山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

バスの重大事故の原因は、規制緩和による苛酷勤務

2014年03月05日 13時46分47秒 | Weblog
 富山県の北陸自動車道小矢部サービスエリアで3日(2014.3.3)発生した宮城交通の夜行高速バスの衝突事故で、小幡和也運転手(37)と事故直前に「起きろ!」と何度も注意した金沢高校教諭小野善広さん(48)が死亡し、多数が重傷を負った。解剖では、運転手は心筋梗塞や脳卒中などは確認されていない。
 運転手は11日連続勤務だった。明かな労働基準法違反だ。労基法では、少なくとも週に1日は休日を与えなければならないとなっている。週40時間労働だから週休2日だが、休みを繰り越すとしても、どんな場合でも週に1日は休日を与えなければならない。11日連続でおそらくそのすべてが夜行バスだとすれば、その疲労は相当なものだ。
 2012年の関越自動車道での夜行バスの事故でもそうだったが、00年のバス事業の参入緩和がそのもともとの原因だ。規制緩和による新規参入バス会社がふえた過当競争で安値競争がすすんだ結果、運転手の労働条件が極度に悪化した。苛酷な長時間連続勤務が横行するようになった。労働者の人権侵害であるとともに、客の命まで奪うようになった。
 異次元金融緩和なるものによって外国人の投資を呼び込んでこの1年、株高を実現してきたが、その外国人が売り越しに転じるようになって、下落がつづいている。投資家からは、それこそ異次元の規制緩和=労働、農業の規制緩和の徹底をすすめないと日本株は買われないと、あらたな脅迫的言辞があいついでいる。
 とんでもない。労働の規制緩和の結果が、若者の半数が非正規になったこと、この1年で正規が46万人減り、非正規に置き換えられたこと、苛酷労働によって若者の(20、30代)過労自殺が50代に比べてとびぬけて多くなっていること、そしてこんどのバス事故に見られるような悲惨な結果をまねいている。株の値段があがっても実体経済はよくなっていない。株価資本主義の立場からすれば、労働の規制緩和を底抜けになるまで緩和すれば世界から投資家を引き込むことになるのかもしれない。しかし労働者の命と健康と生活が破壊された墓場の上に株を積み上げて何の意味があろうか。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 橋下市長の市長選挙6億円支出... | トップ | プーチンと相通じる石破幹事長 »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事