの人に経済的な暴君と見なされており、サプライヤーを圧迫し、中小企業を倒産に追い込んでいると非難されている。

 素晴らしいマクロ経済の統計が何を物語ろうと、自分たちが貧しく、働き過ぎで、社会的圧力にさらされていると感じる韓国人が増えている。彼らにとって最大の不安は、あまりに多くの大卒者があまりに少ない高収入の仕事を追い求めていることを知りながら、自分の子供に「受験地獄」を経験させるというストレスと出費だ。

韓国の出生率が急激に低下しているのも無理はない。韓国の出生率は現在1.23と、人口を維持するために必要な2.2を大幅に下回り、日本の1.4よりも低くなっている。

近く退陣する李明博(イ・ミョンバク)政権は、国際的なショーを演じるのが得意だった。自信を持って主要20カ国・地域(G20)首脳会議を主催し、「グリーン成長」戦略でも注目を集めた。

 だが、延世大学のジョン・デラリー助教授は、李明博政権は国内の社会問題や経済問題をないがしろにしたと話す。

 自殺率は過去10年間で2倍に高まり、今では自殺が40歳未満の国民の主な死因になっている。女性の地位は、経済に比べてはるかにゆっくりとしたペースでしか向上していない。(後略)



【社説】ビルボード2位にまで上がった『江南スタイル』=韓国 9月28日 中央日報

 歌手PSY(サイ、本名パク・ジェサン)の『江南スタイル』に世界が沸き立っている。今では外国人が「サランヘ!」「オッパは江南スタイル!」と合わせて声を上げ馬ダンスを踊る光景は全く不自然じゃない。PSYのプロモーションビデオは27日午後現在、YouTube(ユーチューブ)で最短時間に2億9100万回以上の照会数を記録する怪力を発揮した。昨日は米国のビルボードチャートで2位まで浮上した。PSYは毎日、韓国大衆文化の新しい歴史を書き換え、全世界がPSYシンドロームに熱狂している。

  『江南スタイル』はYouTubeやフェイスブックなどソーシャルネットワークサービス(SNS)で全世界にあっという間に広がった。数年間世界あちこちに伝播したK-POP熱気もPSYシンドロームを後押しした。平凡な顔のPSYはコミカルな馬ダンスと単純・反復性・奇抜さが交わったプロモーションビデオで不景気に踏み付けられた地球村に大きい笑いをプレゼントした。同時に韓国と韓国語、韓国文化はここ数十年間成し遂げられなかった広報効果を正確に享受している。『江南スタイル』はサムスンスマートフォンと現代自動車に次ぐ輸出品としても遜色がない。

  韓国の芸能プロダクションはアイドルグループを発掘して海外に売り出すことに重点を置いてきたのが事実だ。数多くの企画商品型歌手がノックしたが米国市場の敷居は高かった。これに比べてPSYはうまくできたプロモーションビデオ一つで一気にその壁を跳び越えた。文化輸出も言語やパッケージより「コンテンツの品質」が最も重要だという事実を確認させた。PSYは自ら曲を作る能力に多くの公演で鍛えられた)競争力で全世界に通じるコンテンツを作り出した。

  『江南スタイル』がビルボードチャート1位を占めれば反世紀ぶりに奇跡が起こる。東京オリンピックを控えた1963年、日本の坂本九の『スキヤキ(上を向いて歩こう)』以来アジアの歌がもう一度ビルボードトップに上がるのだ。誰も予想できなかった『江南スタイル』の大成功がまた他の後続曲で、第2・第3のPSYにつながることを期待する。ちょうど来週、秋夕(チュソク)をむかえる。PSYが韓国大衆音楽史に光る一線を引いて、私たちに最高の中秋贈り物をくれることを期待する。



(私のコメント)

日本のテレビ局の番組からPOPS系の歌番組がどんどん消えていきます。HEYHEYHEYも近く無くなるそうです。視聴率が一桁ではスポンサーも付かなくなる。ミュージックステーションも10%行ったり来たりでは製作費用も削られるだろう。なぜPOPS系の歌番組がどんどん消えていくのだろうか? 今では日本でどんな歌が流行っているのかさえ分からなくなっている。
 
僅かな歌番組もジャニーズとAKB48ばかりでは視聴率も上がらなくなるのは当然でしょう。仕方がないのでCS放送のスカパーHDに加入して歌番組チャンネルを見るようになりました。スカパーではミュージックオンTVなどのチャンネルでは朝から晩までPOPS系の歌を放送しています。そこではJ-POPからK-POPも好きなだけ聞く事が出来ます。しかしJ-POPが元気がないのに比べるとK-POPのパワーに圧倒されます。
 
韓国では1時間半ものK-POPの歌番組が毎日のように放送されている。出てくる歌手達も毎週のように新人グループがデビューしている。日本ではKARAと少女時代くらいしかK-POPのグループは知られていませんが、韓国では活動しているグループは100組以上あるだろう。しかしそんな数のグループがどうやって利益を上げているのだろうか不思議になります。
 
