株式日記と経済展望

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現在、決済を始めとした金融取引にはブロックチェーンは向いていない。たまにデータを書き換える不動産の登記簿などぐらい

2018年08月09日 | 経済

現在、決済を始めとした金融取引にはブロックチェーンは向いていない、といわれている。
まだ使える余地があるとしても、たまにデータを書き換える不動産の登記簿などぐらい


2018年8月9日 木曜日

とうとう国際決済銀行までダメ出しした「ブロックチェーンの欠陥」 あまりにピント外れな野田大臣事件  8月8日 宿輪純一

まだ「圧力」でなんとかなると思ってるんですか 

驚いたことに、最近、また、仮想通貨が世上、話題になっている。

7月、野田聖子総務大臣が、無登録での仮想通貨交換業を行なっていたとして金融庁から通告を受けていた業者を同席させたうえで、金融庁の担当者にスタンスを説明させていたと報道されたことだ。

この仮想通貨は、野田大臣の知人で、歌手でタレントのGACKT氏が広告塔にもなっていることから、ワイドショー的な話題を呼んだ。

筆者は、この出来事の個別の背景については詳らかではない。詳しい報道が、各所でなされているので、興味のある方はそちらをご覧いただきたい。

筆者が驚いているのは、政治家による圧力になるのかどうかなどではない。

金融の専門家から見て、仮想通貨、そしてその背景技術であるブロックチェーンが、有用性、信頼性については、問題ありということで、もはや結論の出た、「終わった」はずの存在なのである。

にもかかわらず、世間では、この期に及んでまだ、現役閣僚や有名タレントが「積極的な」行動をとっているというギャップに愕然としたのである。

BISのブロックチェーン否定

筆者は「仮想通貨」やブロックチェーン、そしてフィンテックについては、この欄で、昨年5月から冷静に事実を分析し、解説してきたつもりだ。

仮想通貨については、日本銀行をはじめ世界の当局が、「暗証資産」と再定義し、一般的な理解の法定通貨でも金融商品でもないことは明確になっている。また唯一の売りの安全性についても、実際にさまざまなトラブルが起き、問題があることが認識されている。

しかし、この間、公的な立場の方でも、仮想通貨は問題があるかもしれないが、ブロックチェーンは問題ないと主張する方が結構いた。「ブロックチェーン自体は安全」というが、現実には書き換えられるなどブロックチェーンの安全に対する信頼は揺らいでいた。

そして、とうとう、今年6月に出た、BIS(国際決済銀行)の「年次報告書」が致命的な欠陥があることを指摘したのである。

指摘があったのは報告書の第5章。ビットコインを例に挙げ、その仕組みを具体的に解説し、仮想通貨の欠陥、特にブロックチェーンを用いた分散台帳の欠点がはっきりと書かれている。

このような説明がBISから出たということ、そしてその厳しい論調に筆者も驚いた。
 
中央型(一元集中管理型クライアントサーバー)システムに比べ、ブロックチェーンを用いた分散型(分散台帳)は、遅い、効率が悪い、スケーラブルではない(データ量が増えると機能しなくなる、大量の処理でネットワークの混雑が発生する等)、莫大なエネルギー(電力)を消費する(多数のコンピュータを用いて演算を延々と行うために膨大なコンピュータの演算能力を消費するため)といった特徴がある。

金融取引などの処理や記録にこれを応用したシステムを導入すると、決して「安い、速い」になるはずがなく、「運営費用が高く、莫大な電力を消費し、遅い」になるわけである。さらに、BISの年次報告書では中央銀行デジタル通貨についてもかなり否定的な評論をしている。
 
このBISの年次報告書におけるブロックチェーンに対する評価の持つ意味は、非常に大きい。日本では、ブロックチェーンで送金が早く、安く(いつもだいたい1/10)可能になるとかという方がいたし、記事も見てきた。

現在、決済を始めとした金融取引にはブロックチェーンは向いていない、といわれている。まだ使える余地があるとしても、たまにデータを書き換える不動産の登記簿などぐらいとみられている。(後略)



(私のコメント)

「株式日記」でも仮想通貨やブロックチェーンについては前にも書いたことがありましたが、専門家の話を見ていくしかなく、騙されないように注意が必要なようだ。騙す方としては言葉巧みに仮想通貨やブロックチェーンについて話すのでしょうが、一種のねずみ講のようなものだろうか。

一番先に手を出したものは儲かるが、後から手を出したものはカモになるといったものだろうか。仮想通貨がモノになるかどうかは安全性が第一ですが、トラブルが相次いでいる。肝心の業者の運用に対する安全性の管理がずさんで数百億円の金が簡単に消えてしまった。誰が盗んだのかも見当もつかない。

カモになる人がいる限り仮想通貨詐欺は無くならないのでしょうが、現在の為替相場には関係のない世界通貨ができれば決済が楽になることは間違いがない。ドルにしても円にしてもアメリカや日本の政治や経済に大きく影響されて為替相場が変動してしまう。

ブロックチェーンの技術にしても、技術的な問題が出てきており、実験段階ではうまくいっても、データーが大量になると遅くなってトラブルを出すようだ。さらにネットインフラがパンクしてしまう。このような事を認識していれば、仮想通貨詐欺にも会わずに済むのでしょうが、野田大臣のGACKTコインもその一つのようだ。

仮想通貨という新手のねずみ講は、少額の投資で億万長者になれるという触れ込みですが、信用ができる交換所すら作ることができていない。計算上は億万長者になっても現金に変えられないのでは意味がない。現在では雨後の竹の子のように仮想通貨が発行されていますが、子供銀行券のようなものだろう。

ブロックチェーンの技術も、まだ過大評価されていて、理論的には完成されたものでも、実際にやると欠陥があちこちに出てくるような段階だ。大量の電気を食うし、処理も遅くなりデーターが増えるとパンクする。それよりかは中央型(一元集中管理型クライアントサーバー)システムの方が早い。

仮想通貨には、銀行や中央銀行などが運用する仮想通貨なども検討されているようですが、まだ海のものとも山のものともつかないものであり、早く安く決済ができるかどうかは疑問だ。しかし現金決済からキャッスレス化は進むし、セキュリティー対策も、より完成されたものができるだろう。

それらのシステムが完成されると、世界通貨となるようなデジタル通貨も可能性が大きくなるだろう。そうなると銀行の役割が変わることとなり、銀行自体が決済機関となり、現金取引が無くなって行って店舗そのものが必要なくなって行く。すべてがネットで手続きが済めば窓口もいらなくなる。

仮想通貨もブロックチェーンもまだ実用化は問題だらけであり、キャッシュレス化によるインフラ整備のほうが先だろう。そうなればATMもいらなくなるし、クレジットカードも無くなって、スマホによる決済が主流になるだろう。しかし便利すぎて使いすぎるようになるのが避けられない。現金なら無ければ使えないから使い過ぎるということもない。


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