山上俊夫・日本と世界あちこち

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橋下維新、すでに終わった都構想を生き返らそうとする野望(住民投票直接請求署名)

2014年12月21日 23時06分23秒 | Weblog
橋下大阪市長と維新の会は、すでに議会で否決され、消滅した大阪都構想をあの世から生き返らそうと新たな策謀をこらしている。「大阪都構想の賛成・反対を市民自らが決することを求める住民投票条例」の制定を求める直接請求署名運動を12月21日から大々的に始めた。大阪市の有権者の50分の1、4万3千人の有効署名が必要だ。50分の1はクリアするだろう。ところが維新は40万人分を集めると豪語している。ということは4月の一斉地方選の事前運動的意味合いでやるということだ。
 だが今度の衆院選での維新の得票は33万1千だから40万などはじめから無理だ。直接請求は署名押印が必要だから、街頭で橋下が騒いだからといっておいそれとすすむものではない。名古屋での直接請求では、ずいぶん不正な署名もあってもめた。
 橋下氏があおってすすめる直接請求を自分に提出させ、橋下氏が条例案を議会に提出する。自分が出すのなら、署名などやらずにさっさと自分で出したらいい。出せるのだから。しかし、政治的パフォーマンスをえんえんとやるための舞台装置として設定したのだ。
 結果はどうなるか。議会では条例案は100%否決される。もし、ありえないけど可決されるとすれば、都構想を住民投票で決めましょうという条例案が住民投票にかけられる。しかし投票の結果がどうあろうと、法的には住民投票にはもちこめない。「大都市における特別区設置法」では協定書を機会に提出してその承認を受け、そのうえで住民投票にかけることになっている。だから、パフォーマンス投票をやったとしても住民投票には絶対持ち込めない。
 橋下氏がねらうのは、40万?もの直接請求署名があつまったのに、条例案を否決した議会は横暴だ、民主主義に反するなどとわめいて、そのわきあがるばかりの?市民世論をバックに「専決処分」をすることだ。議会が機能していない(14年20月に協定書を否決したことをさす)から、市長が(ついでに府知事も)専決で協定書を承認し、住民投票に持ち込むという算段だ。だがこれは違法行為だ。専決は、災害などで議会が開けない、議会が議決する機能を失った場合に首長にあたえられた権限だ。大阪では議会は開いている、議決はできる、すでに議決した。橋下氏は1日でも議会が閉会した日ができたらそこをねらう。気を許してはいけない。スキをついて違法行為をする可能性がある。
 専決処分は、だが、橋下氏の命取りになる。鹿児島県阿久根市の竹原・元市長と同列の極悪人として歴史にきざまれる。橋下氏にとっては苦しいところだ。
 そこでもう一つの道を彼は考えている。
 橋下徹氏は総選挙最終日(12月13日)最後の街頭演説で、総選挙の敗北を宣言しつつ、都構想についてこう演説した。府議会・市議会で協定書は否決されたが、4月の一斉地方選挙で「勝負をかけ」「過半数を取りに行く。府議会・市議会で必ず議決をとって、そのあと住民投票だ」と叫んだ。
 これはプレ住民投票をもとめる直接請求は一斉地方選挙の事前運動として位置付け、府・市議会で過半数を獲得して、あらためて死んだ協定書を承認して、住民投票に持っていこうという態度表明でもある。専決はまずいという考えに傾いているのかもしれない。
 だが、府・市議会で維新が過半数をとれない。衆院選では、人気が落ちたはずの維新がもりかえした。橋下氏は、国家・地方公務員給与20%削減、議会定数削減で身を切る改革一本やりの演説でもちなおした。橋下氏の宣伝の打ち出の小づちは、公務員攻撃、議会攻撃、市役所攻撃だ。だが身を切るといいながら、政党助成金でどっぷり税金につかっている。自分は利権を絶対手放さない(維新発足の時は形ばかり政党助成金削減をかかげていた)。このごまかしを見抜けない人々は、また維新に投票した。
 総選挙の大阪府の維新比例票は2012年より減って、32%だ。府議会で定数1の選挙区もあるが、市議会は定数2以上だから過半数を占拠することは無理だ。4年前とは情勢がちがう。
 そうなると都構想は死んだまま終わることになる。もしかして、そのあと専決処分に出る?

