山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

強者のための道州制

2010年04月06日 13時35分44秒 | Weblog
 切抜きを整理していて、2010・2・25『朝日』のオピニオンのページの福井県知事・西川一誠さんの文章がひきちぎってあるのがみつかった。あらためてハサミできちんと切りそろえた。
 「地方知事ネット 9人でふるさとの知結集」という題の投稿だ。青森、山形、山梨、長野、奈良、島根、高知、熊本、福井の9県知事で作ったそうだ。都市と地方という関係にひきずられているのを解き放って、ローカル・アンド・ローカルという新しい連携の形をつくろうというのだ。坂本竜馬をはじめ昔は、地方の人物が地方の間を行き来して日本を動かしていたという。そのとおりだ。
 特に「道州制のような都市を中心に勢力範囲を広げる拡張的思想ではなく、地方の個性の尊重と互いの交流による相乗効果」という見解に注目した。道州制の震源地は日本財界だから、地方に住む人々のための構想ではありえない。だが表向きは地方分権を看板にかかげる。この地方分権、地域分権が、実ははくせものだ。眉につばをして聞かなければならない。
 西川知事が、道州制を「都市を中心に勢力範囲を広げる拡張的思想」と定義したのは、道州制の客体となる地方からの定義だけに注目していい。
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4 コメント

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Unknown (とくさん。)
2010-04-11 09:53:06
 失礼いたします。
ローカル・アンド・ローカルも言い方を変えた道州制ではないでしょうか。道州制実現の要請は、財界からだけではありません。たしかに福井県は原発の恩恵もあり存続するでしょうが、自律の気概は失われるのでは。現在の府県制で、交付税や補助金なくして自立(自律)できる地域がどれだけあるのでしょうか。仮に地方自治ならば自前で自分の地域のことは地域住民が考えねばなりません。それが可能になるには道州制の単位が必要だと思うのですが、いかがでしょうか。蛇足ですが、霞ヶ関から知事に天下り?の依存体質福井県知事の言葉もまた鵜呑みにしては、将来地域を失う恐れも懸念されます。
 いま、真剣に持続可能な地域とはなにかを考える時期かと思います。
 失礼いたしました。
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平等の観点を (yamagami)
2010-04-17 09:53:36
 ありがとうございます。道州制は、財界が震源地、自民党が推進という構造だと思っています。地方、山村僻地切捨てに本質があると思います。税制も変え、自前の税源でということになるのかもしれません。地域主権という建前はきこえがいいですが、永遠の地域格差拡大となります。戦後税制改革は民主的側面が十分あります。地方交付税交付金は地方を支える役割をはたしてきました。
 道州制のミニ版を私達はみてきました。それは町村合併の大号令でした。弱小町村はその結果、新しい市や町の僻地として打ち捨てられいっそうさびれているではありませんか。弱いものを捨てる政策です。
 
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Unknown ( とくさん)
2010-04-24 08:07:55
こちらこそ、ご丁寧に、ありがとございます。
そうですね、平等の観点は必要です。とりわけ結果の平等ではなく、機会の平等の観点がないといけないと思います。道州制はその中身はともあれ、いまでは自民党以外もその必要性を主張しております。かつては民主党もマニュフェストで唱えておりました。現在の府県制で格差を是正するなら中央集権化が必要なのですが、その延長は増税しかありません。いつまでもバラマキ・システムが続くのかわかりませんが、もう国家の財政状況を考えるとあまり猶予はないかと思います。地域は中央にこのまま隷従して疲弊するか、多少苦しくても自由と(自立)自律を獲得して地域を活性化させるか、パラダイムの転換がないと、日本も自立できないのではないでしょうか。平成の大合併は道州制とはまったく別のものだと考えます。この先、益々寂れまることが予想されます。このままいっても中央から捨てられない保証がない以上、自ら自立の気概をもつこと、制度の変革を迫る総体的な運動が道州制だと理解しております。もちろんどんな制度にも万能はありませんので、道州制もまた欠点・短所もあります。ただ、現在の中央集権型の府県制をこのまま維持して衰退を選択するか、多少希望を胸に一歩変革を目指すか、まさに重大な時期に差し掛かっております。まさに真摯に考え行動しないと、日本もギリシャ悲劇になるかも? すみません、失礼しました。
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本当の道州制に向けて (山中鹿次)
2011-04-07 22:25:14
私は東京集中の是正と地域活性のために道州制を施行すべきだと思います。だが今、いろいろ提案されている道州制案が財界の自己都合優先の民意を無視した道州制であること。
 そのことを道州制ビジョン懇談会の会長をした江口氏と激論したり、橋下知事の姿勢では関西州に奈良や、福井が関西州に加入しないことを理解できます。
 共産党のような政党がこれなら道州制に反対できないという、格差是正などに配慮した道州制についての提案をしていこうと考えています。ちょうど今、西川知事の「ふるさとの発想」という本を手に取っていた所でした
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