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日本の組織における給与の水準や決め方はガラパゴスであり、深刻な人材難に陥るだろう

2017年05月14日 | 経済

「日本の組織における給与の水準や決め方はガラパゴスであり、
このままではいずれ深刻な人材難に陥るだろう」ということです


2017年5月14日 日曜日

なぜ日本の組織は優秀な若手の給料を2倍に出来ないのか 5月12日 城繁幸

先日、一橋大学のある講師のつぶやきが大きな話題となりました。

「給料格差ツイート、狙ってやった」 日本捨てる若手学者の危機感

要約すると「日本の組織における給与の水準や決め方はガラパゴスであり、このままではいずれ深刻な人材難に陥るだろう」ということです。筆者もまったく同じ危機感を抱いています。今回は有名大学の文系教授ということで話題となりましたが、理工系の教授や官僚、一般企業の若手幹部候補の間では、同様の人材流出は以前からかなり進んでいますから。

なぜ、日本の組織の若手には突然2倍以上のオファーが届くのでしょうか。なぜ、日本の組織はそれに対して有効なカウンターオファーを出さないのでしょうか。重要なことですけど意外と見落とされがちなこの問題について、いい機会なのでまとめておきましょう。

日本型雇用の肝は“信頼感”

日本の一般的なサラリーマンは終身雇用を前提としているので、どうしても単年度あたりの給料は低く抑えられてしまいます。リスクが少ない分、リターンも少ないというわけです。

くわえて、やはり一般的なサラリーマンは「初任給からスタートして少しずつ昇給する」という年功序列賃金がベースとなっており、2,30代は生産性の割に賃金が抑えられる傾向があります。もちろん、40代以降は生産性以上に支払われるので、トータルでみればトントンですが、若い間は安月給の傾向が強いということです。

その結果、日本の組織で働く2~30代の人材は、終身雇用でも年功序列でもない外資系や新興企業からみると、とても安月給で働かされているように見えるわけです。「若手に2倍のオファーがくる」のは、こうした構造的な事情があるためですね。別に日本企業がケチだからというわけではなくて、給料の支払い方がぜんぜん違うからというのが理由です。実際、終身雇用と年功序列賃金によって、自動車や鉄鋼、商社といった大企業や官庁は優秀な人材を多く囲い込み、戦後の高度成長を実現させたわけです。

ただし、“終身雇用”や“年功序列”というのは契約ではなく単なる慣習にすぎません。「絶対に定年まで雇用が保証される」「40歳以降はポストについて昇給もバッチリさせてもらえる」という組織に対する信頼感がないと、優秀層を囲い込むことは不可能です。今の日本でそういう信頼感が維持できている組織がどれほどあるでしょうか。

追い出し部屋があったり、50歳過ぎてもヒラの社員がいっぱいいる会社で「うちにいれば50歳すぎてから人生ウハウハだぞ?」と言っても説得力ゼロでしょう。形がい化した“慣習”を惰性で続けるのではなく、メリハリの利いた“契約”を単年度で提供できるような仕組みに移行する以外に、日本の組織が人材獲得で勝ち残ることは難しいでしょう。

より具体的に言えば「滅私奉公してくれれば将来出世させますよ」といった曖昧なものではなく、どういう仕事に対して現金でいくら支払うかを明文化して契約することです。と聞くとプロスポーツ選手のような厳しい世界を連想する人もいるかもしれませんが、逆に明文化された契約であれば、そこに滅私奉公やブラック企業的要素の入り込む余地はありません。日本人の働き方そのものを見直す良い機会となるはずです。



(私のコメント)

最近の日本の大企業のスランプ状態が長く続いていますが、それらの企業は創業社長が引退して、サラリーマン社長が経営しているからだろう。ソフトバンクのように創業者の孫社長が先頭に立っている企業は元気だが、サラリーマン社長は名前すらも知らない社長ばかりで、任期が4年程度で回り持ちで交代していく。

社長や経営幹部にまで出世ができればいいが、多くの社員は途中で関連下請け企業などの天下りして定年を迎える。会社が順調ならばこのような組織体制も維持ができるが、シャープや東芝のような事態が起きれば天下りもままならなくなり、リストラされて再就職先を探さなければならない。

