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使用済み核燃料が、10万年危険ということを意味しない。本当の本当に危険なのは最初の10年程度なのだ

2018年03月18日 | 経済

使用済み核燃料が、10万年保管が必要ということは、10万年ずっと同じように
危険ということを意味しない。本当の本当に危険なのは最初の10年程度なのだ。


2018年3月18日 日曜日

考え続けている。原子力発電は本当に危険か? 3月14日 松浦晋也

「核廃棄物は無害になるまで10万年」の意味

 原発事故が起き、ご多分に漏れず私も原発というものについて調べ始めた。その一部は当時書き続けていた「人と技術と情報の界面を探る」という連載の中に、「原子力発電を考える」という名称で書いたのだが、執筆中から引っかかっていた疑問があった。

 それは「本当に原子力発電は危険なのか」ということだ。

 「なにをいうか、あれほどの事故を起こしたものが危険でないはずがない」というのが大方の反応だろう。

 だが、正確には「原子力発電は危険」なのではなく「原子力には原子力特有の危険性がある」ということだ。そして、原子力工学が決して危険に対して無策でいたわけではないということも見えてくる。

 例えば、「発電の結果発生する核廃棄物は10万年間、環境中に漏れ出さないように保管する必要がある」という事実がある。

 「10万年も! なんという危険性だ」と思う方がほとんどだろう。が、10万年という時間にどのような意味があるかをきちんと理解している人は少ないようだ。

 10万年というのは核廃棄物に含まれる放射性同位体の出す放射線が、稼働前の核燃料と同じレベルになるまでの時間だ。核分裂反応でエネルギーを取り出すと、後には様々な種類の放射性同位体を含む使用済み核燃料が残る。最初の核燃料1トンが出す放射線と、使用済み核燃料1トンの出す放射線が等しくなるのに10万年かかるということである。

 「元に戻るのにそれほどの時間がかかるとは!」と驚くところだ。が、具体的な減り方を見ていくと、想像していたのと様子が少し違うことがわかる。

「10万年かかる」というと、10万年の間、ずっと非常に危険な状態が続くように思うが、そうではない。

 このグラフはベクレル単位で測定する放射性同位体の量が、時間と共にどう減っていくかを示したものだ。様々な元素の放射性同位体にはそれぞれ固有の半減期がある。半減期の時間が過ぎると半分に減る。2回半減期が過ぎると1/4になるし、3回過ぎれば1/8だ。半減期の短い同位体は、大量の放射線を出して急速に消えていくし、長い同位体はだらだらと少量の放射線を出しつつ、ゆっくりと減っていく。

 グラフ(縦軸も横軸も対数であることに注意してほしい)を見ると、発電前の核燃料1トンは1000GBqの放射性同位体を含んでいる。それが、使用後は一気に100億GBqまで増える。実に1000万倍だ。比較を容易にするために指数表記で書くと、1000GBqは10^12Bqで、100億GBqは10^19Bqである。

もっとも危険な期間は最初の10年程度

 しかし一気に放射線を出す同位体は短寿命なので、急速に消えていく。このため、放射性同位体の量も急減する。最初の10年でだいたい1/500程度まで減る。そして50年程度で1/1000になり、100年で1/5000ぐらいにまで減る。1000年ともなると1/10万ぐらいになる。

 このあたりで強力な短寿命の同位体が消えてしまい、後には長寿命の弱い同位体が残るので減り方はゆっくりになる。それでも元の核燃料の2倍程度まで減るのは1万年後。使用直後に1000万倍もあったことを考えると、もとの核燃料の2倍というのは大した放射線を出すわけではない。10万年のうち9万年はそんな状態で、だらだら、ゆっくりと放射線が弱くなっていくのである。

 10万年保管が必要ということは、10万年ずっと同じように危険ということを意味しない。本当の本当に危険なのは最初の10年程度なのだ。

 このグラフを理解すると、地層処分の印象も変わってくる。「危険なものを埋めて知らんぷりするのか」「本当に漏れてこないのか」などと考えがちだが、100年もすれば埋めても問題ない程度に放射線が減衰している、ということなのである。(中略)

科学的に、定量的に、考え続けることの大事さ

 このように考えて、私は震災から7年後の今も、ぐるぐると思考を巡らし、迷っている。何かを見落としていないか。日常的な感覚を信用して、自然の有り様を間違って理解していないか。ちょっと目には分かりやすい言説にのって、かえって社会を退歩させ、破壊する思潮や運動に加担していないか。

 「そういうお前は、原子力をどう考えているのか」という問いならば、今のところ私は、今後100年程度は日本社会にとって原子力発電は必要ではないかと考えている。

 これには色々な理由がある。エネルギー安全保障的観点もあるし、今後の廃炉に必要な原子力技術者を定常的に育成するという観点もある。

 100年というのは、おそらくその間の技術開発で原子力発電以上に利便性が高く危険性の小さい発電手法が実用化する、と考えているからだ。太陽光発電は候補の一つだし、100年もあれば核融合発電も可能になるだろう。それまでは、原子力には他に代替できない利便性があり、「10万年の危険性」に注意しつつ使うしかなかろうと見ている。

