1990年前半のボスニア紛争(旧ユーゴスラビアから独立したボスニア・ヘルツェゴビナ共和国内のセルビア人とモスレム人との間の内戦)における情報戦を共和国政府(モスレム人)側に立った米国のPR会社幹部ジム・ハーフを軸に描いている。
この紛争では、モスレム人が「善玉」でセルビア人が「悪玉」と国際的な評価がなされたが、実際のところは両陣営とも同じような酷い行為を行っていた。それは、前者にはプロのPR会社がいたが後者にはいなかったことに大きく寄与している。
「根拠があろうとなかろうと、悪い評判をひたすら繰り返」すだけで「どんな人間であっても、その人の評判を落とす」ことが簡単にできると、ハーフ氏は言う(345頁)。これが「情報操作」(「認識操作」といったほうが良いだろう)ということだ。この操作に対抗するためには、主張されることと事実を付き合わせることが重要だ。
この紛争では、モスレム人が「善玉」でセルビア人が「悪玉」と国際的な評価がなされたが、実際のところは両陣営とも同じような酷い行為を行っていた。それは、前者にはプロのPR会社がいたが後者にはいなかったことに大きく寄与している。
「根拠があろうとなかろうと、悪い評判をひたすら繰り返」すだけで「どんな人間であっても、その人の評判を落とす」ことが簡単にできると、ハーフ氏は言う(345頁)。これが「情報操作」(「認識操作」といったほうが良いだろう)ということだ。この操作に対抗するためには、主張されることと事実を付き合わせることが重要だ。