株式日記と経済展望

株式をはじめ政治経済外交文化歴史などの論評です。

原子力発電所をつくれる技術をもっている会社は日立、東芝、三菱の三社。

2007年07月19日 | 経済

世界で最新式の原子力発電所をつくれる技術をもっている会社は
日立、東芝、三菱の三社。
日本が世界のエネルギー産業をリードする


2007年7月19日 木曜日


中越沖地震 柏崎刈羽原発に停止命令 被災者ら「当然」 7月18日 毎日新聞

地震で敷地の一部に亀裂が入った柏崎刈羽原子力発電所では施設を取り巻くようにビニールシートがかけられていた=新潟県で18日午前9時39分、本社ヘリから内林克行撮影(毎日新聞)



日本のエネルギー産業と安全保障 7月5日 大門寺隼人

世界的に重厚長大産業の復活が始まっています。そして日本はその中心にいます。

 ここでは、エネルギー分野での日本の位置と将来について、渡部昇一の意見を見てみます。

世界のエネルギーをリードするのは日本だ

 ソ連崩壊(一九九一年)でシュンとしていたロシアがいま大きな顔をしているのはなぜかといえば、石油が出ている、天然ガスが出ている、要するにエネルギー資源をもっているからです。エネルギーをもった国は強い。

 では、そのエネルギーは将来どうなるでしょうか。いちばん注目すべきはやはり原子力です。

 エネルギーというのは究極的には電気・熱にして使います。天然ガスでも石油でも原子力でも、それを電気や熱にして使う。ガソリンで車を動かすこともありますが、いまやハイブリッド(ガソリン・エンジン+電気モーター)やバイオマス・エタノール(サトウキビやトウモロコシから得る燃料)など、代用が利きます。電気に比べたら、さほどの量は必要ありません。エネルギー問題の主要テーマは電気と熱なのです。そして、これを大量に供給できるのはやはり原子力発電所です。

 戦後、私の郷里(山形県鶴岡市)の近くに「八久和ダム」という大きなダムができました。そのとき地元の人たちは「発電量が七万キロ・ワットもあるそうだ」といっていたのを覚えています。現代であれば七万キロ・ワットなど、まったくたいしたことはありません。じっさいその後、石油発電所ができて、これは五十万キロ・ワットといわれました。ところが原子力発電所は百万キロ・ワットです。ケタ違いです。それを知ったとき、八久和ダムのことを覚えていた私は、原子力とはなんと凄いものかと思い知りました。

 ところが周知のように日本というのは原子力アレルギーが強い国です。「原子力」というと、すぐマスコミが叩く。そんなことが続いておりましたが、それでも電力会社の人たちはコツコツと原子力発電の技術を磨いてきました。そうした人たちのおかげで、いまや日本の電力の三分の一は原子力になっています。しかも原子力は「プルサーマル」に移行しようとしている。これも心強い話です。

 プルサーマルというのは和製英語で、通常使われるウラン燃料にプルトニウムを加えた混合燃料(MOX)を熱中性子炉(軽水炉)で燃焼させる技術を指します。プルトニウムとサーマルリアクター(熱中性子炉)を合成して、ごういう名称ができました。そしてこのプルサーマルの技術では日本が断然優位に立っているのです。

 アメリカはスリーマイルの原発事故(一九七九年)以降、新しい原発設備をつくっていません。ヨーロッパも、ソ連(当時)のチェルノブイリの原発事故(一九八六年)で震え上がってしまい、ドイツなどは二〇〇二年に「原子力エネルギー利用を廃止する」ことを決めた改正原子力法を施行しています。ところが先ほど述べたように、今年ロシアがヨーロッパ向けのガスのパイプラインを閉めるという資本主義国のレベルに達しないような暴挙に出たものだから、ドイツの国会も「原発廃止」を決めた法律の廃止に動き出しています。「他国に依存しない原発のよさを見直すべきだ」という意見が高まってきました。

 しかし、アメリカはここ数十年間、新しい原発を作っていない。ドイツも原子力エネルギーの利用廃止を決めたくらいですから、技術は進んでいない。

 そこでふと気がついたら、世界で最新式の原子力発電所をつくれる技術をもっている会社は三つしかない。全部、日本の会社です。すなわち、日立製作所、東芝、三菱重工業。あとは日本の三社と提携している会社だけ。

