Art gallery 道添

宇宙・自然・生命・時間を凝視し再生の希望を読み取りたい

絵とは何か・・・ (仮説を立てて)

2011-01-04 20:27:13 | ア-ト・文化

Img113 心象の女性・花音 F30号

絵とは何か・・・、太古の人々は岩壁に絵を残しました。象もチンパンジ-も馬も絵を描いています。時々TVで紹介される映像を見ると、確かに嫌がっているのではない、むしろ彼ら動物画伯たちの振る舞いを見ると愉しんで描いているらしい。楽しいもの、それが「絵」なのです。近代になると、表現への欲求が狂気を誘ったり、その時々の政治や宗教と結びついたりして、純粋な自己の世界観、宇宙観を表現することは既存の概念との戦いの様相を帯びてきたりします。

絵とは何か・・・、当地砂川に制作の拠点を置いてから、色々と考えてまいりました。一つの仮説を打ち立てました。身近なもの、宇宙・自然・生命・時間を深く見詰め続けること。絵は描く側と観る側の共同作業で成り立つものですから、美しくなければなりません。心地よくなければなりません。癒されるものでなくてはなりません。二次元の絵画空間の中に人間の再生の希望を読み取ることが出来れば、長期の鑑賞に堪えるのではないか、と。

過去の様々な人間が生み出し構築した様式という遺産を受け継ぎ、私の絵画理論を組み立てる中で、色には汚い色は存在しない、隣り合わせる色と色との関係が美しく感じさせたり、汚く感じさせたりする。また空間は色と色との関係で限りなく深くなるのだ、という確信を得ました。この行程の中で生まれた深い空間を「意識下の遠近法」と名づけました。

絵画と向き合ってきた私の長い時間も、太古の洞窟の岩壁に絵を刻みつけた人々も絵への想いは同じ。人間は表現を通じ、共鳴を求める存在なのだ、と思うのです。