桜萩原咲く39

拙い気持ちをぶっつけあって
心は育まれるのです
その心の啓蟄が
青春だと思うのです・・・・

干し柿、おくりびと (八尾のおっちゃん)

2008年12月20日 | Weblog
 約束(葬儀屋との)に5分遅れたことで侮蔑に似たまなざしと吐き捨てるようにいう
「プロなんだろ!」という言葉で迎えられたふたりの納棺師。

 認めがたい妻の死、抑えきれないイラダチ、とげとげしく周囲の者に当たり散らす言葉と態度、死者の清浄をふて腐って半ば監視するかのように見つめる夫が、畏敬にも似た所作で進む旅立ちへの装いが進む中で、過去にあったであろう妻との交換、幸せなひと時、親しく語り合った時もあったろう、病み疲れて頬こけた顔が化粧されてその時々を思い起こさせて・・・。

 妻の口紅が求められたその時に気持ちがほどけて、悲しみに浸り妻の死を認めるかのようにほとばしりでる妻への呼び声と涙、山田辰夫いいですね。
納棺師の死者に施す崇高な所作に、別れの時を自覚し、心構えを準備させるこの夫が気の置けない感謝のしるしに差し出す新聞包みの中身が串に刺された干し柿でしたね。

 16日、親父の7回忌でした、納棺されたとき、親父の銀髪に一櫛整えてやったこと思い起こしました。

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1 コメント

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素敵なシーン (にゃんです)
2008-12-20 13:54:40
 「おくりびと」ですね。
「いつも使っていた口紅を…」と…

素敵なシーンでした。

八尾のおっちゃんのコメントでまた、あの映画のシーンがいくつか甦ってきました。
綺麗な包装紙ではなく、何気なく新聞紙にくるんだ干し柿を手渡すシーンは、気持ちを暖かくさせてくれました。

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