575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

苔寺の色に溶けゆく雨蛙   殿

2019年05月19日 | Weblog

苔むした石段の雨蛙。
やがて、体色が苔色となり溶けるように消えていきました。
実は、西芳寺ではなく鎌倉の苔寺といわれる妙法寺での句。
妙法寺は日蓮の寺院。しかし戦乱に巻き込まれ塔頭も焼失。
やがて徳川家により再興されます。
ところで、妙法寺の境内裏の小径。
登りつめると美しい相模の海と富士山が楽しめます、と作者。

一番高い評価を受けた句です。
採らなかった方の意見を紹介します。
雨蛙が苔寺の緑に溶けこんだ、という視覚的な句で美しい。
だが「色に溶けゆく」が言わずもがなの感じ。
苔寺の「静けさ」を加えては如何。

これは判断が難しいですね。
作者の解説を読むと「溶けるように消えていった」とあり、
言外に静寂を詠み込んでいると読むことも出来ます。
「消えゆく」とすることも出来ますが・・・
皆さんはどう考えます?         (遅足)
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1 コメント

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Unknown (殿)
2019-05-24 11:10:02
ご指導ありがとうございます。苔は湿気のある薄暗い環境で生育。すでに静寂な印象があるのでは…。またご住職より「苔の吸音効果は作庭で利用する」とお聞きしました。「静けさ」は冗漫と考えます。

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