共通テーマ「囀り」でFが書いた詩を投稿します。

早春風景
人の出入りの途絶えたやぶ山の
篠竹密生の急斜面を
子連れの小綬鶏が
ざりざり じゃりじゃり
落葉を踏みしめながら登ってゆく
その藪底に陽が射すと
親は天を仰いでやおら鬨の声を上げる
チョットコイ チョットコイ
子どもらは
陽だまりで落葉を掻き分けて
食事に余念がない
どこか遠くの山からもこだまのように
声がとどく
とお~く小さく
チョットコイ チョットコイ
向こうの親も子連れだよ
餌も充分あるんだよ と
親の会話に
割って入った鶯のさやかな渓渡り
ふっくら風が吹きぬける






