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日本の会社の生産性が何故上がらないのか。一つのプロジェクトが決定されるまでの膨大な作業は、何の為

2018年03月01日 | 経済

日本の会社の生産性が何故上がらないのか。一つのプロジェクトが決定されるまでの
膨大な作業は、何の為にあるのだろうか。社長が出向いて直接判断すれば済むことだ。


2018年3月1日 木曜日

『総合商社で投資がしたい』君へ。長いけど読んでくれ。投資業務の理想と現実 2月21日 伊藤哲士

「……しといてシトイテ」司令の嵐

晴れて投資部隊の下積み期間が終わったあなたは部署の管理職からこれから案件を組成するチームに入ることになる。案件を作るために上司と海外に同行し、関係者と議論を詰めていく。まさに世界を股に掛けビジネスを作っていく商社マンそのものだ。近づいてきたぞ「吾輩は商社マン」と言える瞬間が……。

あの東京屈指のナンパスポット、銀座コリドー街でも女の子に「どんな仕事してるの?」と聞かれれば「東南アジアのインフラ案件作ってる。来週パートナーと会議があるからシンガポール出張なんだよね」みたいな会話が繰り広げられ、合コン市場では無敵状態になる。

そんな順風満帆に見えるあなたの最初の仕事は、その上司と一緒に出た会議の議事録作成、出張報告書作成だ。そして会議で出たクリアになっていないポイントのリサーチを一手に引き受ける。

そして、上司から様々な「シトイテ」を頂くことになり、鬼のような作業量があなたに降りかかってくるのだ

「インドネシアの税制を経理部と確認しといて」「現地の会社法を法務部と現地店とクリアにしといて」「資金調達の件、財務に話しといて」「接待アレンジしといて」「海外店のあの人にも報告しといて」

何か一つ報告、確認するにもあなたは神経を使うことになる。

例えばバックオフィスとの連絡ではこうなる。朝出勤と同時にメールを見れるようにしておかないと、ってことは今夜にはメール送っとかなきゃ、メールを送るにもあやふやな質問すると嫌われちゃうからある程度内容を整理しとかないと、ってことは今日中に資料は作成しとかなきゃ、海外は時差があるから夜中に電話しよう、あ、来週また上司と海外出張だった、現地法人とスケジュール調整しとかなくちゃ、うーん誰か手伝ってくれないかなぁ。

だが、こんなことはまだまだ序の口。いよいよ案件を作って関係者にまわし、文書で決裁・承認を得るために稟議書を作る。

「稟議書のドラフトもう開始しといて」「どのレベルの役職者までのハンコが必要かどうか確認しといて」「ハンコ押さなきゃいけない人のスケジュール整理しといて」「案件組成の経過を部長に報告しといて」「事業計画書と、どのビジネススキームが一番メリットあるか比較した資料作成しといて」「稟議書に財務モデリングを作ってそれから一目で案件が理解できるパワポのプレゼンも作成しといて」

この時期になってくるとプライベートは無し。財務モデルも見直してみると一つ数字がずれていて報告した数字から変わってしまい再報告……、なんて日常茶飯事だ。

稟議書のドラフトを直属の上司に見せて、様々な指摘に加え、文章の「てにをは」まで赤字で修正される。気づけば稟議書ワードファイルは修正部分で溢れる。おれのドラフトが原型をとどめていない。稟議書を通すには、上司のそのまた上司や他海外支店などのハンコも必要なのでどんどん修正が入ってくるのだ。大きい案件であればあるほど無限のループのような修正作業は続く。役員のハンコが必要な案件になってくると、案件を具体的にプレゼンする会議が設けられる

ちなみに、ここでもう一つ必要になってくるのが「質問予想集」。日本の中学とか高校でもある、期末テスト予想問題の稟議書版だ事業への期待度・予想される収益・社会的意義・パートナーの信用度などに対して予め1つ1つ、響きの良い言葉でロジックを固めていくのだ。このくらいのレベルの案件になってくると部署でもその案件のチームを作ることになる。だいたい3人から多くても7人くらいだろうか。この会議がある時期は全員全力で残業、残業、残業……。

そして、いよいよ来たるプレゼンの日。

プレゼンするのはここまでプラベートを犠牲に頑張ってきたあなた。

……で・は・な・い!!

