梅ちゃんのガーデンブログ

コンコード環境デザイン研究所○ランドスケープデザインとまちづくりとマウンテンクライムのブログ

決戦 技術士口頭試験顛末(その2)

2009-12-30 18:37:00 | ㈲コンコード環境デザイン研究所
 口答試験の会場は意外と広く、二人の試験官の後ろには窓があり周辺の街並みを一望できるようである。荷物を手前の椅子に置くと、指定席の横に立つ。ここで受験番号と氏名を名乗る。

 けっこう距離があるな。2mほどだと聞いていたのだがもっとあるような気がする。
 試験官は二人、大柄で60代ぐらいの大学の先生風、メガネは無し。もう一人は50代後半でメガネ、髪はおおむね白く中肉中背である。

 試験はいきなり論文の説明から始まった。このプレゼンが試験に加わったので以前は30分だった試験時間が45分に延長されている。
 暗記も練習もしたはずだったのだが、あぁ緊張している。言葉がうわずっているのがわかる。10分だったよな。えっどこまで話したっけ。5分も経たないうちにのどがカラカラになった。

 この論文は試験の核心部分といってよく、質問の多くは7割がこの論文に集中する。やっとの思いで説明を終えると、試験官からの質問が始まる。大柄な先生風試験官からの質問は想定していた範囲といえばそうなのかもしれない。答えが適切であったかどうかは分からないが。

論文の発表経験はありますか?
これはどこからの発注ですか?ほかにどこがかかわっていましたか?
なぜゾーニングではいけないのですか?
ゾーニングしたらどうなりますか?
ヒエラルキーと書いているが、詳しく説明を?
最も苦労したところはなんですか?
CPDは何かおこなっていますか?
など、矢継ぎ早の質問が来る。
そして
 技術士になったらどんな技術士になりたいですか。これは全く根拠がない話だが、この質問があったら合格は近いといわれる。一通りの質問が終わった。
 最初あれだけ緊張していたのに、少しづつ落ち着いている。答えられない質問ではないからだろうと思う。

 しかし、しゃべりすぎて墓穴を掘らないよう注意しなければいけない。よく興が乗ると必要のないところまでしゃべり、勝手に解釈してしゃべる悪い癖がある。

 すると、試験官が変わった。メガネの試験官にバトンタッチである。この人の登場で試験の雰囲気はガラッと変わった。
 さっき質問のあった事項を別の言葉で再質問されているような気がした。しかも問い詰めるようなきつい口調である。

こりゃ誰が決めたんだ?
最初から決まっていたのではないか?
自分で考えているのか?
後付で書いたんではないか?
プランを押し付けているのではないか?
などなど。よくも初対面の受験者にこんなことを質問するなと思ったのだが。
 途中で気がついた。こりゃ圧迫面接だ。試験勉強で技術士会の模擬面接を受けたときエリャー荒っぽい質問をするなーと思ったのだが。「試験官とは議論をしてはいけない」「ひとつ呼吸をおいて冷静に答えること」「聞かれたことだけ答えて反論はするな」「わからないときはわかりませんと言え」と言われたことを思い出した。

 しかし、答えに窮するようなことばかり聞かれる。きっと答えはないのだろうが、苦し紛れに必要ないことまでしゃべりそうになる。いや、答えらしきモノにすり替えようとしている。あぁきつい。

 「時間がないのでここで終わる」突然、メガネ試験官の論文質問が終わった。これがこいつはダメと思って終わったのか、それともヨシとして終わったのか、それはわからない。

 そのあと技術士制度や都市計画に関する質問が続いた。墓穴を掘らないように集中して答える。

 最後の質問は技術士と技術者の違いは?
 私の答えに、それは同じことではないか?と試験官に聞かれ「いや違います!」と答え、自説を話したところで試験は終わった。

 最後は反論していたのである。が、それも仕方あるまい。

 「どうもありがとうございました」立ち上がり礼を言うと、また入り口で礼をして部屋を出た。エレベーターに乗るとガックと疲れが出た。

 重い足取りで渋谷の人ごみの中を歩いている。のどが渇いた。が、缶ビールを立ち飲みできるところはない。恵比寿まで行こう。

 東京にはたくさんの美術館、博物館がある。やはり東京には富が集中しているなーなどと関係ないことに感心する。

 山種美術館に行くつもりだったが、恵比寿ガーデンプレイスの写真美術館に入る。しかし、落ち着いて作品を鑑賞できるような状態ではない。昨日からの緊張が解けたとはいえ、さっききつく問い詰められたのである。

 さっさと美術館を出ると、喫茶店で質問事項をノートにメモる。
 4時50分渋谷のハチ公前で東京のかつての同僚と会う。わざわざ来てくれたのである。
 居酒屋に入り、試験はきつかったと伝えビールを飲み食事をする。なかなか盛り上がらないのだが、3月発表まではわからんなー。

 二時間ほどで店を出ると、来年必ず東京来ること。そして再会することを誓い。別れたのであった。

 これで東京での予定は全て終わった。4月からの奮闘も区切りがついた。試験の発表は3月5日である。この9ヶ月、奮闘、努力してきたが技術者として少しは成長できたであろうか?

