ホイッスルバード あいざわぶん

歓びの声

散歩して気付いたのだが、吾が家から一番近いクリーニングの
受け付け店がいつの間にか閉店していた。
一番近いだけじゃなく、一番安い店(想像)でもあった。
昨年11月に利用した時に誕生月だったので破格の低料金に
してくれたのが嬉しかった。

二番目に近い店は違うクリーニング業者の受け付け店だったが、
一年以上も前に閉店している。
一度だけ頼みに行ったが、驚くほど高い料金だった。
料金を聞いた時、「出すの、やめます」と言えなかった自分の心
を今になっても覚えているほど高かった。

高くても潰れるし、安くても潰れる世の中である。

私が両方の店を利用したのは、勤務先から借りていた清掃用の
制服を退職時に返品する為であり、仕方がなくてのこと。
自分の服は自分で洗濯するから、実は何も困ることは無い。
でも、世間の人は結構利用しているようだから、高くても潰れて、
安くても潰れるようじゃ、利用店が遠退くばかりで困るだろうね。

私は、こういう現象になるべく感傷的にならないようにしている。
生まれたり、潰れたり、の連続だから、仕方がないのである。
毎年豊作の農家はない。毎年豊漁の漁師もない。
自分も経験したので、より一層、仕方がない、との認識が強い。
人件費が賄えぬ事業は、淘汰さるのが自由主義の定めなのだ。


さて、二回目に買った蕨も直ぐに食べつくしたので、品数が揃う
「JA おひさま市場」まで買出しに出掛けた。
蕨二束・春キャベツ・蕎麦を購入し、帰宅後直ぐ灰汁抜き作業。
だから明日の昼飯は蕨のお浸しで蕎麦を食べよう。
あぁぁぁ、考えただけで涎(よだれ)が出そう!

ところで、おひさま市場には生花売り場もあって、その前を通り
掛った時に起きた出来事にハッとした。
小鉢に移植されて売れるのを待っている「なんらかの植物」を
上から見下ろした40歳前後の女性が、「あぁぁ、きれぃぃぃ」と
歓びの声を上げた。
周りには誰も居ず、顔を下げていたから私の存在も知らぬ筈。

どんな美的感性・感受性の持ち主なんだろう、と思った。
どんな植物(花)なのだろうと気になった。

で、買い物を10分で済まし、私もその鉢の前に行ってみた。
並んでいたのはプラ鉢に移植された様々な色の肉厚の小さな
サボテンたちだった。

実は、サボテンが女性に人気があるのは10年以上昔(48歳時)
から知っていた。
勤務していたデリ店にサボテン好きのデリ嬢が居て、ホテルへの
往復時に話を聞いていたからだ。
でも、ああいう声が出るほど、感動するもんかなぁ、と不思議。
彼女に短歌を詠ませたら、どんな作品が出来るのだろうか。
まっ、感動と表現力はイコールではないけれど・・・。

不思議過ぎて、夕方になってもポカ~ンとしているのだ。
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