一番若手のあなたはその会議でプレゼンすることもないし、そもそも出席しない。プレゼンをするのは部署の課長か部長。堂々と若手が残業して作った資料を片手に誇らしげに、かつ情熱的にするのだ。その姿を横目に、質問予想集ではカバーしきれなかったトピックをまた調査するのがあなたの役割。そして関係者全員がハンコを押したところで事業パートナーなど案件関係者に連絡し、FID(※)にまで至る。このようなひたすら作業に没頭する日々が始まる。ちなみに、この仕事は12年目くらいの社員でも全然やってるぞ。

(※)FID…「Final Investment Decision」の略。最終的に投資計画を決定すること。

オー、人事! オー、人事!

晴れて直属の上司より投資が実行されることになったと連絡が入り、あなたはチームの他社員と喜びを分かち合うことだろう。「いよいよ、事業会社に駐在だ!」と意気揚々と待っているあなた。しかし、一向に出向してくれという話が舞い込んでこない。

そして、上司からある日こう告げられる。

「そういえばこの案件、最近転職してきた隣の部署の山田さんが出向することになったから。年次的なことや、ローテーションといった人事面のことを考慮してな。そう慌てるなよ。あっ、そういえば、次この案件進めるからこっちも頑張ってな。」

……どうだ、膝から崩れ落ちるって言っただろ? 

立てるか、だいじょうぶか?

人事異動はコントロールができない。 だから、入社して10年も経っていない若造は理想通りになかなかいかない。憧れの「商社マン」への道のりはそんなに容易ではないのだ。ただ、入社10年目くらいの社員になってくると、稟議対応していたその案件の事業会社に出向することは、まぁまぁある。そしてまた、あなたがあの地獄のような案件組成チームでの日々を繰り返すのは言うまでもない。 (後略)



(私のコメント)

日本企業の判断や決定の遅さは、誰もが指摘する事項ですが、決定されるまでには膨大な資料が作られて、さらに多くの会議が開かれて、稟議書が回されて初めてプロジェクトのGOサインが出る。これでは外国の会社にプロジェクトがさらわれてしまうのは無理がない。

国会に審議などを聞いていても、総理や各大臣が答えることは霞ヶ関の官僚たちが答案書を書いてる。働き方改革でも官僚が用意したデーターが不適切だったことが問題になっていますが、そんな細かいことまで聞くから答える方も官僚に答弁書を書いてもらわなければならない。

聞く方も答える方も問題の本質がわかっていないから、テレビを見ている方の人はもっと分からなくなる。確かにホワイトカラーの仕事は考えることが仕事であり、時間給で給料を計算するのは不適切だろう。企画書を作るにしても30分でできる人もいれば、一週間かけても企画書が書けない人もいる。

記事にあるような総合商社の投資業務はかなり煩雑なようだ。担当責任者が行って直接見て、本人が判断すればいいと思うのですが、上司からは「・・・しといて」の嵐が降り注ぐようだ。会議の議事録作成、出張報告書作成から稟議書の作成まで本当に必要な作業なのだろうか。

倒産したシャープなども、即断即決ができず、自体がどんどん悪化していきましたが、台湾企業に買収されたらいっぺんに業績が回復してしまった。社長は300万円程度の案件にまで目を通して直接決済するから、余計な業務に時間を取られることはない。

日本の総合商社は、アメリカのシェールオイル開発でも数千億円の損失を出しましたが、一番重要なのは情報であり、現場で根を下ろして活動していないと重要な情報が入ってこない。三菱のMRJの開発でも、年々変わる安全基準の変更の情報が入らず、後になって気がついたようだ。

シェールオイル開発の情報も、後手後手に回ったのでしょうが、石油価格の動向は視察団をいくら送ったところで分からないだろう。記事では稟議書について様々な方面から修正が出てきて原型を留めないということですが、役員への説明会議でもまたすったもんだで決められていく。

大企業病という言葉が流行ったことがありましたが、会社の経営者が機能しなくなると大企業病が発症するようだ。さらには定期的な人事異動があるから日本企業では専門家が育たない。海外駐在員も4、5年で日本に帰ってきてしまうから人脈も作れない。