 ・日立+ゼネラル・エレクトリック(米)・・・・・・戦略的提携

 ・東芝+ウェスチングハウス(米)・・・・・・東芝が買収

 ・三菱重工+アレバ(仏)・・・・・・技術提携

 この三つの連合だけです。言い換えれば、全部日本が押さえている。いまアメリカは原発を三十基ぐらいつくりたいといっておりますけれども、そうするにはどうしたって日本の手を借りなければならない。ドイツが「ふたたび原発を」といっても頼みにできるのは日本です。これからは日本の三社が中心になって世界中の原発をつくることになるはずです。

 したがって私は、今後は日本を中心にしてふたたび「重厚長大の時代」が復活すると見ています。

 中国の原発にしても日本の技術を借りなければならない。またパイプラインだ何だといっても、その技術をもっているのは新日鉄と住友金属にかぎられる。

 われわれは、日本の重厚長大産業が世界の将来のエネルギーのキーを握っていることを自覚して、核アレルギーを振り払い、速やかにプルサーマルを稼働させ、さらには一歩踏み込んで高速増殖炉の開発に進むべきです。

 私はかつて、筑波大学をおつくりになって、みずからは副学長から学長になられた福田信之先生からお話をうかがったことがあります。そのとき先生ははっきりと、「高速増殖炉ができれば日本のエネルギー問題は百年単位、千年単位で解決する」といっておられました。それだけの見通しはあるのです。

 日本が明治維新で国を開いてから、ずっと困ってきたのは天然資源がないことでした。たしかに維新以前の日本は大きな工場がなかったから自給自足でやってこられました。しかし、近代社会に入り近代工業の時代になると、石炭が必要になり、その後は石油が必要になった。それが無いために日本はずいぶん苦しんできました。石油を止められて日米開戦にも踏み込まざるをえなかった。

 それが原子力の時代に入って、ようやく日本は世界のトップを切ってエネルギー問題の解決に向かっているわけです。

 もう、日本は資源小国だといって恐れることはない。福田先生の言を信じて核融合に向かうべきだと思います。そこに国民的な関心を向け、政府も思い切った政策を推し進める。そううなれば、それは日本にとって半永久的な安全保障にもなります。

渡部昇一『中国・韓国に二度と謝らないための近現代史』P.160-165



(私のコメント)
中越沖地震が柏崎原発の近くが震源地だった事で、世界中がトップ記事で報道されているようです。原発の被害がどの程度だったかまだ分かりませんが、安全装置が働いて緊急停止しました。震源から50キロで震度6強で設計上よりも大きな地震に見舞われた事になります。

付帯設備の変圧器が燃えている状況がテレビでも中継されましたが、消火器何本かあれば消せるような火事が2時間も放置されていた。発電所も地震の対応で手が回らなかったのでしょう。緊急停止した原子力発電機そのものはなんともなかったようですが、冷却水が漏れて流れたらしい。

しかし震源地の近くで震度6強の地震であの程度の被害で済んだということは、直下型の地震で震度7の地震がない限り大丈夫だと言う事になる。むしろ原子力発電所の災害で恐れなければならないのはチェルノブイリやスリーマイル島の事故のような炉心が暴走するような災害だ。

原子力発電機の炉心に異常をきたすようになると、チェルノブイリやスリーマイル島のような大災害となり大変危険な状況になる。チェルノブイリの大事故はソ連崩壊のきっかけにもなったし、スリーマイル島の事故はアメリカが原子力発電所の建設を止めたきっかけにもなった。

原子力発電所で一番問題になるのは安全性の問題であり、もし大事故が起きれば国家存亡の危機になる。だから原子力発電所は石炭や石油を燃やす火力発電所とは違って安直に作ることは出来ない。発展途上国が見よう見真似で作れるものではないからだ。

世界最先端の技術で原子力発電所を作れるのは現在では三つのグループしかない。日立と東芝と三菱だ。ドイツやイギリスは原子力発電所の建設を止めて作ってはいないし、最新鋭の原子力発電所を作り続けてきたのは日本とフランスの企業だけだ。だからアメリカもこれから原子力発電所を30基の建設を予定しているが、日本企業なしには作ることが出来ない。

日本の原子力発電所は今回の地震のような事が想定されているから事故に対しては特別に強化されたものを作っている。炉に使われる19ミリの圧力鋼板を加工する事ができる企業は限られている。特に鋼板を溶接する際にはピンホールほどの穴も許されない。溶接検査技術も非常に難しい。