会社も終身雇用・年功序列から徐々に能力給制度に切り替わっていくのだろうか。正社員と非正規社員との待遇格差が問題になっていますが、同一労働同一賃金制度に切り替わって行って、必然的に能力給制度に入れ替わっていくのだろう。能力給なら若くても経営幹部に抜擢されることもあるし、能力がなければ減給や格下げなども普通に行われるようになるだろう。

どうしても能力が認められないとなれば、同業他社に転職して役職や給与を上げていくといったことも起きるようになるだろう。東芝のような名門企業と言われていたところは外部からの途中入社が極端に少なく、新しいプロジェクトを立ち上げようとしても適材の人材がいない。必然的に外部からスカウトして採用しなければならない。

しかし日本型の企業では、外部からのスカウト人事は滅多に行われず、いたとしても助っ人外人扱いで外様扱いにされる。外資系企業は人材の出入りが激しくて、生え抜きの社員だけが出世できるわけではない。社長人事も社外取締役などの会議で決まり、生え抜き人事が当たり前の日本企業は、相談役とか名誉会長とか言った形でそのまま会社の経営に関与し続ける。

これでは会社の社長は、前社長の路線から外れたことは出来にくくなり、シャープや東芝のようになってしまう。フランスでは30代の大統領が誕生しましたが、日本では国会も年功序列社会だから30代の総理大臣は不可能に近い。このような人事体系では有能な人材を外部からスカウトすることは無いから、社内の人事も停滞しがちだ。

このような閉鎖された日本企業では、閉ざされた世界だから派閥抗争による出世の明暗が分かれる。派閥人事になると社長に選ばれた派閥の社員が出世して、派閥抗争に敗れた派閥の社員は、飛ばされるか外されていく。これは能力主義とは無縁の社会であり、社内政治に長けた人材が出世するということになる。

今までのような年功序列社会では、若くて有能な社員を安い給料で使うことができましたが、反対に無能な中高年社員を沢山抱え込むことになる。会社には忠誠心が有りサービス残業も厭わぬ働きをするが、成果には結びつかない仕事をする。有能な若手社員を潰したりもする。

そう感じたら、有能な若手社員は起業すべきであり、日本の生産性が低いのはこのような起業割合が低いからではないだろうか。斬新なアイデアがあっても無能な中高年幹部に皆潰されてしまう。ならば自分で起業してそのアイデアを実現すべきなのだ。

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14 コメント

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適材適所 (Unknown)
2017-05-14 13:55:19
>ならば自分で起業してそのアイデアを実現すべきなのだ。

そのようなアイデアも湧かず、あぁせい、こぅせいと、指示待ちの人も多い。

それはそれで、本人の適性にかなっているし、そのような人を求めている雇用者もいる。
他人事? (Unknown)
2017-05-14 14:07:08
会社・企業について、いろんなこと言っているが、なんの強制力もない。
そんな他人任せより、自分の人生を直視する方が先だろう。
Unknown (Unknown)
2017-05-14 16:23:36
城繁幸って、嘗て厚労省が会社組織の失敗例としてやり玉に挙げた富士通の改革をやったコンサルタントのメンバーの一人ですよね。
ブログ主さんはこの人の文章をよく用いていますがやめたほうがいいと思います。
子育て終えた女性を狙え (Unknown)
2017-05-14 16:40:38
40過ぎれば、子育てを終えた女性が再び職場に戻る時。一流企業で職場結婚したような女性が再び労働市場に戻ってくるわけで、これを見逃す手はない。

新卒女子の採用比率を高めている上場企業も多いようだが、たった半年勤めただけで結婚、出産で退職する女性も多い。そういう立場の女性のために、産休手当などを充実させている企業も多いようだが、子育てそのものが重労働なのを考えれば、果たして子育てと両立させ、結婚出産した女性を会社に引き止めておくのが、会社にとってプラスなのかどうかは、疑問ではないだろうか。

若い女性が働く職場は確かに華やかではあるが、それによって生産性が上がるとは限らないだろう。むしろ、目移りがしたり、セクハラなどの揉め事も多かったりで、生産性は下がっているのかも知れない。なにしろ、女性社員の場合、入社後30歳までに退社する比率は高ければ50パーセントは覚悟しなければならない。そんな不安定な人材を採用するくらいなら、25年間は安定して雇用できる40歳の子育て一段落女性を雇う方が、会社のためではないだろうか。
企業内序列 (Unknown)
2017-05-14 17:32:02
 どうしても必要な人材はそれなりの給与で待遇しなければなならないし、ベースアップも必要だろう。