 それにしても橋下氏の議論は全く筋が通らない。維新の要望で国会を通してもらった「大都市における特別区設置法」の特別区成立の要件、議会での承認、住民投票での承認、これを平然と無視し、議会で否決するのは民主主義ではないといいつのってきた。
 これは憲法改正に当てはめたらどうなるか。憲法改正は、衆参両院の3分の2の賛成で発議し、国民投票での承認が要件となっている。橋下氏の議論は、国民投票こそが直接民主主義で意義があり、議会が3分の2の多数でないと発議できないというのは国民の決定権を制約するものだ、プレ国民投票をやって国会を飛ばして、直接国民投票にもっていくべきだ、やっていい、というのと同じだ。とんでもない珍論だ。
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3 コメント

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都になると業務の請負化で市民の意見が反映されなくなる業務が (takokuro)
2015-03-17 14:26:06
1) 国民健康保険
2) 介護保険
3) 水道
4) システム管理
5) 施設管理などで影響が遅かれ早かれ、自動的に都議会で進められてしまう


国会でも、参議院がかつて緑風会が日本国憲法施行最初に、
民主主義社会の手本だというので、当初、なかなかの議会政治の真髄を教えてくれている。
それは、このグループだけは統一見解を取らずに、
グループ内でまず、反対者とも議論が白熱し、精査され、
衆院から降りてきた議案も突っ返したことが何件かあったそうです。
阪神大震災以降、議員に誓約書を取って議案を通してから、
おかしな政治がまかり通ってる。
ひょっとしたら?海外から見ると、この時点で、日本は軍事政権が掌握したのと同じ状態となってるのではないだろうか。
北鮮も、田原さんのかつての番組で、実際には武器が飛び交いもせず、治安はいいのだが、
実際には戒厳令的な牽制された治安だったのかもしれない。
また、実際には市の施設の障害者や高齢者施設の昭和期のものが、
実態として如何に多くの施設が占拠状態にあるのか!去年初めにリストを一軒一軒探し歩いて、驚いた。。つまり、、戦後、大阪市民が税金で作った施設を平気に奪われても何も手を打てない状況が今の市議会議員にヤクザ?マフィア系が居てるということではないか?
このやり方は、治安が安定した日本育ちのやり口ではなく、
海外の国家が破壊されてる社会からなだれ込んで来てる海外型テロ組織が大阪を襲ってるということではないか?
また、多くの大阪の勤務者は、大阪市以外の住民として通勤してる人が多い。
大阪市が大阪市民の権利を守れる状態で無くなってるからではないか?
もともと、婦人会館だったところがクレオってカタカナになってしまいましたが、
婦人会館の時の方が、質素だけど質実剛健で、身近だったし、利用者と一心同体的な感じだった。今は、なんだか?どういうつながりなのか?レストランが素晴らしい環境を安く借りることが可能な人がいて、立派な建築物になってから、この公共の場所を特定の人たちが、
自分たちだけで利用するという閉鎖性ができてることを思う。
返信する
橋下氏の論旨の一貫性に対する疑念 (takokuro)
2015-03-17 14:41:49
先ほどの書いたように、市の実態として、すでに海外資本や関空からの移民や密輸品流通でも、不動産流通でも、侵略されてる実態の中で、
市議会議員も役所公務員の中にも業務請負の力が強く自己主張する中で、
市長だといって、どれだけのことが可能な権限なのか、ということを考えるから、
誰も、大阪市民の立場を守ろうとする人が選挙で出てこない。
いちびってるか、世間知らずのおよそ市長には相応しくないペルソナが多いし、
政治家としての常套手段としては、黙って、大きな力に飲み込まれるのを静かに見守るか。
その中で、市民にこれほどメッセージを送ることに情熱を注いでる市長が居るだろうか?
自分がサンドバッグになっても、今、大阪市民が直面してるリスクを大声でメディアにのせようということだけ、大阪市の希望の光ではないか。
返信する
大阪市内では都構想は否決されていても、府や国からの圧力に抗った証にはならないのではないですか? (takokuro)
2015-03-17 15:52:32
5/17の市民からの都構想反対選挙での意思表示なら、
国や府への圧力に対して、不当だという大阪市民の意思表示の証にはなり得ませんか?

府や国の昭和55年以降の無駄遣い、大平さんのような勤勉で頑丈なちょっとやそっとでビクともしない心身が、馬鹿げた事務処理が急増させられてきたことと、
薬物による心臓発作があったのではないだろうか?
当時、東京女子大の前に虎ノ門病院へ心臓発作でありながら、運んでる。
当時の日本の循環器外科技術なら、十分、救えた命である。
阪大一外の心臓外科の医師の少なからずが悔しんでいた。
石坂悠次郎の動脈瘤も不自然な死と噂された。
彼は、ハワイを立つ時に、舘ひろし氏とランチをしている。。
つまり、、怪しい仕組まれた暗殺がこの時期にも多分?昭和期のフライデーのような記者なら、見抜いてたはずの事件が、スルーされてる国家警察の状態を疑うべきに思える?
3億円事件にせよ、実は?手助けしていた?ってことはないだろうか?ってね。。
三島が自衛隊員に向かって、自決してまで伝えようとしたことって?実は、LSD的に脳血管関門をスルーしダイレクトに脳神経に作用する薬物が日本に警察通じ、入ってる、それが、自衛隊も及んだ、ということだったのではないだろうか?
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