株式日記と経済展望

株式をはじめ政治経済外交文化歴史などの論評です。

中国、韓国、台湾、ドイツは、ハイテクそのものに投資してはいるものの、その周辺や基盤は技術・商品の多くを日本に依存しています

2018年08月02日 | 経済

日本のライバルともいうべき中国、韓国、台湾、ドイツは、ハイテクそのものに
投資してはいるものの、その周辺や基盤は技術・商品の多くを日本に依存しています


2018年8月2日 木曜日

これから日本に「メガ景気」がやってくる 失われた20年で日本企業は最強に 7月31日 武者陵司

希少性で価格支配力を強める日本の技術

このように、オンリーワン戦略によって価格競争に巻き込まれることなく、独自の成長ビジネスモデルを展開している日本企業、なかでもハイテク業界においては、これから数十年ぶりに、極めて高い成長率をともないながら、投資対象の首位に座る時期が到来しそうです。なぜなら世界的に、IoT関連投資が活発になるからです。

インターネットを介して、あらゆるものがつながる、IoT時代に向けたインフラストラクチャー構築が、いよいよ本格化してきます。加えて中国が、すさまじいまでの勢いで、ハイテク投資に邁進しています。中国は巨額の投資を継続的に行うことで、経済成長が維持されている国ですが、言い換えれば、投資を止めた時点で経済成長が止まり、ただちに景気後退に陥る恐れがあります。

その中国が、ハイテクに照準を絞って巨額な投資を始めていることの意味を、私たちはよく考える必要があります。このことは世界的にハイテク業界への資金流入が、今後もしばらく続くことを意味しています。それは、「ハイテクブーム」というにふさわしいほどの、大きな流れになるでしょう。そのハイテクブームにおいて、日本は極めて有利なポジションに立っています。

前述したように、日本のハイテク産業は、新たなイノベーションに必要な周辺技術、基盤技術のほぼすべてを兼ね備えているからです。ハイテク産界において、日本のライバルともいうべき中国、韓国、台湾、ドイツは、ハイテクそのものに投資してはいるものの、その周辺や基盤は技術・商品の多くを日本に依存しています。つまり、日本のエレクトロニクス企業群は、このイノベーションブームの到来に際して、最も適切なソリューションを世界の顧客に提案・提供できるという、唯一無二の強みを持っているのです。

ディスカウント合戦の中で強みを発揮

さらにいえば、半導体製造のように大量の資金が投入される中枢分野は、極めて激しい競争にさらされ続けます。現在、中国がハイテクセクターに多額の投資を行っているのは、この中枢分野における業界標準とシェアを取りに行こうとしているからです。ただし、多額の投資をしたからといって、必ず勝者になれるとは限りません。敗者になってしまったら、莫大な投資は無駄になります。実に苛烈な競争なのです。特に中国はこの中枢分野における支配力を強めようとして、国家資本を国有企業を通して半導体と液晶に大量に投下しており、価格競争の主役になり始めています。

あちらこちらでディスカウント合戦が繰り広げられ、最後の最後には、どこにも勝者がいなくなるという悲惨な状況になることも、十分に考えられます。こうなったときに、ますます強みを発揮するのが、日本なのです。前述したように、ハイテクの中枢分野において、日本はすでに負け組となり、多くのハイテク企業は、もはやこの分野に収益を依存していません。日本が今、強い競争力を維持しているのは、希少性が高く、価格支配力が維持できる、オンリーワンの分野なのです。

 

史上最大の「メガ景気」がやってくる 日本の将来を楽観視すべき五つの理由


(私のコメント)

日本経済は長期停滞したままであり、GDPも頭打ちであり、国民所得も平均賃金は下がり続けている。その反面では企業業績はバブル以来の好業績であり、内部留保は年々貯まり続けて400兆円を越している。今日のニュースでは大手企業のボーナスは95万円で8%の伸びだそうです。建設業は161万円ものボーナスが出ている。

だから大手企業は、儲かっているから賃金にも反映されているのでしょうが、中小企業にも好景気が及んでくるのはいつになるのだろうか。GDPは伸びていないのに大手企業業績が絶好調なのはどういうことなのだろうか。それはGDPの6割を占める消費が伸びていないからであり、所得が伸びていないのに増税したから伸びないのだ。

武者氏は、「日本の名目GDPはここ二十数年、ほぼ500兆円で横ばいであったにもかかわらず、なぜ企業収益だけが顕著な増加を見せているのか、と。」述べていますが、私は、企業業績がいいのは、人件費を削ってきたからであり、正社員を非正規社員に置き換えることで利益を上げた事が大きいのではないかと思う。

あとは円安で、ドル建てを円に換算すれば売上が大きくなりますが、同じ輸出売上でも円が3割安くなれば3割売上が大きくなる事になります。90年代から円が70円台から120円台のあいだを大きく変動しましたが、政府日銀は効果的な手を打てなかった。しかしアベノミクスで金融緩和したらいっぺんに円が安くなった。

政府日銀が、いかに為替相場に無知であったかがわかりますが、株式相場も政府日銀の金融政策で大きく変動することに私は気がついていた。このように株価が2万円台で安定して、円も110円前後で安定していますが、金融緩和が続いているからだ。株価が上がれば企業の持つ株式価値も上がって、資金繰りも楽になります。

もちろん武者氏が言うような、「周辺と基盤の分野」稼ぐようになって過去最高の利益を上げているのも事実でしょう。スマートフォンも富士通が完全に撤退するニュースがありましたが、中国製や韓国製のスマートフォンが世界のシェアを占めるようになりました。しかし中に使われている部品はアメリカ製や日本製の部品だ。

つまり一番儲かる製品については韓国や中国に譲って、見えない部分で稼いでいる。日本は円高と中国の人件費の安さによって価格競争に敗れて、素材や部品や製造装置等の分野にシフトした。この分野は、中国や韓国のハイテク企業も参入しようとしても技術をパクることは難しい分野であり、日本から輸入することを選択した。

アメリカのトランプ大統領も、日本からの鉄やアルミに関税をかけましたが、日本でしかできない鉄製品やアルミ製品では関税がかけられない。円高でも輸出競争力のあるものしか生き残れなかったからそうなったのでしょうが、黒字体質は今も変わりがない。

中国は、国家資本主義国家であり、国営企業や民間企業でも共産党支部ができるなど国家が産業を統制している。外資系企業でも共産党支部が作られるようになり、民営化が進まずむしろ国営化している。日本で言えばかつての国鉄や専売公社のような企業ばかりになり、株式市場は実質的に自由に売買できず閉鎖状態だ。

このような状況から米中の貿易戦争が始まりましたが、WTOも骨抜きになり、国際ルールが中国には通用しなくなり、中国は産業を保護しながらハイテク産業を育ててきた。途上国にはよくあることですが、世界第二位の経済大国になっても途上国体質が変わらない。

武者氏の経済予測は、逆進の帝王とも呼ばれましたが、超楽観的に思えますが、米中の貿易戦争で中国の輸出がダメになれば、日本にその余波が回ってくるかもしれない。アメリカも日本も製造業を本国に取り戻そうとしていますが、上手く行くのだろうか。あるいは中国の代わりをインドなどが引き継ぐのだろうか。

コメント (22)