韓国では韓流ドラマだけでなくK-POPも売り出すために、テレビ局が中心になって世界に歌番組を配信しています。日本では韓流ドラマはBS放送などでも沢山放送されていますが、K-POPの歌番組は一つも放送されていない。だから日本のテレビではK-POPの事は限られた情報しか分からない。しかしスカパーなどの有料放送だと朝から晩までK-POPを聞く事が出来る。
 
映画なども地上放送では少なくなりましたが、CS有料放送なら朝から晩まで映画を見る事ができる。だから地上放送ではワイドショーとバラエティー番組だらけになり、最近ではニュースくらいしか見なくなった。韓流ドラマはつまらないから見ていませんが、K-POPに関してはJ-POPに比べて確かに活気があってパワフルでどうしてこんなに違うのだろうかと思います。
 
毎週のように新人グループがデビューするのだから塑造乱造の傾向がありますが、この勢いはいつまで続くのだろうか? K-POPはユーチューブなどの動画サイトなどでも見られますが、PSY『江南スタイル』というMVは短期間に3億回もアクセスがあった。その結果アメリカのビルボードでも2位に入ったそうですが、コミカルな動画は外国人でも分かりやすいからだろう。
 
『江南スタイル』は、日本で言えば麻布あたりのバブリーなマンションが立ち並ぶ場所であり、六本木ヒルズで生活する人たちをコミカルに茶化したMVだ。韓国の一部のリッチな人たちと職にあぶれて40歳くらいでリストラされる貧しい人々との生活格差が社会問題化している。若い人の自殺が多いのも格差社会の影響なのだろう。これは韓国に限らず世界的な問題であり、アメリカでも1%の富裕層と99%の貧しい人に分かれてしまっているから『江南スタイル』が受けたのだろう。
 
韓国でもアメリカ市場目指して、ワンダーガールズやBoAなど売り込みましたが成功していない。少女時代も失敗したようだ。予想に反してコミカルなPSYの『江南スタイル』が大成功したのは予想外の事だろう。不細工な中年男の歌手がコミカルに歌うのだから従来のK-POPとは違います。内容は社会風刺的であり新自由主義経済を茶化している。
 
『江南スタイル』は、いい意味でも悪い意味でも現代の韓国をアピールするものであり、韓国の李大統領を批判しているとも取れます。確かに一部の人はバブリーな生活を謳歌している。KARAや少女時代のメンバーはマンションを買ったり車を買ったりして成功したグループであり、彼女達を目指して多くの新人グループがデビューしている。しかし100組以上ものK-POPグループが全部売れるわけではなく、数年後にはK-POPブームも去るだろう。
 
また『江南スタイル』のようにK-POPが続々とアメリカでもヒットするか分かりませんが、ユーチューブなどの動画サイトを使った売出しは続くだろう。日本の歌謡界がぱっとしないのはテレビで歌番組がなくなってしまったり、動画サイトなどに対する制限が厳しいからであり、逆に動画サイトなどを使って世界に売り出そうといった動きが日本では見られない。
 
K-POPも韓国の文化経済政策の一環であり、日本ではこのような文化経済政策を積極的に行なってこなかった。個人レベルでは宇多田ヒカルや矢沢永吉などアメリカ市場進出を目指しましたが成功しなかった。POPSの本場でPOPS音楽で挑戦しても難しいだろう。
 
韓国は過酷な競争社会であり、1%の成功を目指して頑張っていますが99%の脱落者が出るのは避けられない。KARAが日本で成功したのも1%の成功であり、日本デビューしたりデビュー目指しても99%は失敗する。ジャニーズやAKB48よりかは完成されたものであっても、日本で成功するには言葉などや業界などの大きな障害がある。
 
韓国では財閥系の大企業に就職するかKーPOPのスターになるしか若い人の大成功の道はなく、日本のように職業を選ばなければ職がある世界とは違う。あっても非常に低賃金で働かされて格差が広がっている。韓国の失業率は3,7%ですが雇用率は57%であり、非正規労働で食いつないでいる。大学新卒者で正社員になれるのは51%であり、使い捨て社会だ。だからK-POPのスター達もハングリーであり毎日のようにテレビに出まくって練習にも一生懸命だ。 
 
ニュースでも韓流スターの自殺も多く、それだけ競争が厳しいのだろう。韓国社会は多様な意見が言いにくく、言論の自由や報道活動も制約される。それらのストレスは自殺に向かったり反日運動などに向かって発散される。今回の李大統領の発言と行動は日本に反韓国感情を生じさせて、韓流スターやK-POPスターにも影響が及んでいる。彼らはKARAのように日本で成功して『江南スタイル』のような生活を夢見ているのだ。



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