 が、もちろん私が絶対正しいという保証なんかない。
 あなたが「原発の存続に反対だ」というならば、その考えを私は尊重する。(後略)



(私のコメント)

久しぶりに原発問題を取り上げますが、マスコミは原発問題にどの程度正確な報道をしてきたのだろうか。マスコミが原発にこれほど無知であったことは、福島第一原発事故報道でも明らかになりましたが、報道機関に科学報道の専門家がいなかったというのは意外だった。

万が一の事故が起きた時に、どんなことが起きるのかを説明できる人がいなかった。大学から専門家を呼んでも次にどんなことが起きるかを説明ができていなかった。アメリカなら原子力空母や原子力潜水艦などを運用しているから、原発が破損した時なにが起きるかを知っている。

原発の暴走は、想定できる事態であり、全電力停止が起きる事態も想定されているはずなのに、ありえないとして想定された訓練もされていなかった。バッテリーすらも水没してしまってディーゼル発電機も水没してしまって、機器のコントロールが出来なくなってしまった。

非常用発電車の手配も遅れて交通渋滞に巻き込まれてしまった。大地震が起きれば道路は車で大渋滞が起きるがその規制すらも想定されていなかった。そのために非常用の緊急車両も動けなくなってしまった。ならばヘリで大型発電機を運べばと思うのですが、手配ができなかったのだろうか。全ては24時間以内に決まってしまう。

なんとか幸運にも最悪の事態は回避ができましたが、原発の可動に関しては遅々として進まない。マスコミが正確な報道をせず、原発が危険だという扇動的な報道ばかりしているからだ。核廃棄物の最終処分場が決まらないのも、核廃棄物は10万年も危険な状態が続くという誤解があるからだろう。

核廃棄物が、どれくらい経てばどれくらいになるといった情報はあまり報道されていない。松浦氏の記事では、「一気に放射線を出す同位体は短寿命なので、急速に消えていく。このため、放射性同位体の量も急減する。最初の10年でだいたい1/500程度まで減る。そして50年程度で1/1000になり、100年で1/5000ぐらいにまで減る。1000年ともなると1/10万ぐらいになる。」という事であり、」マスコミ報道とだいぶイメージが異なる。

最近のマスコミ報道は結論ありきの報道が多く、読者に判断を任せるといった中立的な報道姿勢がない。マスコミがこのような姿勢だから読者は中立的な情報を求めるためにネットを見るようになる。あるいはマスコミ報道とは逆の視点からの情報を求めて判断するようになってきた。「株式日記」条件付き再稼動派ですが、安全対策はどこまで進んでいるのだろうか。

最終処分場に関しても目処すらついていない状況ですが、10年も経てば放射線は500分の1まで減る。それがマスコミでは10万年も危険な状態が続くかのような印象報道がされている。だから最終処分場もなかなか決まらない。福島第一原発の事故現場も10年も経てば放射線は放置していても500分の1になる。50年で1000分の1になるから、廃炉作業も思ったよりも進むのではないだろうか。

だから核廃棄物にしても、「100年もすれば埋めても問題ない程度に放射線が減衰している、ということなのである。」といったマスコミ報道はされることがない。とにかく10万年という言葉が一人歩きをして、反対運動を煽るようなことばかりしている。

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41 コメント

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Unknown (sankei nikaidou)
2018-03-18 09:45:48
米の「台湾旅行法」 中国、報復模索?

政府説明に疑義 新事実次々

>トラさん向け
【投稿】三井住友信託銀行との遺言信託に関するトラブル 2018/03/17
http://www.nikaidou.com/archives/100558

