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「私の名前は、キム・ブノンです。」
そう言ったボラ。え?ですよ。本名はブノンなの
ユチャン、かなりの動揺を見せました。言葉に詰まってしまいました。
その間に、ボラは会場を飛び出しました。
ユチャンは、我にかえって追いかけましたが、もうボラの姿はありませんでした。
ユチャンは、政府の新規事業に加わろうと考えています。
その為に、担当のチョン次官に何としても認めてもらおうと思いました。で、白羽の矢が立ったのが、ボラ。
近々予定されている科学技術情報部の晩さん会に出席するチョン次官に、売り込もうと言う作戦です。それには、チョン次官を担当する者を・・・ということになりました。
短時間で企画書を暗記でき、チョン次官の質問に完璧に答えられる女性。チョン次官も女性なので、女性の方が良いと考えました。
そうなると、今考えられる候補者はボラのみです。
ところが、応募者の中に‘キム・ブノン’と言う人物は見つかりません。
でも、ミン・テジュがボラを履歴書の写真から見つけました。
もう完璧に落ちたと落胆していたボラは、連絡を受け、勇んでやって来ました。
そこで告げられたのが、3日間だけの正社員という話。システム保安チームです。
まさか、正式採用されたと思ったんじゃないだろうな・・・とユチャン。
流石にがっくりしたボラでした。
ミン・テジュから詳細な説明を受けたボラ。
担当する人物が、ずっと憧れて来たチョン次官だと知り、意欲が湧いて来ました。
この時、ミン・テジュはユチャンの“失顔症”についても説明しました。やはり話しておかないと、面喰いますよね。
「分かってます。」
と、ボラ。
慌てて、社員の方が話していたので・・・と言いましたが、元々知っていたかのような雰囲気です。やっぱり、ボラはユチャンと何らかの縁があるのですね。
ボラは、必死になって企画書等の暗記に励みました。
ユチャンも、会うたびに急かしますしね。
ユチャンは暗記する事を追加しました。晩さん会に出席する関係者の情報です。やはり仕事の上で相手の顔や名前を覚えておかないと、信用に関わりますもんね。
ある時、ユチャンは、ボラのペンダントに目が留まりました。
そのペンダント、昔ユチャンが買い求め、‘キム・ブノン’にプレゼントしたモノでした。
その頃から、失顔症だったユチャンが、彼女を見分けるためにプレゼントしたモノのようです。
そりゃぁ、ユチャン、驚きますわな。
ボラに詰め寄ると、貰ったモノだと言います。
‘キム・ブノン’と言う名前を口にしたこと、そしてペンダント・・・。ユチャンはボラの正体が気になってきたようです。
キム・ブノンの事で覚えているのは、もう一つありました。うなじにあるほくろです。
これはまだ確認できていません。
ユチャンは7年前、彼が作ったゲームを発売すると言う条件である会社に誘われました。
でも、彼が求めていたのは、大企業への就職ではなく、自分の会社を設立するための援助でした。誰かに使われることは全く考えていなかったのです。
その会社にいたのが、ミン・テジュ。
彼は一目でユチャンの才能を信じました。
で、ミン・テジュから声をかけたのです、一緒にやらないかと。
ユチャンがゲームを開発し、ミン・テジュが売る・・・という態勢を。
10年で韓国一の企業にしようという目標を立て、小さな一部屋からスタートしました。
そして7年で、相当な発展を遂げ、次の10年では世界一に・・・と大きな目標を掲げているのです。
晩さん会当日、寝坊して慌てて駆け付けたボラを見て、ユチャンたちは呆れました。晩さん会に出席するような恰好じゃなかったからです。
そしてここから、韓国ドラマ定番のシンデレラ展開です。
高級ブティックに連れて行かれたボラは、頭の先からつま先までを、別人のように変身させられるのです。
今回は、流石にぴらっぴらのドレスではなく、仕事のできるキャリアウーマンの路線です。
晩さん会で憧れのチョン次官に向きあったボラは、丸暗記した情報を、そつなく披露。
面識のある出席者を区別できないユチャンのために、名前と情報を正確に報告し、上出来で終わるかと思いました。
チョン次官もボラを気に入って、実務者会議にも・・・とまで言ってくれました。
ところが、最後の最後に、ボラはチョン次官の犯したミスを口走ってしまったのです。それは、暗記すべき書類の中に書かれていたことではなく、ボラ自身の考えでした。
それに、政府の問題として大々的に取り上げられたその件が、チョン次官が担当していた部署での事だと言う事を知らなかったのです。
ユチャンは、その問題はタブーとして絶対に口にしないよう社内でも話していたのですが、ボラには誰も教えてくれていませんでした。ま、その必要もないと思われていたのでしょう。
チョン次官の表情が一変しました。
必死にミン・テジュがフォローしようとしましたが、険しい表情は変わりませんでした。
ユチャンは激怒しました。
ボラの不用意な一言で、プロジェクトが台無しになったと思いました。
今後俺の目の前に現れるな
そう叫んで、ユチャンは出て行きました。
でもね、徐々に落ち着いて来た時、ユチャンは、これまで短期間で必死にボラが努力していたのを見ていました。
怒り過ぎたかもしれないと思ったのでしょうか。
車の中に、着替えたボラの靴や荷物があるのに気が付き、引き返したのです。
でも、その時、ボラはミン・テジュの車に乗り込もうとしていました。
ミン・テジュはボラを慰めました。
で、ふと聞きました。
「何故君は、キム・ブノンと名乗ったんだ?」
ボラは答えられませんでした。用事があるからと言って、すぐに車から降ろしてもらったのです。
ボラは木の箱にあのペンダントを大事そうに仕舞いました。
箱の中には、電源を切った携帯もありました。
電源を入れると、ユチャンからのメールがたくさん出て来ました。一方通行のメールです。
心配でたまらない様子が分かります。
待ってるから、戻ってきてほしい・・・と書いてありました。
最後の通信は、その携帯からユチャンに宛ててのメールでした。
“私は帰らない。待つのはやめて。全部忘れて・・・”
その後は、ユチャンからのメールもありませんでした。
気になるわ・・・。