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金木マサユキは、チャンスの命乞いを無視し、無残に殺しました。
そして、ワイヤーでいかにも芸術作品のように仕立て上げたのです。
パク刑事たち出動チームが到着した時には、既にマサユキの姿はありませんでした。
彼らが見たのは、チャンスの無残な遺体でした。
ト刑事は、昔金木家で働いていた韓国人のイ・ファジャという女性に会いに行きました。
直後にグォンジュも施設に到着。
2人でファジャから話を聞きました。昔の事だからとか、人の家の事をあれこれ言うのは・・・と躊躇していたファジャですが、殺人事件にかかわる事だと聞き、少しずつ覚えていることを話してくれました。
金木夫婦の一人息子は、火事で死んでしまったそうです。
妻は精神的に不安定になったのですが、自分が勤めていた施設にいた一人の少年に亡き息子の面影を見るようになったんだとか。そして、その子を養子として迎えました。
ファジャはその後結婚して韓国に戻ったため、その後の事は知りませんでした。
その養子に気になる点は無かったかとト刑事が問いました。
よく覚えていないけど・・・と前置きして言うには、笑顔がぎこちなくて何となく怪しいという印象を持っていたんだとか。人を観察しているようだったと。
そして、ためらいながら話したのは、その子の引き出しに星の模様の入った箱と木挟みがあったということ。
「その箱の中には、干からびた耳が」
人の耳ではなく、猫や犬、ヤギといった動物の物だったそうです。
マサユキと名乗る前の名前を知っているかと問われ、苗字はウ氏だったと言いました。
そして、名前はジョンウだったと。
その瞬間、ト刑事の記憶が戻り始めました。
耐えられなくなってその場を飛び出したト刑事。
ト刑事には、ジョンウという兄がいました。
事件の日、ジョンウがミホを殺し、耳を切り取ったのを思い出しました。
自分にも、ミホの首を絞めろと指示しました。催眠にかかったようにト刑事は言いなりになって首を絞めようとしたとき、ミホの兄がやってきたのです。
現場を見たミホの兄はト刑事が犯人だと思って当然の状況でした。
ト刑事は、兄は死んだと思っていたようです。グォンジュにもそう話していました。
記録上もそうなっていました。
でも、生きていたのです。
話を聞いて、グォンジュはマサユキがジョンウで、ト刑事の実の兄だと気付きました。
それを確かめようと、ト刑事を追いましたが、ト刑事は何も答えず、一人どこかに行ってしまったのです。
ト刑事の行き先は、マサユキの大学。
まだ信じられませんでした。狂った殺人鬼が実の兄だなんて。
執務室に行きましたが、誰もいませんでした。
机の上のアゲハチョウの標本を見て、何か引っかかると思ったのは、やはり兄との思い出に繋がるものだったからでした。昔、兄ジョンウが自分のために蝶の標本を作ってくれたことがあったのです。
兄はいつも彼に優しかった・・・。分かり合えるのは僕たちだけだとジョンウは言っていました。
標本を作ったのは、きれいなものをいつまでもそばに置いておくためだと言いました。人間も同じだと
実は、その当時、既に兄弟そろって“反社会性人格障害”と診断されていたのです。
彼らの父親はそれを悩んでいました。
ある日、父はト刑事に言いました。
兄のジョンウは病気で入院したと。
記憶が全てもどったようですね、ト刑事。
それは彼を絶望のどん底に突き落とすことでした。
自棄になって自暴自棄になっているト刑事を、必死に押しとどめようとするグォンジュ。
「マサユキを殺して全て解決するつもりですか」
チーム長は、そんな人じゃない筈。ミホの事件もチーム長じゃなかった。もう説明してくれなくても分かります。ナ係長の死を無駄にしないでください。ナ係長は最後まで味方でしたよ。
ナ係長の最期の言葉が頭に浮かんだト刑事。
「どんな時でも私たちは警察です。どんな時も警察を志した気持ちは忘れないでください。」
グォンジュはそう言いました。
「この地獄は、見た者にしか分からない。」
と、ト刑事。
そう言って出て行きました。
ト刑事は、マサユキが自分に執着する理由が分かりました。
兄だからというのではなく、ト刑事を同じ人間にしたいと思っているからだと。
だから、彼の周囲の人間を殺したり、パン・ジェスに監視させたりした。記憶の空白期間に入れ墨を彫り刺激し続けたんだろうと。
ナ係長の葬儀が行われました。
ト刑事は遠くからその様子を見つめていました。
ナ係長を最後まで苦しませた償いは、必ずさせると決意しました。
気づいて近づいてきたグォンジュに、ト刑事は、マキオ議員の件を話しました。
マサユキが犯人で、証拠もあると打ち明けた後、マキオ議員の行方が分からないと。
そして、マサユキの作業室が怪しいと。大事なものは集めておく性格だったから・・・と。
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