人生いろは坂

人生は山あり谷あり、そんなしんどい人生だから面白い。あの坂を登りきったら新しい景色が見えてくる。

微小生物の驚異

2011-02-02 08:55:23 | Weblog
 今日も窓から外を眺めていると蚊のような小さな生き物が群れを成して飛んでいる。少し気温が
高くなるといつの間にか、そして、どこからか現れて蚊柱を作っている。見ていると、いつまでも
休むことなく羽を動かして飛んでいる。この小さな体のどこに、跳び続けることの出来るエネルギー
があり、そのような構造があるのだろうか。

 ごみの中に生臭いものが入っていると、不思議なことに、こんな冬でもどこからかハエが飛んでくる。
少なくとも日頃、気が付かなかったハエ達である。飛んでくる時間がすごく早い。ごみの匂いがした
途端に飛んできたのである。彼らに匂いの信号は、どのような手段で伝わっているのだろうか。

 風や空気の流れによるものなのだろうか。特別に風が吹いていなくても飛んでくる。それに飛んで
くる時間が早すぎる。空気伝播ではなく他の手段で臭いの信号が伝わっているような気がしてなら
ない。

 私たちは当然のことのように鉄器を開発し、その他の金属製品を開発してきた。そして石油や石炭
というものが使われるようになって、プラスチックという金属器に変わるようなものを作ってきた。

 しかし、植物や昆虫たちはまったく異なる進化の中から硬い材質のものや固い殻のようなものを
身にまとってきた。それはカニの殻であり、カブトムシの骨格である。カブトムシの骨格は体を包み
込む固い鎧のようなものである。

 その上、自らの力で空を飛行することすら出来る。しかも人間が作り出した飛行機という、極めて
エネルギー効率の悪いものより、はるかに省エネ飛行である。カブトムシは、わずかばかりの木の蜜
によって、強大な力を発することが出来るのである。

 アリは自らの何十倍もの獲物を運ぶことが出来る。おそらくアリを人間ぐらいの大きさにしたら、
人間を遙かにしのぐような怪力の持ち主だろう。

 また、木には鉄をも凌ぐほどの硬さと強靭さを持っているものがある。鉄木とも呼ばれている黒檀
などの木である。これらは重くて水に沈むものもある。こうした木は硬さと柔軟さを兼ね備えている。
自然が長い進化の歴史の中で作り出したものである。

 竹はすごいスピードで成長する。その成長ゆえに色んな生活用具を作るために使われてきた。不要
になれば燃やせば良い。そのまま自然に捨てておいても良い。プラスチックのように決して自然環境
を壊すことはない。

 私たちは自分たちの発明に慢心することなく、自然観察の中から何かを見つけたい。その発明の
一つが地面効果というアホウドリの省エネ飛行からヒントを得たエアロトレインであろう。リニア
モーターカー並の走行スピードが出せ、エネルギーはリニアモーターカーの3分の1だと言われて
いる。

何千㎞という長旅をしながら冬になると日本に渡ってくる渡り鳥たちも又、上昇気流を利用した省エネ
飛行である。

 地球一周の船旅の中で船と常に一緒だった軍艦鳥のことを思い出す。彼らの飛行は実に優雅である。
恐らくは船の周辺に出来る空気の流れを利用しながら飛行しているのだろう。ほとんど羽ばたくこと
なくグライダーのように飛んでいた。私は飽くことなく彼らの飛行を見ていた。

 こうした古くから地球上に存在するものの中にこそ、地球環境を壊さずに生きていくことが出来る
手段が隠されているような気がしてならない。人間は自らの築いた金属器やプラスチックに慢心する
あまりに、足下の自然からのヒントを見落としているような気がしてならないのである。
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