かくして日本企業には、仕事をしない上司たちがいっぱいいて、やる気のある若手社員をすりつぶしていく。このような企業が外資に買収されてショック療法が一番効くのでしょうが、社内で作られる膨大な書類は本当に必要なのだろうか。記事の最後ではいつでも会社を辞めてもいいといった、フットワークのある人材が一番適しているのだろう。

とにかく人事異動で気に入らない部署ならさっさと辞めれば、会社も定期の人事異動などしなくなるだろう。国会でやっている働き方改革でも、同一労働同一賃金で正規と非正規社員の給与格差がなくなれば、会社間の移動しても不利益はなくなるはずだ。

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24 コメント

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大多数の日本人が嫌いなリーダー (Unknown)
2018-03-01 16:10:40
>日本企業の判断や決定の遅さは、誰もが指摘する事項ですが、

東芝の西田元社長は、即断即決型だったが、今ではボロクソに言われている。
■希代のリスクテイカー、西田元東芝社長が死去
 https://newswitch.jp/p/11311
 「リスクをとならないことが最大のリスク」―。
 この言葉が“西田経営”の極意を端的に表している。
Unknown (Unknown)
2018-03-01 16:43:04
>、社内で作られる膨大な書類は本当に必要なのだろうか

計画が失敗した時に担当者(部署)だけが責任を追及されない様にする為に必要なのです。
失敗した時に「みんなで決めたことだろう。」と言い逃れする為ですよ。
逆に計画が成功して、企業が大きな利益を上げる事ができても担当者に報償として還元される金額は無いか、あっても極わずかですから。
こんな報奨制度ではだれも大きな勝負に出ようとは思いませんよね。
Unknown (クロ)
2018-03-01 17:08:52
以前は銀行向けのSEをしていました。システムがエラーになると、必ず報告書を求められました。
内容を銀行員が理解しているとは思えませんでしたが、文章で提出させることに意味があるようでした。
それだけでも無意味なわけですが、報告書を完成させる為にデタラメな時間と労力をかけていました。
データベースかオラクルかoracleか。osかウインドウズかマイクロソフトか。はては下記か以下か。
そんな一言一句を大勢で見直して、レビューして差し戻して修正して、会議やって完成させます。
マイクロソフトやオラクルやハードメーカーが、原因不明にしているエラーがあるのに、現場のSEにはあくまでも原因を追求されるのは理不尽に思ったものです。
いっそのこと英語にしたらどうだ、と真剣に思っていました。
日本企業な生産性が低いのは当然だし、労力を無駄に消費していると思います。
安倍が、裁量労働制削除改めて表明 (sankei)
2018-03-01 17:49:06
削り禁止 川重の工場に張り紙 今頃?

近畿で春一番吹く 昨年より9日遅い

伊調馨選手が告発関与を否定 「一切関わっていない」

JR車掌(20代)、置き忘れた乗客の財布着服、解雇 H17秋の犯行露見

飲酒運転で巡査部長の男(48)を懲戒免職….悪質偽装供述、許可なく常時車で通勤も
現在の日本の大組織はバブル採用組やプチバブル採用組の巣窟なので迷走するのは当たり前…(笑) (ponpon)
2018-03-01 18:33:13
才能が中途半端な連中の集まりには何も期待出来ない…。(笑)

> 問題の本質がわかっていない

ずっと同じ業界や同じ組織に居て日々の雑務に追われているような人達が物事の本質を理解するのは難しいでしょうねぇ…。物事の本質を理解するためには視野を広く持ち、硬軟問わず様々な情報、知識、知恵を頭脳に蓄積し、それらを上手く連携させて分析、解析する必要がありますから…。

> 現場で根を下ろして活動していないと重要な情報が入ってこない

↓今月末で廃止されるJR三江線を担当している某地方新聞社の本社デスクの話…。
http://www.sanin-chuo.co.jp/www/contents/1519697532554/

なんと今までJR三江線(約108km)に一度も乗車したことが無かったそうで、今年2月半ば(廃線一ヵ月半前)になって初めて江津駅~川戸駅間(約14km)に乗ったらしい…。報道に携わっているマスコミがこんな状況では…。(苦笑)

