湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

段の詩パート6~7

2016-08-28 00:33:23 | オリジナル
共通テーマ「段」でSが書いた詩2編を投稿します。
倦怠

料理本をひろげ
B夫人は
大きすぎる家の大きすぎる台所に
きゅうに倦怠感をおぼえた

本には よく洗うようにと書いてあり
変だなと思いながら 洗ったのだ
「おからを水で洗うなんて」
「何かのワナなのだろうか」
「ようやく人生を愛しはじめたのに」

おからは消え
アメリカからやってきたC夫人が
背後に立っている
20年ぶりの再会に 外国人のような
スマイルをうかべ 抱き合う
アンニュイは消えた
「馬は連れてこなかったの」と B夫人は
C夫人に訊くのがやっとだった


     段取りが
      ――自伝ふうに


段取りが いつだって分からない
大きくなっても
おからを水で洗ってしまう
永遠少女ブギさん(ラジオの東京ブギウギからついたフキちゃんの愛称)
要領も悪いから
要領の良い女の人から苛められる
その腹イセのように 男の子を苛めまくる
大きな石を持ち上げ 男の子の頭に投げる
永遠少女ブギさん
キスできる位置でおじぎをするものだから
首をしめられかかったこともある

いま 死ぬる年頃になって
大日本「個」愛好会の会員を
募集し始めるが
その 段取りが 分からない

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