 たいして必要でない人材は「飼い殺し」して手元に置いておく。ベースアップ無し。

 使い捨て要員の非正規労働者は、いつ辞めてもいい状態で薄給賞与無し。

 社員を減らして非正規を増やす。これが会社利益を伸ばすわけだから、そうせざるを得ない。
世相を、ブッタ斬る!!! (う~ん、、、)
2017-05-14 18:35:23
自民&維新×自衛族&関連企業&ヤクザ資金
=ネオコン×アメリカ&イスラエルの武器商人

極東情勢は、こんな感じで皆その上に乗っかってる感じかなぁ、、、

奴らの本丸はシリアガス田パイプラインで

イスラエルVSロシアを惹起する方が、より重要性が高いと観える。。。

極東アジアは、中・韓・北・日の国民の耳目を外に向けさせて反目合戦を装っておいて、裏では手を握って武器開発や購入やらで国民からマージン盗ろうとしてるんだろうなぁ、、、

東アジア情勢は、単なる奴らイルミナティー一族のビジネスに過ぎんよ。。。

カネや女で籠絡させて、裏でカネに目がないド腐れ穢れ江頭の孫娘と皇太子は創価学会だからね。。。

森善朗に勲章抜けぬけと手渡しているところを観れば、一目瞭然でしょうなぁ~~~、、、

ようは、奴らって単純すぎるぐらいのミジンコ程度の知能しか持ち得ていない連中が、カネ・カネ・カネでバブリッているだけだしね。。。

それほど、景気が良いとは観えないが、物価や保険料なんてのは毎年、毎年、確実に上昇していますから、消費税なんか上げなくても去年ぐらいから、生活費は実質10%ぐらい値上がってるんと、同じちゃいますか?!!!

俺、身持ちがいいのは、ちゃんと家計簿付けてるからなんだけど、、、1円を笑う奴は、必ず1円に泣く子供に過ぎないんだよね、所詮はね。。。

1円の差の如何に大きいことか!!!

これじゃぁ、実質、消費税上がってんのと同じだよ!!!
Unknown (非常事態)
2017-05-14 18:49:50
北朝鮮のラジオ放送の暗号を2ちゃんねらーが解読? 「14日午前5時56分、発射予定時刻かな」が的中 「明日も発射ある?」ネット騒然

 14日午前、北朝鮮がまたもミサイルを発射し、再び朝鮮半島が緊張する中、匿名投稿サイト「2ちゃんねる」に投稿された書き込…【続きを読む】sankei
>世相を、ブッタ斬る!!! (う~ん、、、) (Unknown)
2017-05-14 22:44:01
どこ吹く風の人もいますよ。

https://twitter.com/hatoyamayukio/status/863697112592113664
なぜ起業しないのか (村夫子)
2017-05-15 01:23:52
起業の成功率は、1年生存で50%、3年後には10%だ。ほとんどの起業家は、最初は失敗する。

問題は、日本では、一度失敗すると再起できないことだ。金融機関はもちろん、世間も「会社をつぶした男」には冷たい。米国のように「1回の失敗はプラス」と評価する風土がない。
これでは、起業はウルトラハイリスクになってしまい、「サラリーマンが務まらなかった男」しか、起業家にならない。多くの創業社長が、サラリーマン失格者である。

新興市場に上場した創業会社でも、8割が上場時の株価を抜けずに終わる。曲がりなりにも、ゼロから上場させたメンバーは失意のうちに会社を去り、彼らに再チャレンジの機会はない。
オーナーは株を早々に売り抜けて悠々自適だが、その他のボードは悲惨になる。実質は上場させたメンバーなのだが。
仮に上場を果たしてすら、再チャレンジにこの国は冷たい。

ちなみに、再チャレンジを掲げて、みずから再チャレンジを果たした首相は、自分の再チャレンジが軌道にのるや否や、このスローガンを捨てた。その程度のものだ。
自民党 (kashin)
2017-05-15 09:12:58
この部分の述語はイジらず、主語を換え、それに合わせて形容と説明の文句を換えたらこうなった。
このような閉鎖された自民党内では、閉ざされた世界だから派閥抗争による出世の明暗が分かれる。派閥人事になると総裁に選ばれた派閥の議員が出世して、派閥抗争に敗れた派閥の議員は、飛ばされるか外されていく。これは能力主義とは無縁の社会であり、党内政治に長けた人材が出世するということになる。
ひったりハマる。

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