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米・イスラエル連合の対イラン攻撃迫る

2005年12月31日 | 外交

米・イスラエル連合の対イラン攻撃迫る 米国はイラクの
手詰まりで3月末までに陸と空からの対イラン攻撃を指令?


2005年12月31日 土曜日

米・イスラエル連合の対イラン攻撃迫る 2005/12/27 成澤宗男の「世界を読む」

イランをめぐる軍事情勢が、一段と緊迫している。かねてから同国の核施設に対する米・イスラエル両国の攻撃計画の存在が指摘されてきたが、12月22日付の『アルジャジーラ』電子版(Israel ready to strike Iran)によると、「イスラエルは来年3月末までイランを攻撃するため準備中」という。さらに英『サンデー・タイムズ』紙も12月11日付で、「イスラエルのシャロン首相は、3月末までに陸と空からの対イラン攻撃を軍に準備するよう指令を出した」と報じている。

 これに連動して、米国の動きもあわただしくなっている。トルコ通信(CIA's Goss reportedly warned Ankara of Iranian threat)が12月19日に伝えたところによれば、同月半ばに米CIAのP・ゴス長官がトルコの首都・アンカラを訪れ、同国首脳に対して次のように発言したという。
(1)米空軍のイラン・シリア両国に対する攻撃がありうるので準備を怠らないでほしい。
(2)イランはすでに核兵器を入手しており、トルコのみならず隣国に脅威をもたらしている。米国の対イラン方針への支持を求める。
(3)イランは、トルコの反政府武装勢力PKK(クルド労働者党)を支援しており、トルコに革命を輸出しようとしている。イランは、トルコの敵国である。


 同長官はこうした項目に関連する極秘資料も持参したとされ、しかもこれに先立ってFBIのR・ミュラー長官も同国を訪れている。トルコはイスラム国家として唯一イスラエルと軍事協力関係を締結していることで知られ、かつ仮想敵国としてギリシアのみならずシリアも射程に入れている。当然、米・イスラエルが軍事行動に踏み切る前に調整すべき筆頭国であり、両長官が相次いで訪問したことの意味は軽くはない。

 一方、イスラエルは来年3月28日に総選挙が行われる予定で、シャロン首相は先月に離脱した極右与党のリクードの支持者を引き付けるため、軍事的強攻策を狙っているとの見方がある。これまでに確認された情報では、同首相が米国に対イラン開戦を持ちかけたのは、2002年11月にワシントンを訪問したのが最初という。当時、ブッシュ大統領とブレア英首相の間では、すでに「大量破壊兵器」という口実を使ってイラクに武力侵攻する確約ができており、この情報をイスラエルと密接に連動している米政権内のネオコンを通じて入手していたシャロン首相は大統領に対し、イラクでの作戦終了後速やかに「核武装阻止」のため対イラン戦にシフトするよう求めたという。

 それがここにきて緊迫の度合いを増したのはイスラエルの国内選挙事情のほか、『アルジャジーラ』によれば、イランがロシアのロケットを使って初めてのスパイ衛星Sinah-1を軌道に乗せ、イスラエル対する偵察能力を向上させた面が大きいという。イスラエルにとっては、自国が信じている「イランの核武装」を阻止する上で「軍事的に引き返せない局面に達した」との判断があるようだ。

 しかし、米・イスラエルが軍事攻撃の口実にしているイランの核武装化、あるいは核兵器の保持という点に関しては、国際原子力機関(IAEA)は、いまだに断言していない。前回のイラク戦争の例もあり、両国はこうした批判に対しては慎重であるべきだろう。のみならず一連の動きを観測して気付くのは、両国や、イランと調停にあたっている欧州連合(EU)及びその報道機関が、肝心の問題を意図的に隠蔽しているという事実だ。すなわち、イスラエルの核武装である。

 米国のリベラルな学術誌として著名な『Bulletin of the Atomic Scientists』誌によれば、イスラエルは原子砲や航空機投下爆弾、ミサイルなどの用途に応じた推定75~130発の核兵器を秘蔵していると、指摘している。ところが同国は、核不拡散防止条約(NPT)にすら加盟しておらず、当然のことながら一度としてIAEAの査察も実施されたことはない。その一方で、NPTに加盟し、IAEAですら核武装化を確認してはいないイランを武力行使の威嚇までして批判する米国の対応は、いつもながらのダブル・スタンダードそのものだ。

 事実、アラブ首長国連邦のアブダビで開かれていた湾岸諸国協力会議は12月19日、閉会にあたっての共同声明で、イスラエルのNPT加盟と査察受け入れを求めている。このままでは数ヶ月以内にイランをめぐって最悪事態が起こる可能性を否定できないが、国際社会の平和が常に脅かされる要因は、こうした超大国のご都合主義が平気でまかり通っている現状にあるのではないか。

イスラエルとイランの角逐 2005年12月15日 日本国家戦略研究所

将来的な軍事行動排除せず=イラン核開発疑惑でイスラエル

 【エルサレム11日時事】イスラエル国防省のギラド戦略治安計画部長は11日、核兵器開発疑惑が持たれるイランについて、イスラエルは外交的な解決を模索していると述べながらも、将来的なイランへの軍事行動の可能性を排除しなかった。イスラエル放送に語った。 一方、イスラエル首相府当局者や国防省は、シャロン首相がイランのウラン濃縮秘密施設への攻撃を想定した準備を3月末までに整えるよう軍に命じたとの英紙サンデー・タイムズ(電子版)の報道を否定した。 

