山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

「世紀の珍論!」参加者個々人がホテルと契約した!それならホテルが会費の集金すべき

2020年02月06日 09時29分24秒 | Weblog
 安倍首相のごまかし答弁がいよいよ行き詰まってきた。そのひとつは、ホテル夕食会の契約と集金の問題だ。
 本来、政治資金収支報告書に記載すべきなのに、記載がないのを取り繕うためにウソにウソを重ねてきた結果だ。もともと、夕食会の収入と支出が同額なので安倍後援会として収支が発生していないから政治資金収支報告書に記載しなかった、したがって違法ではないと答弁してきた。ところが安倍氏はこれでは論拠不足と見て、ホテルと契約を交わしたのが後援会ではなく参加した800人の個人だという珍論で補強してきた。後援会であれ、同窓会であれ、結婚式であれ、参加者個人が会場と個別契約をして会費を払うなどということが、この日本であるだろうか。初めて聞いた珍論だ。
 首相は、「ホテル側立ち合いのもと、事務所職員が集金し、ホテル側に渡した。主催の後援会の収支は一切ない」と述べている。ホテルが個別に契約したのなら、ホテルが直接集金すべきだ。当たり前だ。ホテルの業務を安倍事務所が代行したことになる。安倍事務所が集金したということは、個別契約ではないことの証明だ。
 さらに、そもそも800人から集金したということ自体に、わたしは疑問をもっている。集金していないのではないかと。しかし桜旅行の「募集案内」には5000円集めますとあるから集めたのだろう。だが領収書の現物は国会に提出していないし、下関市でも見つかっていない。個々人の名前を書いた領収書を渡したというのだが、その場で書くのか、あらかじめ書かれたものを渡したのか。どちらにせよ、800人がほぼ同時刻に来るから大混雑だ。800人だと名簿をチェックするだけでも大変だ。金のやりとりとなると、数人の事務所職員では絶対無理だ。10人以上が受付に並んで作業しないとさばききれない。金のやりとりをすれば、ホテル名義(安倍答弁)か、後援会名義かの領収書は必ずある。だが、下関市では見つかっていない。一枚くらい提供があってもいいと思うが。
 安倍事務所はホテルとの仲介をした、5000円の価格設定もホテルと事務所で合意したと安倍氏は述べている。事務所は仲介をしただけで契約は結んでいない、あくまでも個々人だというが、民法の専門家は、合意をもって契約が成立したというのが民法だと明確に述べている。同窓会のお世話をする一般人の常識もそのとおりだ。参加者個々人が契約したというのは成り立たない。
 立憲民主党の黒岩氏が、ホテルの規約を示して、実際の参加者が減った場合も予約人数分の支払いをする義務があることを指摘した。これは常識だ。800人もいれば、体調が悪くなって欠席する人は必ず出る。その場合、だれが負担するのか。黒岩氏は問うたが、安倍氏は「取り決めは特段行われなかった」と述べた。個人か、後援会か、事務所か、はたまたホテルか(ありえないが)。いや、立食式だから、600人分注文して、実際には800人入場させるという技は不可能ではない。この方式をもしとったとしたら、個人契約論は吹き飛ぶし、収支が同額だったという論も吹き飛んでしまう。
 政治資金規正法にのっとって記載すべきものを法を踏みにじって不記載にしたそ違法行為が問題なのだ。屁理屈の先の細いトンネルを安倍首相は膝を擦りながら進もうとしているが、あまりに哀れな姿だ。
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