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福井県知事の反原発運動に対する抑圧妨害阻止の手法と大飯原発再稼働表明の目論見

2023-07-21 23:13:05 | 自治体

 2017年11月28日の朝日新聞によると、福井県の西川一誠知事が地元の定例会見で再稼働への同意を表明したという。

 記事では「大飯原発の再稼働では、おおい町長や県議会などの同意から、西川知事の判断までに2カ月近くかかった。西川知事は高速増殖原型炉「もんじゅ」などの廃炉、高浜1、2号機の40年超運転、再処理までの間に関電の使用済み核燃料を保管する中間貯蔵施設を福井県外につくる計画の問題などを次々に持ち出し、国(安倍政権)や関電に解決と地域振興を迫り続けた。これを受けて、11月26日に県庁を訪れた世耕弘成経産相が、地場産業や、再生可能エネルギー研究への支援などを表明。11月22日の文科省での「もんじゅ関連協議会」でも、電源立地地域対策交付金の上積みが示された。関電側も岩根社長が11月23日、中間貯蔵施設の計画地を2018年中に示す事を明言した」としている。

 ところで、西川知事が、再稼働表明に至るまで、県市民による反原発を訴えるアピール活動に対してどのように対応してきたのか、また、それはどのような目論見を持って行われてきたのかという事を、しっかり見抜き教訓としなければならない。

 福井市では、県庁前の交差点歩道で平日昼間、反原発の市民団体が県公安委員会の許可を得て5年ほど前から続けてきた反原発を訴えるアピール活動に対して、が文書で「活動の音量が大きくて不快」「横断幕やのぼりは美観上好ましくない」「通行の妨げ」といった「苦情」が寄せられているとして、活動を自粛するように要請してきた。

 この場合、は「アピール活動に対する苦情」が寄せられた事を理由として「アピール活動」の自粛を要請しているが、県自身が「アピール活動」を単なる迷惑行為の対象とみなして対応処理していると見なす事ができる。そこに根本的な問題が存在する。アピール活動は一般的に「大きな音量、横断幕やのぼりは当たり前」である。また憲法で保障された権利に基づいたものである。この件では、県行政に対して、時間を限定し許可を得て実施されてきた合法的なアピール活動である。にもかかわらず県が、法的根拠もなく自粛を要請した、という事は、「アピール活動」に対する理解に乏しいというものではもちろんなく、県はその「苦情」を「アピール活動」よりも尊重しているのであり、そしてその「苦情」を口実にして意図的に「アピール活動」を抑圧妨害阻止しようとしていると考えるべきである。つまり、福井県知事は「原発推進」の姿勢をとっている事が背景にあり、安倍政権とも結託した行為であり、「反原発アピール活動」は不愉快で阻止禁止に値する行為とみなしているのである。さらにいえば、住民自治(主権)を否定し、自治体行政(知事、市長)主権に転換させようとする重大な目論見を持つ問題と考えるべきである。

 住民(国民)が政府への批判も含めて自己の意見意思を表明する行為に対して、自治体行政(知事、市長)はどのような法的根拠に基づいて否定できるのか。自治体行政(公務員)は憲法以外にその存在根拠はない。「中立性の確保」という一見もっともらしく思わせる理由についても、恣意的で極めて政治的な偏向した自治体行政の意思を押し通すためのゴマカシ以外の何物でもない。「中立」とは「誰をも利せず、何も主張しない、どのような行動もとらない」という事を意味しており、判断や行動する際の基準にはなり得ず、関わりあいを避けるために使われている「言葉」であるだけだから。住民(国民)の自治と権利の保障と、そのために自治体行政が奉仕支援する事を定めた憲法を無視否定しているからこそ上記のような対応をとれるのである。自治体行政(知事、市長)が住民(国民)自治を統制し、「住民(国民)主権」を抑圧否定し、「自治体行政(知事、市町)主権」へ変質させようとしている事を見抜くべきである。

(2017年12月1日投稿)

2019年4月杉本達治氏当選(自民・維新推薦)

2023年4月杉本達治氏再選(自民・公明・立憲推薦)

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