共通テーマ「逃げる」でYが書いた詩を投稿します。

際
下り坂は春の宵
西も東も空は淡い絹の色
風は凪
花は盛り
老いた桜と視線が重なった
首をざんと伐られ
片膝をついて
うると構え
花は一輪一輪
羽二重に鴇色の彩
ゆれるかゆれないか
なよやかな湿気を纏い
老桜はわたしを見ていた
わたしは畏れた
命の渚にいて
老桜は揺るがない
魂の際から逃げない
わたしは揺らぐ際を
掬い上げ
手のひらと頬の間に迎える
猛烈に温かい
ここから
逃げては行かない
共通テーマ「逃げる」でYが書いた詩を投稿します。

際
下り坂は春の宵
西も東も空は淡い絹の色
風は凪
花は盛り
老いた桜と視線が重なった
首をざんと伐られ
片膝をついて
うると構え
花は一輪一輪
羽二重に鴇色の彩
ゆれるかゆれないか
なよやかな湿気を纏い
老桜はわたしを見ていた
わたしは畏れた
命の渚にいて
老桜は揺るがない
魂の際から逃げない
わたしは揺らぐ際を
掬い上げ
手のひらと頬の間に迎える
猛烈に温かい
ここから
逃げては行かない