> 人事異動で気に入らない部署ならさっさと辞めれば

伊藤哲士さんのツイッターには商社マンのぼやきが沢山書かれていますが、最近の商社は外部から優秀な人材を中途採用するケースもよくあるとか…。ツイッターには「商社を辞めたいと漏らす元同僚が多かった」とも書かれていますし、伊藤哲士さん自身も昨年限りで商社を退職していますよねぇ…。やはり本人の素質にマッチしない職場だと長続きしないんでしょうねぇ…。
シャープ (Unknown)
2018-03-01 18:54:14
社長が台湾人に変わっただけで、業績が急カーブ回復。社長以下、幹部が赤帽被ってデパートの店頭に立ち、自社製品をアピールするためのチラシ配りをする。社長自らが「人まかせ」ではなく、体を張って仕事をする。

繰り返しになるが、経営の神様松下幸之助率いる松下電器も、昔は町の電気屋さんに自社製品を納入する時、幹部以下社員がお揃いのハチマキハッピ姿で神輿を担ぎ、家電を乗せた牛車に幟を立て、町中を練り歩いたという。

自社製品を売るためなら何でもする。そういう貪欲さが、昔の日本企業にはあったはずだが、偉くなってしまったんだろうね。社長以下幹部の仕事が、接待ゴルフであるような会社になったら、終わりということです。

日本企業も、創業者の原点にもう一度立ち返る他、復活の道は無いように思われる。日本企業の社長は、シャープの事例をよくよく心に刻むべきである。
バカ男上司はその間、何やってる? いらんだろ (再引用 読売小町)
2018-03-01 19:11:27
この女性をこのバカ男(40代)の上司にすべし (読売小町) 2018-01-24

>30代(女)メーカー企画事務職

課長から(40代)から資料作成を頼まれます。部長→課長→私に指示が出ますが、部長のあいまいな指示を課長も分かっていないまま私に丸投げして来ます。質問しても説明できず、それでも何とかネットで調べ本読んで作り上げます。

で、毎回課長が自分1人で作った資料として常務に提出します。私が苦労して調べ他部署の人に質問し作った資料は常務から課長への「資料ありがとう」という言葉で終わります。課長からは一切のアドバイスも貰って無い、助けも無いゼロから私が作った資料。悔しくて涙が出そうになりました。

それで私が課長に送信した資料が添付されたメールを部長にも直接メールしました、間違えて送信したことにしたのですが部長からは「変なアピールして」みたいな顔でフッと笑われたのみでした。課長から意見を聞かせてと言われ私が言った意見は、課長の私見として部長に流れます。

いくら頑張っても女を昇進させない会社だし利用されるだけだと思うと悔しく転職を考えます
http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2018/0114/833779.htm?g=02
Unknown (Unknown)
2018-03-01 19:48:24
■安倍総理は何をしようとしているのか

https://www.nikkei.com/article/DGXNASDF20004_Q3A221C1EB1000/

1872年から賃貸 政府、英に大使館の敷地譲渡へ
2013/12/20付

財務省は20日、イギリス大使館の敷地として活用されている国有地の一部を返還してもらう代

わりに、残りの土地の所有権を英国に譲渡することで基本合意したと発表した。財務省は来年か

ら土地の鑑定評価を実施し、最終的には8割程度が譲渡の対象になるとみられる。政府は1872年

から英国に東京都心の3万5000平方メートルの国有地を貸し出している。賃料は2013年に年8100

万円になっている。
また特亜に盗まれるのか (Unknown)
2018-03-01 20:35:21
ウイルス進入95%以上防ぐ「マスク」 ナノファイバー使用、信州大発ベンチャー開発

うどん店店長(34)、長時間労働自殺に賠償命令6960万円 あの大阪、うどん店チェーン「小雀弥」運営会社に、20年に82日連続で勤務させ、1カ月当たり100時間以上の時間外労働を算定。
Unknown (Unknown)
2018-03-01 21:27:55
畑の落下物、隕石と判明=12年

岐阜市長良宮口町の住宅地にある畑で2012年 ・・ 最大20センチ、重さ6.5キロ。「長良隕石」と命名

発見した同市の三津村勝征さん(74)
12年10月、野菜畑で農作業中に褐色の塊を発見。「つやがあって持ち上げたら普通の石の倍ぐらい重かった」持ち帰って床の間に飾っていた。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180301-00000050-jijp-soci.view-000

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