575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

龍笑むや若葉の風の立ちにけり   遅足

2017年04月30日 | Weblog
京都の建仁寺は龍の寺として有名です。
その龍を描いたのは海北友松(かいほう・ゆうしょう)。
父は戦国大名の浅井家につかえて武士。
しかし浅井家は織田信長に滅ぼされ、父も兄も戦死。
友松は画家の道に進みました。
この海北友松の展覧会が京都国立博物館で開かれています。
会場には朝早くから多くの人が。
なかでも襖絵の二匹の巨大な龍に圧倒されました。

墨絵の線を引く時は息を止めて、と思っていましたが、
線を引く時は、息を吐くのだそうです。一筆一息。
息は生きるに通じ、絵を描くことは即、生きること。
戦国武士の魂を持った友松は、ある意味では龍そのもの。
龍よく龍を知る、といった感じがしました。
彼の名は朝鮮の人々にも知られていたとか。

展覧会を見て、京都から帰る日は午後から雷雨でした。

  龍天へ地に稲妻をこぼしけり  遅足



コメント
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