湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

枯の詩パート3

2019-02-14 00:28:27 | オリジナル
共通テーマ「枯」でSが書いた詩を投稿します。

あるうたがい

出てきなさいととつぜん言われ
顔も洗っていないのに
川っぷちの一本道を歩かされる
カラスを抱いた
よわくてつよい老女たちに
追いこされる
なれなれしい風は
音楽を逃げてきた身に
音楽のようになれなれしく笑いかけてくる
老女たちがおそろしい子守歌を歌いだす
悲しいユーモアだ
風を大声で歌う
力強い子守歌なんて要らない
あやまれ
なぜ女は私を産んだサルそっくりの私を
私はサルかもしれぬ
こんな私の思いのまわりに
みんな集まった いや 私ひとりだ
ネコもイヌもカラスも集まらなかった
何も集まらないのは
私のせいだろうか 私は
私に謝った それから
手術台にのぼったのか
風が病室を吹きあれた
血がながれ あたまは閉ざされても なお
痛かった すでに昼は終わっていたが
みじかすぎる手術時間だった
死に損ったのか ユメだろうか
何だ 朝からずっとユメだったのかと
笑い それからゆっくりあわてず
ユメなどはたき落とすのにもがく?
地獄図映画三本立ては終わったのかまだなのか
カサコソカサコソ音をたてる
蛾や枯葉が
私か

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 枯の詩パート1&2 | トップ | 詩「シール」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

オリジナル」カテゴリの最新記事