 イラクからアメリカなど多国籍軍の大半が撤退ないしは軍削減の方向で模索している現状でイスラエルは厳しい状況に立たされつつある。イスラエルの生き残りを賭けた時が到来しつつあると見るべきかもしれない。サンデー・タイムズの記事で3月末までにとなっているのは、イスラエル国防軍のダン・ハルーツ参謀長が「核爆弾製造能力の点から見て3ヶ月でイランは後戻り不可の点に達する」と語っている点から理解できるように、その点を過ぎるとウラン濃縮工程がほぼ終了するということで、危険度が急激に高まるということらしい

ただし、続けて「これは即イスラエルに対する脅威ということではない。まだ実用化するまでに乗り越えねばならないいくつかの障害があるからだ」と語っているように、多少の余裕は残っているようだ。しかし時間の経過とともにその危険度は急速に限界点に達することもまたあきらなことだから、やはり3月末頃をメドにあるいはその前に何らかの大きな動きがでてくると考えられる。

 このイランの核技術(ウラン濃縮技術・装置)を供給したのは、パキスタンのカーン博士の闇のネットワークだったので、パキスタンがこの中東地域では親米のスタンスで来てたのだから米英首脳もショックを受けたであろう。

 イランのアフマディネジャド大統領は10月26日「イスラエルは地図から消し去られるべきだ」と発言し世界中から反発を買ったが、12月8日には「イスラエルは欧州に移すべきだ」という趣旨の発言をしたり、「「ドイツやオーストリアが、ナチスによるホロコーストの責任を感じているのなら、イスラエルはそれらの国の一部に移されるべきだ」と述べ再び反発を買った。

 このように強烈な反イスラエル思想を持つ大統領を抱えるイランが核開発を進めているということで、イスラエルとしても座視するわけにはいかないであろう。その場合米英がイラクから撤退すると、南部のシーア派地域はイランとの連携を強め半独立国家の様相を帯びるようになるであろうし、北部のクルド人地域には既に独自の軍が存在し、半独立国の体裁を持っているから、イラク全体が3つに分割された連邦の姿をとるようになることが考えられる。その場合クルド人地域は別としてもバグダッドを中心とするスンニー派地域も南部のシーア派地域も総体としては反米・反イスラエル的政府となると考えられるから、アメリカがイラクとアフガンでイランを挟み撃ちにすることもできなくなることで、イスラエルにとっては不安定な情勢が継続する。

 イスラエルに核兵器が存在することは既に広く信じられていることだが、イラン及びアラブ諸国が核兵器を所有しようと言う動機のひとつにこのイスラエルの核保有がある。そのため、中東地域から核兵器を全廃しようという声も上がってきている。それがイスラエルの生き残りにとっても必要な唯一の措置かもしれない。イスラエル政府は核保有に関してはイエスもノーも言っていないが、イスラム及びアラブ諸国との共存を願うのならば、まずその実態を明らかにし、次にその漸次的削減を実行しイスラム・アラブ諸国の反発を和らげることが必要であろう。それと同時にイランに対しても説得と監視を強めイスラエルの核削減と同時的に核計画の道を放棄させていくべきであろう。


(私のコメント)
「株式日記」では米イスラエルによるイラン攻撃の可能性を何度か書いてきましたが、またその可能性が懸念されている。イラクからの撤退が秒読みに入っているのにイランを攻撃するとは常識としてはありえないのですが、アメリカもイスラエルもイランが核開発に成功する前には断固叩くという方針は持ち続けている。

イラクの核開発疑惑が嘘であったという事がわかりアメリカ政府に非難が高まっていますが、最初から嘘であることがわかっていながらイラク攻撃に踏み切ったのだから、このようになるのは承知の上でアメリカは最初からイラクとイランとをまとめて支配する事を念頭においているのかもしれない。

そのためにはアメリカは徴兵制を復活させるかもしれない。そのきっかけとなるのはイスラエルとイランとが交戦状態になり、イラクのアメリカ軍も巻き込まれた状態になる事ですが、現在は16万のアメリカ軍が展開しているから、この機会を逃したら再び中東にこれほどの陸上兵力を動員出来るのは先のことになってしまう。

そのようになった場合、イラクの日本の自衛隊が必然的に巻き込まれますが、日本政府はその対策は考えているのだろうか。イスラエルからイラン一帯が戦争状態になればインド洋もミサイルが飛びかって航行不能になるだろう。そうなるリスクはきわめて低いが、撤退できるものなら早いほうがいいだろう。

一番過激な想定としては中東の油田地帯一帯を核戦争で放射能で汚染してアラブ人やイラン人を一掃して無人化すれば中東の石油はアメリカの独り占めも可能ですが、そのためには数百発のイスラエルの核ミサイルがイランやイラクに打ち込まれれば実現する。イラクの米軍は対放射能汚染装備で固めればそれは可能だ。

少し過激な想定ですが、そうでなければ7000万人のイランと戦争しても勝てる見込みはないが、核兵器を使用して中東一帯の制圧をもくろんでいるとすれば作戦は可能だ。果たして自衛隊に放射能防護服は備わっているのだろうか。

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