東芝、米国で原発受注 海外で初、総事業費6000億円 6月27日 産経新聞

東芝が米電力大手NRGエナジーから原子力発電所を受注する見通しになったことが27日、わかった。総事業費は約6000億円に上る大型受注。東芝が海外で原発建設の主契約企業となるのは初めて。同原発は昨年、日立製作所・米ゼネラル・エレクトリック(GE)連合が契約直前まで進んだが、同型原子炉の納入実績などを訴えた東芝が逆転した。

 受注する見通しとなったのは、NRGがテキサス州に新設する改良型の沸騰水型軽水炉(BWR、出力135万キロワット)2基で、7年後の稼働を目指す。両社はすでに主契約を結ぶことで基本合意。NRGは年内にも当局に原発の設置運転許可を申請する予定で、東芝も原子炉の主要部材の発注を始めた。

 米国は原子力政策を転換しており、今後も30基の原発建設が見込まれている。三菱重工業も米国で大型案件を獲得するなど、このところ技術力に定評のある日本勢の攻勢が続いている。

 海外ではGEの営業力が強く、これまで東芝の単独受注はなかった。今回の案件についても昨年、NRGがいったん日立・GE連合の原子炉を採用する方針を決めた。しかし、東京電力の柏崎刈羽原発6号機などの建設実績を持つ東芝の提案も改めて比較した結果、一転して東芝を採用することにした。

 原子炉の技術は今回のBWRに加え、加圧水型軽水炉(PWR)がある。東芝は従来はBWRを採用していたが、昨秋にPWR陣営の米ウエスチングハウス(WH)を買収。米国で数々の実績を持つWHを傘下に収めたことで米市場での信頼性が高まっていた。



(私のコメント)
アメリカは現在でも原子力発電では世界最大ですが、そのアメリカですら原子力発電所は日本企業なしには出来なくなっている。これからの発電所は規模からいえば原子力発電が主流にならざるを得ない。石炭や石油や天然ガスを燃やす火力発電所は地球温暖化などの問題や資源の確保やコストで問題があるからだ。

世界のマスコミは原子力と名前を聞いただけで条件反射的に危険だと騒ぎ立てますが、背後ではオイルマフィアがやらせているのだ。しかしアメリカも原子力発電を再開せざるを得ないほど石油事情は逼迫してきている。日本とフランスは国策として原子力発電を推進してきたが、日本はこれから数世紀にわたって原子力発電をリードしていく役割を担っている。

ジャンル:
経済
コメント (64)   トラックバック (11)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 温家宝が、「持続的発展は不... | トップ | 円安政策がいかに間違ってい... »
最近の画像もっと見る

64 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2007-07-19 15:49:58
大丈夫。オイルマネーは日本のマスコミを使って、反原発キャンペーンを貼るよ。

Unknown (Unknown)
2007-07-19 16:05:14
http://blog.goo.ne.jp/princeofwales1941/e/e7ec4245e30d720189d9dd0861844389
常温核融合、東芝・石播のウェスチングハウス社買収、三菱重工とコスモクリーナーD

先端レベルでは独走状態であります。
Unknown (馬券士るぱん)
2007-07-19 16:20:51
はじめまして。馬券士るぱんといいます。
競馬ブログを書いているのですが、この度、リンク先ランキングサイトをブログ内でやることになりました。
現在ブログ村1位、人気ブログランキング4位なので、一日の訪問者数は結構あると思います。なのでランキングに参加いただければ、御サイトの訪問者アップにつながるはずです。
是非ご参加ください。お待ちしております。
http://blog.livedoor.jp/rupan0217/
Unknown (夏休み)
2007-07-19 16:54:50
いつもBlog楽しみに見ています。

自分は原子力とかまったくの素人なんですが、原子力空母を作れるアメリカが原子力発電技術について劣っているとはにわかに信じがたい気がします。

そもそも、人の住んでいない海上とかに発電所を作る発想はないのかな?

詳しい人いましたら、教えてください。
Unknown (Unknown)
2007-07-19 17:06:47
http://www.uriminzokkiri.com/Newspaper/japan/2007/2007-07-19-s1.htm
Unknown (Unknown)
2007-07-19 17:09:30
http://www.rnc.org/ http://www.democrats.org/
Unknown (Unknown)
2007-07-19 17:15:37
http://www.rite.or.jp/Japanese/project/tityu/nagaoka.html
Unknown (Unknown)
2007-07-19 18:10:06
核融合までいければ良いね
Unknown (Unknown)
2007-07-19 19:39:54
 米国の原子力技術は軍需技術がベースとなっている為、民需用としての技術の確立が遅れたのだろう。