 今、グローバル化と地球規模の環境問題が毎日のように新聞を賑わせている。技術の世界も変化と進歩が著しい。
 方向を見失わないように。浦島太郎にならないように。常に現場で仕事をするものは考えなくてはなるまい。
 今年はこれで終わりとなるが、少しは充実していたように思う。また来年も挑戦を続けていかなくてはならない。

コンコード環境デザイン研究所 梅田







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決戦 技術士口頭試験顛末

2009-12-23 19:48:22 | ㈲コンコード環境デザイン研究所
 12月19日午後3時、着替えを済ませるとFBCCを出てバス停に向かう。これから東京に技術士口頭試験の受験である。

 筆記試験を合格してから体験論文の作成、試験科目の周辺知識の吸収など、受験のことは一通りやったつもりではあるが、試験勉強というのはキリがないなーと思う。それでも明日の2時30分には全てが終わる。そう思いながらバスに揺られたのである。

 JRと地下鉄を乗り継ぎ、福岡空港についた。無論スカイマークである。節約のためにこのチケットだけは早めに取ったので11500円(片道)である。搭乗口の前で缶ビールを一本買い、グビと飲んで搭乗を待つ。飛行機の中は寝ていよう。

 寒波が日本国中を覆い、福岡も寒いが東京も寒い。羽田空港への着陸は2回目で成功。スカイマークの飛行機は狭くて大変だが、事実上倒産している日航に比べると経営はいいのだろうなーなどと変なことを考える。無論空港を占領しているのは日航と全日空であったのだが。

 羽田から渋谷へ、山手線で移動。渋谷で降りて宿へは向かわず、明日の試験会場を確認する。道玄坂を歩くこと10分。アッタ!!フォーラムエイト。入り口には試験の案内がある。

 ここかウンわかった。妙に納得すると。飯にしよう。近くに何かないかと歩くと、牛丼の吉野家があった。今日の夕食はここである。中国人のアルバイトの人が接客に来る。ビールを一本、それから卵とじ定食をお願い。中国人の癖のある声でオーダーが通る。

 酒飯が終わると店を出て宿へ向かう。宿はこれもインターネットで調べた6250円の宿。場所は道玄坂、ラブホテル街にあるビジネスホテルである。

 意外と簡単に見つかる。受付には髪の長い昔の娘さんが受付をしていた。前金で全て払う。このホテルは低価格なのだが、風呂もトイレも共同で部屋にはテレビもない。山に登る私には、ビバーグに比べたら天国だ。前の年はカプセルサウナだったな。などと妙に納得している。

 部屋に入ると、また暗記を再開。12時まで続ける。明日すっきりするよう、しっかり寝なければと思いベッドに入る。しかし朝4時に目が覚める。それから7時まで寝返りを打ちながら過ごす。

 朝風呂に入って、朝食を食べると外に出てコンビニで少し買出し。部屋に戻ると再度、今日試験で聞かれる体験論文の暗記と声だし練習を再開。途中休み休み11時30分まで続ける。

 11時30分を過ぎた。試験会場へ出撃である。服を着替えるとネクタイを締める。ホテルのカウンターに鍵を預け、靴紐を締めるとラブホテル街をこわばった顔で歩く。途中コンビニでリポビタンDスーパーを買う。

 昼飯を食ったほうがいいな。そう思いまた昨日の牛丼屋による。縁起をかついでAセットを食べる、が、のどを通らない。私には珍しく少し残した。昨日もらった割引チケットをだし、精算を済ませると試験会場に向かう。いよいよである。

 フォーラム8、1階にはもう試験が終わった人が居る。「来年はこんなとこで会うことがないようにねー」という会話が聞こえる。エレベータで7階へ、同じ階で降りるが一人。同じように受付へ向かう。受付は若い女性である。ホテルの受付とはえらい違いだ。などと感じる。

 合格通知書を見せ、確認を済ませると、待機する場所を案内される。ひとつ階上の大きな部屋。みんな黙々とノートに向かっている。重苦しい雰囲気が漂う。ここで最後の勉強をおこなう。あと一時間である。

 1時30分になった、待機場所を出るとさっき買ったリポDを飲む、気合一発。エレベーターで12階の試験場へ移動。
 エレベーターを出ると、トイレに移動。放出。うぅ武者震いがする。あと10分、試験場前で待機。視線が宙を舞う。中の声がかすかに聞こえる。それがやんだと思ったら。前の受験者が出てきた。

 ついに俺の番が来た。ドアが開き、ウメダカズヒサさんですか。ハイそうです。
いよいよ始まったのである。アーメン
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