天然痘、ペスト、マラリアといった感染症の歴史を概観して、新型コロナウイルスという新しい感染症が登場した後のことを考える一冊。
天然痘は根絶され、次に根絶が期待されたマラリアは根絶できていない。気温が上昇している地域が増えているので、蚊を媒介するマラリアの根絶は難しくなっている。マラリアの語源はイタリア語の「悪い空気」だそうだ。
著者の飯島さんは感染症で亡くなる人を減らすには「国際強調を軸にその歩みを進めていく以外に道はない」といいます(206ページ)。
飛行機や船であちこちの国々を人や物が行き来している潮流は変わらない以上、そのようにやっていくしかない。
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