3月9日 午後3時 ようやく姿を見せてくれた白山 先日焚いた素焼き作品を窯から取り出し、 一つ一つホコリやゴミをはらい、加えて鉄分が浮き出ていないかとチェック。 鉄分が無いようにと粘土を吟味して使っているが、 まれに土の中にごく小さな鉄粉が混ざっていることがある。 それ等を見逃さないように、かなり厳しくチェックしているが、 紙一枚ほどの間に隠れていて見つけることが出来ないことも多々。 その鉄粉は焼いている途中に大きく膨張して溶け出し、釉薬の上に浮き上がってくる、 そうして鉄粉が浮き出てしまった作品はそれでボツ。 せっかく素焼きまで漕ぎ着けた作品、一つでも日の目を見られるようにと あらさがしのように必死になって素焼きの品をひっくり返したりしていたら目が疲れてしまった。 3月9日は朝から天気も良く、午後から歩きに出かけようと決めていた。 時間も午後3時前、作業の手を休め外に出てみた。 白山が美しく見える、ん、目がおかしいのか? いや本当に美しく穏やかな姿を見せてくれている。 家に飛び込んでカメラを持ち出した。 霞がかからない内に、上手く写ってくれよと願いシャッターを押した。 少しばかり根を詰めての作業をしたので、そのままカメラを首にかけて歩きに出た。 気温はそれ程低くは無く、防寒着なしで充分に歩けた。
800メートルほど歩くと堤防。 穏やかな天気でさまざまな小鳥が飛び交っている。 しばらく行くと今時分に咲きだす小さな小花、「 オオイヌノフグリ 」があちらこちらに。 午後の陽光はそれ程強くもなかったが、光線を斜めから取り入れて写してみた。 かなり接近して撮ったのと光のあたり具合が程よく調和し、小花が美しく光に浮かんだ。 どのように表現していいのやら、自然が織り成す美しい姿と彩り。 しばしの間その場に座り込み、この小花が何を語っているのかと耳を傾けていた。 うっすらと汗もかき、このまま穏やかなままに春になって欲しいと願いながら 東の空に浮かび上がる白山を眺めた。 そして今日、朝から強い雨が降っている。 昨日の良い天気はまるで夢のよう。 窓の向こうの白山は厚い雲の中。 工房で静かに作業を続けるには調度よい雨かもしれない。 天候も目まぐるしく変化し、加えて身の回りも慌しく過ごした二、三日。 それでも美しい白山を望めたこと、可愛い花を愛でられたことを幸せに思い、 雨音を聴きつつ日記をしたためています。 ● 文字の薄くなったところにカーソルを合わせてクリックしますと、関連記事をご覧いただけます。 最新の画像[もっと見る]
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