 何故、日本の株式市場で企業買収が容易にできるようになったのかをよく考えるべきだ。日本の原子力企業も彼らの購入リストに入っているのは間違いはない。

 しかし、これらの企業を完全買収してしまえば日本人から反感を買う、あるいは技術情報が隠蔽される、そしてなにより多数派の社員が日本人になってしまう恐れがある。だから彼らは株式保有比率を3から4割程度にとどめ後はそれを無言の圧力にして提携するのである。

 日本と仏そして米国によるこの談合したかのような組織が、この技術情報を独占してプルトニウムを管理しまた利潤を得る体制が整ったと見るべきだろう。

 ボーイング社の新型機787型のキャッチコピーは「made with Japan」 だった。米国の通商戦略が日本を取込んで(言葉を変えれば日本と談合して)そして日米の通貨を安くし世界中に商品を売りまくるつもりではないのかと思えてならない。

 ちなみに日本にとって米国との談合はアジア共同体等と言って中国や朝鮮と組むよりは比較にならない程ましな話だろう。
Unknown (13代目)
2007-07-19 21:06:51
原子力発電所は、名も無い人の寿命を食う事により維持されている事をを忘れなく

ドコゾノ原発が水漏れ事故を起こした時、決死?
の雑巾掛けをしたのは、名も無い人達・・・

作動中の炉心に入った事のある私には、原子力発電所は
巨大な墓標に見えますが・・・あの光は美しい
さすが、人の命を食らう光だ

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

経済」カテゴリの最新記事

関連するみんなの記事

11 トラックバック

車について (車について)
車についてのブログです。
自動車日記 (自動車日記)
自動車日記についてのブログです。
中古車日記 (中古車日記)
中古車日記についてのブログです。
公務員改革、能力・実績主義09年度にも導入 (35歳女ビルオーナーのダイエット日記)
自己破産 渡辺喜美行政改革担当相は16日、政府が今国会提出を目指している公務員制度改革関連法案について、昇進や給与を人事評価に基づいて行う能力・実績主義の人事制度を09年度にも導入する考えを明らかにした。対話集会「
日本が世界のエネルギー産業をリードする (これ 見逃すな)
電力会社の人たちのおかげです! 株式日記と経済展望 原子力発電所をつくれる技術をもっている会社は日立、東芝、三菱の三社 日本が世界のエネルギー産業をリードする 電力会社の人たちはコツコツと原子力発電の技術を磨いてきました。そうした人たちのおかげで 、いまや...
上抜けできるか? (みなさまのサイノーコム(株価解析情報))
サイノーコムです、本日の解析結果を更新しました。 http://www.scik
ノートPCのピークシフト運動してみませんか? (keep on your easy pace.)
さて、柏崎刈羽原子力発電所が停止しました。事故後、刈羽原発の付近に新たな活断層が見つかったため、柏崎市によって原発の停止命令が出されました。とすると、今年の夏は電力不足に陥るのは明らかなので、みんなで出来ることをしてみませんか?
中越沖地震・柏崎刈羽原発の問題と経路依存な意志決定 (ヨーロッパから環境事情 (オックスフォードの環境博士の日記))
何日も前から、同僚のアナさんから「日本はすごいことになっているね」と、言われている。「確かに、でも地震は日本ではよくある災害だよ」っと、最初は言っていた。でも、それが自然災害だけの問題ではないことにすぐに気づいた。新潟県の中越沖地震と柏崎刈羽原発の問...
刈羽原発 かり (新潟県中越沖地震 口コミ情報)
柏崎刈羽原発、全7基で想定超す揺れ・中越沖地震日本経済新聞東京電力は19日、新潟県中越沖地震によって柏崎刈羽原子力発電所1―7号機のすべての原子炉で、設計時の想定値を大きく上回る強い揺れを測定していたと発表した。地震計で測
想定外地震による原発事故や工場被害で自動車生産中止が示唆する私たちが本当に考えなければいけない事 (2億5540万の瞳 ビューティフル・ジャパン)
■欲望の解放と人口増加 人間圏へのエネルギーや物質の流入量が増えれば、我々は欲望を解放しても生きられるようになります。例えば、以前は共同体が所有していたものでも個人が所有できるようになります。現代はあらゆるものを、個人が所有している時代です。そういうこ...
日本核武装論 (ぼんちゃんのブログ)
これまでの日本は、外交、安全保障をアメリカに丸投げで、何十年も惰眠をむさぼってきました。 今後の世界は群雄割拠の戦国時代になります、日米同盟がありましても、昨日の敵は今日の友となり、気がついたら、米中同盟に囲繞されていた、こんな事も現実起こり得ます。...