森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

幻の写真10(雑木の食器)

2005-07-08 23:12:55 | 幻の写真・図
本書の「木」は、ほとんどがスギ・ヒノキといった人工林の針葉樹材を対象にしているが、例外的に雑木を取り上げたのが、これ。

実は、このネタには結構時間をかけている。
もともと雑木林の利用として木工素材もありではないか、と思ったのが最初。
すでに雑木で家具づくりをしているところがあるという情報も得ていたのだが、具体的に連絡も取れず、思いついたのが、「農林経済」という雑誌の巻頭言で呼びかけること。

「雑木だって、家具や木工の材料にならないか。もし研究している人がいたら教えて欲しい」と記した。
そうしたら、本当に連絡があったのである。それが岐阜県の研究所の人。そこで、この人のことは、拙著『里山再生』に記した。

すると、小豆島の農林事務所から分厚い資料が送られてきた。かつて研究していた雑木(コナラやアベマキなど)による家具づくりの報告書である。

ただ、どちらも過去の研究であって、現在はしていないし、また実際に作っていない点が弱かった。

ところが、たまたま農林専門書店で見つけたのが、本書に紹介したアトリエときデザイン研究所の時松さんが書いた本。これにビビッときた。そして湯布院に飛んだのである。

写真は、その時のもの。たしかクヌギの木による器である。欲しかったのだが、小さなものでも3,000円を越える。買うなら1枚だけというわけにもいかないから、ちょっと手が出なかった。でも、いい風合いなんだなあ。

ちなみに湯布院の温泉も堪能したし、ちょっと観光客の知らない裏側事情も聞けたから、楽しめた。また行きたいな。