山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

公明党、都構想で橋下維新と裏取引。背後に首相官邸の陰謀

2014年12月26日 23時05分16秒 | Weblog
 とんでもない展開になった。大阪都構想をめぐる動きだ。死んで存在がなくなった都構想が公明党本部の指示で息をふきかえすのだ。
 ここ2日間の報道(朝日、毎日)によると、まず、菅官房長官から創価学会幹部に対し、公明党に関係修復を求めるよう働きかけがあった。
 これをうけて、12月24日、公明都本部の幹部(北側一雄副代表)が大阪選出の国会議員と東京永田町で会談し、都構想の住民投票実施に賛成するよう指示した。その理由が、衆院選で府内最多の114万票を得た維新を敵に回したまま統一地方選挙に臨むのは適切でないというのだ。維新に現れた民意を無視できないというのだが、7割近い府民の反維新の民意の方が圧倒的におおきい。小選挙区では維新はさっぱりだった。どう考えてもこの理由には無理がある。
 25日夜に、大阪市内で公明党府本部代表佐藤茂樹衆院議員、府・市議団幹部が、橋下・松井氏と会談し上記方針を伝えた。
 26日、大阪市西区の公明党府本部に大阪府議、大阪市議、堺市議が集まった。だが府本部代表の佐藤氏は欠席。会では、方針撤回を求める声が相次いだ。
 現場の多くの公明党大阪府議・大阪市議らはおさまらないだろう。なにしろ総選挙後の19日、維新以外の会派が、大阪市議会で市長専決を封じるため9月議会を来年2月12日まで55日延長することを議決し、府議会では都構想を決めた法定協議会の会長(維新)を外す議決をした。そのうえに、公明・自民・民主・共産4会派は共同記者会見を開き、維新がやろうとするプレ住民投票の署名運動に対し、議会で否決された都構想は無効で、いくら署名をあつめても住民投票はできないという共同見解を発表した。この見解は公明党の意見に沿ったものだった。
 そこに首相官邸、公明党本部からの圧力で方針の急変更となった。だれがみてもおかしい。なっとくできるものはなにもない。橋下氏らが総選挙で立候補するとわめいたあげく、公明党の候補者の選挙区には前回選挙と同じく立てなかった。これへのお返しというのが、こんどの方針押しつけだ。総選挙まえから、密約、裏取引があったのか。
 わたしが注目するのは、首相官邸が動いたことだ。安倍首相、菅官房長官は大阪の自民党の頭越しに、都構想に賛成だとかねてからいっていた。維新は次世代の党とともに憲法改悪の際にもっとも信頼できる勢力だ。だが一番の頼みの次世代の党が、19から2議席に激減、壊滅した。この4年間に改憲をするとなると維新の勢力を大事にしなければならない。だが、大阪で都構想がつぶれると、橋下氏は政治から手を引き芸能界に戻る可能性が大きくなる。そうなると改憲構想にさらに狂いが生じる。そうしてはならないというのが、安倍首相、首相官邸の考えだろう。そこで創価学会に圧力をかけたということだ。
 ことは公明党と維新の間の問題というより、もっと大きい政治的背景をもった陰謀だととらえたほうがいい。
コメント (9)
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