山上俊夫・日本と世界あちこち

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教育無償化のために憲法改正?これで9条改憲に引き込む

2016年06月24日 00時04分07秒 | Weblog
 おおさか維新が参院選政策に「大学までの教育無償化のために憲法改正」を打ち出している。
 ネット党首討論で、維新・松井氏が志位共産党委員長に「教育無償化のための憲法改正に反対か」と質問した。これに志位氏は「教育無償化のために憲法改正は必要ない」「高等教育・高校教育を無償化することは必要だ」「しかし現行憲法でできないことではない」と回答した。
 これに松井氏は「志位さんは教育無償化は反対だということがはっきり分かりました」と攻撃をした。
 志位氏は「そんなこといってないでしょう。憲法を変えなければできないということではないといってるんですよ」と反論した。

 松井氏の特異な決めつけにはびっくりするが、これは新手の憲法改正論、憲法改正に人を引きずり込むためのものだ。

 憲法26条は「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」と定めている。子どもに教育をうけさせる義務を負うのは、まずは親である。同時にひとしく教育を受ける権利が社会権であるがゆえに、国は教育制度を維持し、教育条件を整備する義務を負う。この点で、後期中等教育とりわけ高等教育への教育条件は整えるどころか、新自由主義的自己責任による教育投資ととらえるのが国のやり方だ。だから、国立も私学並みの学費になっている。奨学金はいまや住宅ローンより高い教育ローンとなっている。学生相手の金融会社だ。大学を出るときに400万円も、もし大学院までなら1000万円も背負って社会に出るなど、借金奴隷そのものだ。債務奴隷だ。古代ギリシア・ローマの奴隷制度をほうふつとさせる。共産党は前から、大学の学費半減、給付制奨学金を提唱しているが、喫緊の課題だ。
 ところで維新は、憲法改正のため、3分の2の与党勢力に加わると前から宣言している。だが本丸の9条では反発を受けるから、公明党などは環境権などの加憲をいってきたが、ここに新手の改憲論が出てきた。教育無償化の改憲論だ。憲法改悪の階段を低くしようというのだ。
 だが、志位さんがいったように、なにも憲法を変えなくても、法を整備してやればいいことだ。たしかに26条の2項は「義務教育は、これを無償とする」と定めている。だが義務教育以外の教育を無償とすることを妨げるものではない。1項を生かして、能力に応じて、等しく高等教育を受ける権利を保障するための法を整備すればいいのだ。憲法に環境権の規定がないけれど、憲法13条の幸福追求権を援用して、環境権は学説的には通説となっている。同じように教育無償化も、憲法13条を援用してその権利を補強すればいいのだ。改憲は必要ない。すぐに奨学金あたりから、法整備に入るべきだ。新自由主義的自己責任から決別すべきだ。 













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