山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

吉村・松井の「イソジン研究」政治パフォーマンスに異議

2020年08月05日 12時28分21秒 | Weblog
 8月4日、大阪の吉村・松井コンビが、イソジンなどのうがい薬でコロナの陽性率が減少したと「研究」成果をにぎにぎしく発表した。
 ポピドンヨードを含んだうがい液で1日4回うがいした人の唾液のPCR検査をしたところ、4日目で陽性率は9・5%に減った。うがいをしなかった人は40・0%に減ったという。府立のはびきの医療センターの松山晃文センター長らが宿泊療養している軽症・無症状の患者41人を半分に分けて行った研究だ。
 すでに研究者が論評しているが、やはり疑問がある。一番は、研究の発表の仕方だ。医学研究発表が、なんで維新府・市長の政治パフォーマンスとしてやられなければならないのか。まず、論文にまとめてしかるべきところに発表する、その際事前に査読を受ける。
 うがいをしなくても40%に減ったというのにわたしはおどろいた。イソジンでさらに減った。では、普通に水でうがいをしたらどの程度減るのか。研究者がすでに指摘しているが、研究というなら、うがい液でうがいした人としなかった人の比較ではなく、うがい液と水うがいとの比較をしなければ研究として成り立たないのではないか。松山氏らは、もう少し研究方法を吟味して慎重にすすめるべきだったのではないか。吉村氏らにあおられて、功を焦りすぎたのではないかと思う。調査対象も大幅に増やして、もういちど腰を据えてやってほしいものだ。
 次に、医学研究を政治ショーのように仕立てた吉村氏らのやり方にはへきえきする。本来なら論文で松山氏らが発表すべきものを、テレビを呼び込んで、イソジンはじめうがい液をずらっとならべてテレビのショーとして仕立てた。案の定、うがい液はすぐに薬店薬局から消えた。転売目的もある。株式市場が開いているときに記者会見をやったために、すぐに影響が出た。少なくとも市場が閉じたあと会見すべきだ。じつに非常識だ。つながりのある人たちがインサイダー取引に走っていないか、検証する必要がある。
 効果が薄い場合の責任について記者に問われた吉村氏は、「僕が責任を取るのは研究結果」と答えた。研究結果の責任は当該研究者にある。なにを勘違いしているのだ。人の研究を横取りするような発言だ。吉村氏がとるべきは政治責任だ。このような政治ショーに仕立てたことからくる政治責任だ。
 5月5日の旧「大阪モデル」にはじまって、7月3日の新「大阪モデル」そして8月4日「うがい液発表ショー」だ。国が何の基準も持たない中での旧大阪モデルは意味があった。しかし新大阪モデルはとにかく信号がともりにくくする、大阪市廃止住民投票を実施するために絶対に赤信号は出ないものに改変した。感染拡大をくい止めるための信号が、住民投票への道を清めるためのものにすり替わった。そしてうがい液だ。これで吉村、くわえて松井市長も同席させて(府立病院だから関係ないのに)、住民投票への足場を固めようとの魂胆だ。
 テレビももう少し、ジャーナリズム精神をもってほしい。あいかわらず吉村持ち上げだ。新大阪モデルの政治臭ふんぷんのいかがわしさは公然と掘り下げるべきだ。アベノマスクの疑惑を掘りだしたように、GOTOキャンペーンの腐敗を暴いたように。
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