山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

12・8開戦の日、望月衣塑子記者の講演を聞く

2017年12月09日 12時25分05秒 | Weblog
 12月8日(2017)アジア太平洋戦争開戦の日、中之島中央公会堂で大阪革新懇が催した「12・8文化と講演の夕べ」に出向いた。30分ほど前に着き、前の方に陣取った。やがて満員になった。
 沖縄民謡、共産党山下よしき議員の情勢報告につづいて、東京新聞社会部記者・望月衣塑子さんの講演。驚くほどの早口。いろんな事件の話が出て記憶を呼び戻す余裕がないほどのスピードだ。
 東京新聞といえば、1972年ごろ、歴史学者の鈴木正四先生から、国際面で信頼できるのは「赤旗」と「東京新聞」だと聞いたのを覚えている。以前、朝日新聞がジャーナリズム精神を忘れかけていたころ、東京の友人たちが朝日から東京新聞に替えたというのをよく聞いた。
 望月さんは、武器輸出問題を追究してきた記者だと、今度初めて知った。武器輸出の本を二冊も出している。2児の母をしながら立派だ。
 望月さんの話の中で、「読売」官邸・公安がタッグを組んで、加計問題の前川喜平・前文部事務次官を出会い系バー通いをしているとしておとしめようとしたした件がただ事ではないと思った。望月さんは「事件に強い読売がなぜ?」と思い、かつて読売に移籍したいと真剣に思ったその読売が、「前川前次官 出会い系バー通い 文科省在職中 平日夜」と大見出しの記事を書いたのは、もっと詳細な事実をつかんでいるに違いないと思った。菅官房長官は、「常識的にいって教育行政の最高の責任者がそうした店に出入りして小遣いを渡すようなことは、到底考えられない」と談話を発表した。そうした店に出入りしてという思わせぶりな言い方は、すなわち買春行為を繰り返してという意味だ。これが官房長官の頭の中を満杯にしていたはずだ。莫大な税金と人員を投入して調査をしていた。継続して個人の私的な日常を探りまわった。バーの女性にもつきまとって情報を得ていたはずだ。買春三昧ならば、相手の女性にもっと多くの金を渡せばやすやすと話してくれる。しかし、読売はそうした事実は出せずじまいだ。望月さんは、前川さんに3時間50分のインタヴューをした。記者魂で、バー通いの裏表をふくめ突っ込んで聞いた。前川さんは、若い女性たちが貧困と学校中退を背負ってもがいている実態を聞き取ることを真剣にやっていた。そこに通うことを奥さんと相談の上、実行に踏み切ったことも明らかにした。前川さんは、夜間中学の先生をしたり、子どもの貧困・中退対策支援の活動などにすでに取り組んでいた。公安がさんざん嗅ぎまわったあげく、買春の大手柄をあげることはできなかった。安倍首相が、憲法9条改憲については読売新聞を丁寧に読んでほしいというほどの、安倍読売一心同体ぶりだ。かつて大阪読売の黒田軍団がその名をとどろかせたのは過去のことだ。いまや公安のガセネタをつかって権力のちょうちんもちをする、情けない姿をさらすまでになった。もっと以前、終戦直後、侵略戦争の反省から読売は、日本の徹底した民主革命の推進を社説で連打し、日本の民主主義の行方を指示していた。そんな時代もあったのだ。今や部数だけは多いが、中身はさっぱり、権力のつっかえ棒ではもうだめだ。わたしは若いころ日経新聞の配達をしていたが、読売はジャイアンツ球団の入場券提供を切り札にぐんぐん陣地をひろげていた。
 望月さんは、そんな前川取材をもとに「東京新聞、望月です。前川さんの行動確認をしているのか。官房長官もそういうところに足を運ばれてみてはどうか」など夢中で手をあげたという。10分の官房長官会見が30分になることも。嫌がらせも当然出てくる。でも負けない。応援する人々が大新聞の幹部からも出てきた。
 ネットでは、やはり、百田尚樹小説家先生が、望月記者に悪罵をなげつけていた。百田先生は、南京、慰安婦で実証能力ゼロの歴史の偽造を専門にしているのかと思ったら、安倍自民のためならなんでもちょうちん活動に励んでいるようだ。
 講演では、安倍お抱えナンバーワンのべったり記者?評論家?の山口敬之のレイプ事件も語られた。伊藤詩織さん準強姦事件で逮捕状が出ていたのに、菅官房長官・元秘書官の中村挌・警視庁刑事部長によって逮捕状の執行が停止された事件だ。ここではこれ以上深入りしない。
 講演のごく一部をとりあげ、感想も述べたが、てんこ盛りの講演だったので、参加者一同ひきつけられて、終わった後すこしの疲労感を味わうほどだった。久しぶりの寒風の中、中之島から淀屋橋まで歩き、地下鉄へ向かった。
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