10月23日発行の神奈川新聞に掲載された第50回文芸コンクール現代詩部門佳作入選のTの作品と、審査員の金井雄二さんの評。
五月の校庭
少女は影踏みをすると
最後はいつもきまって友の影の中にいた
明度の高い季節
影は急に濃くなる
「午後またね」
皆お昼で一度帰っていく
二人は残り
笑い合いながら
全速力で互いの影を追う
疲れて腰を下ろすと
少女は友の影にそっと入り
友の魂を吸った
風で藤棚の紫を揺らし
下にはジャーマンアイリスが咲いていた
最初から最後まで、幻想の中にいる詩。
少女はこの幻想の中で、友の魂を吸いながら、
永遠に生き続けるような気がした。
簡潔に表現されている言葉の中に、
はるか昔のノスタルジーと生命への渇望が
感じられる。
作者Tも私たちも、この講評に感激。これこそが作者の持ち続けているイメージであり、詩のひとつの形なのだと改めて感じました。
五月の校庭
少女は影踏みをすると
最後はいつもきまって友の影の中にいた
明度の高い季節
影は急に濃くなる
「午後またね」
皆お昼で一度帰っていく
二人は残り
笑い合いながら
全速力で互いの影を追う
疲れて腰を下ろすと
少女は友の影にそっと入り
友の魂を吸った
風で藤棚の紫を揺らし
下にはジャーマンアイリスが咲いていた
最初から最後まで、幻想の中にいる詩。
少女はこの幻想の中で、友の魂を吸いながら、
永遠に生き続けるような気がした。
簡潔に表現されている言葉の中に、
はるか昔のノスタルジーと生命への渇望が
感じられる。
作者Tも私たちも、この講評に感激。これこそが作者の持ち続けているイメージであり、詩のひとつの形なのだと改めて感じました。