湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

増えるの詩パート2

2022-11-16 07:07:41 | オリジナル
共通テーマ「増える」でZが書いた詩を投稿します。神明社のサラシナショウマの写真もZの撮影です。

増える

年とるたび 増えてくるのは
医者からもらった クスリ
捨てるに捨てられない クチャクチャの衣類
二度と使わない埃まみれの お茶わん
けど 一番捨てなくちゃいけないのは 
未練まみれの 我執というもの

今度こそ捨てよう 誇りも未練も我執とやらも
そして あの日立ち尽くした冬の浜辺に行って
塩っぱい風を 身体に受けてみる

そう そうすれば 
あの日のように 未来に立ち向かう力を
海がくれるに ちがいないから
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雑の詩パート3

2022-11-15 07:24:28 | オリジナル
共通テーマ「雑」でAが書いた詩を投稿します。
 まんだら堂やぐら群で
混沌日記

一時も休まぬ心臓が止まり
全身を巡っている血液が止まり
それぞれの役割をもった内蔵が止まる

わたしという個に与えられた
精緻きわまりない機構を知り
黄色い帽子の下の脳が畏れを抱いてから
嫌というほど時が経ったものだ

複雑であることに疲れて雑に過ごせば
それはそれで悔いが生まれ
こんなに精巧にできている身体に申し訳なくなり
文字にして反省する
日記をつけることを反省と
脳内で称していたのだ

日記はしばしば滞った
かえりみるより先見を
優先せねばならなかったからだ
プロスペクトでサバイバルである
いや そんなに気の利いたものではなく
ごちゃまぜのサラダボウルである

毎日つけている日記帳に
担任から花丸をもらって喜んでいた頃の
黄色い帽子を脱いでから
嫌というほど時が経っていた

脳内を飛び交う電気信号が
柳にしだれ菊と散る
やはり線香花火と同じだったかと
考える暇など残さずに
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まんだら堂吟行

2022-11-14 18:34:21 | 文学
12月12日(月)までの土・日・月・祝日に特別公開されているまんだら堂やぐら群へ吟行に行きました。
崖に掘った四角い横穴の中に石塔などを建てて納骨・供養した、鎌倉~室町時代の墓地遺構をやぐらと呼びます。
鎌倉とその周辺に見られ、まんだら堂やぐら群は逗子の史跡名越切通内にあります。

複数の点が入ったのは次の6句でした。
4点 風葬の地にバクテリア冬銀河
3点 秋草の名を尋ね合う古戦場
   頭蓋からこぼるる歯骨冬の蝶
   もののふと寒禽眠るやぐらかな
2点 山眠るベンチの下の火葬跡
   日蓮の道に白猿冬紅葉
松葉ヶ谷法難に遭った日蓮が、白猿に導かれ名越切通を通って避難したという伝説があるのです。
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開高健の通った蕎麦屋

2022-11-13 23:25:25 | 日記
地元のKさんの案内で、茅ヶ崎市開高健記念館に行ってきました。

見学を終えたらちょうどお昼時。開高健行きつけの蕎麦屋さんに連れて行ってもらいました。

この席に座って、蕎麦手繰っちゃいました。

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正義の詩パート3

2022-11-12 07:20:58 | オリジナル
共通テーマ「正義」でEが書いた詩を投稿します。

正義

正義 それは
弱者の儚い言い訳
最後のよりどころ

歴史は悪人のパレード
神の如き全権を
悪人が持ってしまった
悲劇の世紀
それが今
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鯛焼俳句

2022-11-11 19:16:26 | 文学
今日、妙本寺に行ったら人力車がひっきりなしにやって来ていました。定番コースなんですよね。
秋の佳き日、結婚前撮りカップルも何組か。

さて、昨日の小笠原学園俳句レッスン。兼題のひとつ、冬の季語「鯛焼」でAの次の句が本選に入りました。
鯛焼の袋の湿り夜の公園 (添削後)
鯛焼を入れた袋の湿り気に着目したのが評価されました。他にこんな鯛焼句を作りました。
鯛焼は麻布十番天然もの
鯛焼を腹から食らう人の居て
ガチャガチャと鋳鉄を返す鯛焼屋
鯛焼もありかもしれぬ最期の日
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雑の詩パート2

2022-11-09 07:19:32 | オリジナル
共通テーマ「雑」でEが書いた詩を投稿します。

雑念

死とは多分
多分だが ねむりのようなもの
ただし夢を見ることはない

ハムレットは死してなお
夢を見ることをおそれた
なんと ぜいたくな

この世は雑念にあふれている
それがふと
とぎれる

とぎれる瞬間は
ねむり同様
自覚できない

それはもしかして
救い
ねむりとなんの違いやある
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正義の詩パート2

2022-11-08 10:01:04 | オリジナル
共通テーマ「正義」でAが書いた詩を投稿します。

正義のリフレイン

――なんでそうなるの
――違うんじゃないの
――おかしいでしょ

正義に達したらそこで思考は止まる
簡単に正義に達してしまうのは
低いピークを作ってしまうこと
その先はないから
天井に頭を打ち続けるように
なんで?違う!おかしい
を繰り返す

なぜかわからないこと
違うフェーズ
おかしなこと
は 無限の世界を含んでいる
善くも悪くも ね
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増えるの詩パート1

2022-11-05 16:58:14 | オリジナル
新しい共通テーマ「増える」でSが書いた詩を投稿します。

雑草
さっき
聖子さんが畑をやっていて
もしもし、これ ローズマリーですか?
去年は
田越川の脇にいっぱい生えていたもんで
今年もあるかと思ったらないんですよ
サイモンとガーファンクルを思い出さないと
ローズマリーが出てこないんです
パセリ・セージ ……
昨日、去年のところに僅かにあったんですが
そのうち増えますか?
雑草ですから増えますよ!
雑草ってもんはないって
昭和の陛下がおっしゃたじゃありませんか?
あの方たち増えませんねぇ
増やさないとねぇ
雑草って無いんだそうですからねぇ
増えますでしょうか?
日本人もねぇ
増えるのは外国人みたいな日本人ばかりですねぇ
日本にいる本物の外国人増えてますょ
はっ???
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正義の詩パート1

2022-11-04 18:45:55 | オリジナル
新しい共通テーマ「正義」でSが書いた詩を投稿します。

世は情け
あいつの正義は身の丈に合っている
日本には15歳以上1億人の身の丈がある
自由があるから苦しくないが
自由があたり前にあるからわからなくなるやつもいるぜ
おいらの正義とおまえの正義はちがうだろう
情けが違うぜ
世界だぜ
ロシアにだって正義はあるんだろうよ
ウクライナの正義は判りやすいように思うが
気を付けなくちゃいけない
介在するものがあるんぜ
聞くところによると ってやつ
見たところによると ってやつだぜ
死んじゃっちゃ元も子もないな
殺されちゃうんだぜ
殺したやつらは真っ暗闇の地獄
あいつらに正義はないな
神様の正義だっていろいろあるぜ
やつらの情が正義だぜ
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