山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

細田幹事長が野党の雇用法案は社会主義だと叫んだ

2008年12月26日 08時35分14秒 | Weblog
 先日、テレビで、自民党細田幹事長が、民主・社民・国民新の3野党の雇用法案をさして、「社会主義だ」と叫んだ場面が写ったのを偶然見た。おもしろいことをいうなと思った。3野党の法案は、企業の内定取り消しの規制、非正規労働者の安易な雇い止め規制、失業者に住宅貸与や生活費の支給などが内容だ。一方、与党の法案はこれよりゆるく、規制を盛り込まずお願いする的なもので実効性に疑問がある。
 細田幹事長がこれを社会主義だといったのだが、そうだとするなら、社会主義的なものは人々が人間らしく生きるために必要なものだということがわかる。フランスやドイツやスペインはさしずめ立派な社会主義だ。フランスやスペインでは、ルノーや日産のリストラ計画に大臣が乗りだしてきて、撤回をせまる。日本では、共産党の志位さんや小池さんが国会でトヨタやキャノンの横暴をとりあげて厳しく指導せよと迫ると、「個別企業をどうこうと言うのはさしひかえたい」と逃げる一方だ。何しろ日本経団連の会長を出し、現会長の企業だから、怖くてものがいえない。こんな状態だから、横暴を規制することが社会主義だとなる。どんどん社会主義を追求すべきだ。
 社会主義といえば、ソ連。地に落ちたイメージだ、まさに。あるべき社会主義の正反対のものだった。民主主義否定と個人抑圧。私のえがく社会主義は、政治・経済・社会のあらゆる面にわたって民主主義が徹底した世の中が社会主義だと思っている。だから、社会主義は固定した社会のあり方ではなく、自由・人権・民主主義の発展が経済にまでおよんだ、その社会全体の運動の在りようが社会主義だと思うようになった。そんな考えからすると、今と地続きのところに社会主義はある。
 話が思わぬところに行ってしまった。戻そう。
 細田幹事長は、民主党が参議院であまり審議しないまま強行採決したので、頭にきてあのようなことをいったのだろう。でも、強行採決についてはあり余るほどの歴史をもつ自民党でも、自分がやられたら無性に腹が立つのだ。その気持ちはわかる。でも、自らをふり返って、そこは子どもじみた反応はしないほうが自民党のためだ。
 民主党もパフォーマンスがすぎる。衆議院では否決されることがわかっているから、否決にでてくる自民党の姿をあぶりだそうとの狙いがみえすぎてよくない。政府の河村官房長官が、「取り入れられるものがあれば、取り入れていく」といっていたのだから、強行採決せずに、議論をつくして政府に野党の案を取り入れさすようにすべきだったのだ。政権奪取の観点だけで行動している。
 小池さんが言っているように、実効性のとぼしい政府案ではダメなのだから、審議を継続して、実のある雇用対策に緊急にまとめあげる努力を国会がすべきだ。でも国会は閉幕した。

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