「W杯女子追い抜き」最終戦。日本が優勝 高木美帆(日体大助手)菊池彩花(富士急)佐藤綾乃(高崎健康福祉大)で。今季W杯4レース全勝。 2018/03/17
http://www.sankei.com/sports/photos/180317/spo1803170054-p1.html
「東京原発」 (心配性)
2018-03-18 09:46:35
自分にとってどの程度の「迷惑施設なのか」と言う事ではないだろうか?、受益者が責任を持って近所に有っても良いと言えば十万年などと言う数字はあまり意味がないと思うが。
受益者が安全な所にいたいし、汚れる仕事は誰かに押し付けたいと思うのが解決を難しくしてはいないだろうか。
原子力も他の公害と本質的には変わらないと思うのですが。
「誰なら自分の犠牲になってもいいと思っているのか」と格差社会が問いかけて来ている様にも思うのですが。
「東京原発」 (心配性)
2018-03-18 10:03:43
他人に押し付ける時は「10年でも長い」し「自分が押し付けられる時は10万年でも短い」のかも知れない。
公文書ですら偽造される時代に、自分が直接確認出来ない数値にどの位の信頼性が有るのだろうか。
ダイオキシンが問題になった時「ppmからppb」に変わったあたりから1検体あたりの検査コストが跳ね上がった、もう自分では検査機関のデータが本当に正しいのか?出て来たデータがもし間違って(意図的な場合も)いても「信じるしかない」。
この頃から考え方が変わって来たと思う。
無人島の有効活用 (ぺろ)
2018-03-18 10:11:57
はじめまして。
読ませていただいて、なるほどと思いました。
たしかに、広島で原爆が投下された時は、いろんな噂が流れましたが、今では普通に生活してますよね。
しかし、自分の家の庭で自分が出したゴミを焼却したぐらいのことでダイオキシンがどうのこうの言って騒がれるのが今の時代です。最初の10年だけでもガマン出来ないでしょうし、10年後であればほぼ大丈夫といっても、その「ほぼ」が気になって仕方がないという人が少しでもいればマスコミによって大々的に取り上げられる時代です。
最終処分場について、いつも思うのですが、日本はこれだけ無人島がたくさんありながらなぜ活用しないのでしょうか。島の所有者も、国が最終処分場として買い取るとか借り受けるというなら喜んでで応じると思うのですが。
そんな簡単な話ですかね? (noname)
2018-03-18 10:36:40
http://www.fepc.or.jp/nuclear/haikibutsu/high_level/glass/index.html

少なくとも50年は温度管理が必要ですし、これまで実情よりも原発は安全だと主張していた原発村の人たちが廃棄物が50年で安全になるのに50年経ったら管理が不要になるとアピールしてこなかったこと、最終処分場が稼働していないことを問題視していることを否定してこなかったことを考えると、そんなに簡単な話では無いと思います。
Unknown (アル中さん)
2018-03-18 11:19:31
お写真は前の方がいいね^^
Unknown (マタンゴ)
2018-03-18 12:59:56
原発の安全性については、推進側が嘘ばかりついていた歴史を反省しなければどうにもなりません。
阿蘇山破局噴火1万年云々でバカな判決と青山氏が言っていますが、ラスムッセン報告というバカな報告が原発の安全性を証明するとして推進側が住民に提示していたのです。
ラスムッセン報告とは、原発の破局的事故の確率は100万年に1回の割合だ。という『科学的な』報告です。
現実には、日本の反対派なんてゴミみたいな影響力しかありませんよ。そもそも、朝日新聞は原発推進ですから、誤解なきようお願いします。
米国ではスリーマイル事故以後、新しい原発が作れなくなって現在に至っていることをわすれてはなりません。
こっちも気になる→ひとまず安心? (笑氏)
2018-03-18 13:52:21
「中国宇宙施設、地球落下へ 30日から4月6日と予測 人など直撃は極めて低い?」
http://www.sankei.com/world/news/180317/wor1803170019-n1.html

放射性物質の“半減期”について、優秀な成績で中学・高校を卒業しているマスコミや国会議員ならば誰でも知っている常識にもかかわらず、危険性のみを強調するのは、科学的な判断以外の意図があることは明白でしょう。とは言え、実際に使用済み燃料棒が10年で安全になるかと言えば、そうではないとも思う(勘)。純粋に、科学的・技術的な議論をして欲しい。
冷酷な意見だとは思いますが、原発の廃炉跡地こそ恒久的処分地に相応しいと思う。廃炉跡地の利用方法として、住宅地や農耕・放牧地には相応しくないでしょうし。工業団地にして誘致しても応募があるとは思えないし、メガソーラー発電所くらいか…。

昨夜もNHKで原発事故の特集放送が有りましたが、外部電源さえ確保されていれば、事故が防げたのは明白ではないだろうか。現に、津波に襲われるまでの1時間程は冷却装置が作動していたし、作業員も冷静に対処できていたように描かれていた。
少なくとも、7年前の震災で事故を起こさなかった宮城の女川と福島第二の二ヶ所は再稼働が可能だと思う。原発の寿命が40年として、残りの稼働期間に千年に一度の巨大地震に再び襲われる可能性がどれくらいあろうか。それとも、あれが余震で本震がこれから来るだろうか。
ちなみに、超安全な新型原発でも開発されない限り、新規建設には反対ですよ。
Unknown (Unknown)
2018-03-18 14:02:10
10年たった放射性廃棄物をtoraさんの家の庭に埋めてみたらどうですか?

隗から始めよという言葉もありますが。

言葉は重いし、共感から実践されるのが
もっとも重要でしょう。

言ってることとやってることの一致ですね。
Unknown (小西)
2018-03-18 15:51:07
それほど問題にならないなら、安全性をきちんとあぽーるし、今原発のある場所か、消費電力の多い場所、例えば東京とかに最終処分場を造ればよいのでは。

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