山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

橋下大阪市長、京大教授の発言で京大総長に告げ口

2015年02月07日 17時07分38秒 | Weblog
 橋下徹大阪市長は、自分を批判した藤井聡京大教授を驚いたことに京大総長に見解を問うと訴えている。藤井教授は内閣官房参与もし、最近はテレビのバラエティ番組で政治問題でコメントしている。藤井氏は、大阪都構想を「大阪市民の税金が府に吸い上げられ、市外へ流出する」と批判している。もっともな批判だ。橋下氏には下手にものを言うと激しい攻撃をしてくることをみんな知っているから、関西のテレビではまともに橋下批判をするコメンテーターはいない。それでも数年前に比べて、こびへつらったり、もちあげたりする人物はいなくなった。橋下氏の慰安婦発言から流れが変わった。
 今度、橋下氏は、2012年の藤井氏と自民党議員の対談で、橋下氏が「どれだけヘドロチックか教えたいってすごい思っている」と発言していたのを掘り起こして問題にしている。5日(2015・2・5)の定例記者会見で「限度をこえて調子に乗っている。この小ちんぴらだけは政党の代表、市長としてただしていきたい」「たぶん京都大学の総長が来ると、ああいう人はハハーってなる」としゃべった。
 限度を超えて調子に乗っているのは橋下氏自身だ。彼の右に出るものは関西には、いや日本にはいない。橋下氏の言葉の汚いことも右に出る者はいない。今度の「小ちんぴら」という新語にもびっくり。総長が来るとハハーとひれ伏す小チンピラだというのだ。こういう人物像が実は橋下氏にぴったりなのだ。過日も、安倍首相から憲法改悪で維新への期待の言葉をもらって、「うれしくてしょうがない」と子どものような反応をした。自分の感覚で人を評するから、人を批判しているつもりが、じつは哀れにも自分の人間性をさらすことになるのだ。
 総長に告げ口をすれば、びっくりして大人しくなるだろうと思っている。大の大人が、まして政治家がすることではない。堂々と言論で(汚いことばではなく)やればいい。総長に訴えればと考える、その思想の貧困。研究者はもとより独立した人格だ。自分の言論には自分で責任をとるのが研究者だ。大学は総長が教員を管理するというシステムではない。橋下氏は、社長が決定し社員が従って実行するという会社システムを大阪の学校に持ち込もうとして激しい軋轢を生み、学校を腐食させている。大学でもそんなものだと思って、総長に告げ口してやっつけてもらおうと思ったのだ。
 橋下氏は藤井氏の都構想批判が相当堪えたのだろう。そこで古い発言を見つけ出して、いちゃもんをつけ、総長告げ口作戦にでた。藤井氏は、総長への「申し入れは自由に」「しかし都構想についての言論を変える圧力にはいっさいならない」といっている。まともだ。人間性を観察するのに、じつにおもしろいケースだ。みずから実験台に乗ってくれた橋下氏に拍手。
 
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