山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

エジプト展に行ってきました

2010年03月21日 23時15分15秒 | Weblog
 20日は土曜日ですが出勤日だった。午後は休みを取って、この日から神戸市立博物館で始まった「トリノ・エジプト展」を見に行った。まあ、仕事上、欠かせない勉強だ。
 ミイラや彩色の木棺、「死者の書」など120点が展示されている大規模なもので、すごいのひとことにつきる。トリノ博物館は、ナポレオンのエジプト遠征に従軍した人のコレクションを中心に構成されている博物館ということだ。
 注目の「アメン神とツタンカーメン王の像」は、ツタンカーメンがアメン神より小さく作られており、アメンへの忠誠をあらわしていることがよく示されていた。この像をはじめ石碑も石灰岩で、白く艶やかな肌合いにびっくりした。今から3300年ほど前のものだ。
 長さ3mのも「死者の書」も圧巻であった。最も有名なところは「私は赤ん坊のミルクを奪ったことはありません」「私は天秤の分銅をごまかしたことはありません」などと生前に罪を犯していないことを主張する。死後の裁判で罰せられないための弁明だ。パピルスに書かれている。20年余り前に買ったパピルスよりも、また会場売店で売っていたパピルスよりも、死者の書の縦横に重ねられた一本一本の古代パピルスの幅が狭いことがわかった。ちなみにパピルス草は大阪の花博公園の温室に植わっている。
 棺はほとんどが木造だった。箱型よりも人型の棺が多かった。いずれも分厚い木で作られていた。7、8センチはあるだろう。今の日本の棺も、なかなか立派だと思っていたが、板の分厚さでは勝負にならない。来世で復活するためにはきわめて頑丈な棺でないとダメなわけだ。人型のものだと中蓋、外蓋とも極彩色ですばらしいつくりだ。
 その中に入れるのがミイラだ。30年あまり前、世界史を教え始めた時、ミイラの作り方のプリントをつくったことを思い出す。幼児と大人のミイラが展示されていた。本物のミイラを間近で見るのは初めてだ。ミイラをくるんでいる3000年近く前の亜麻布は確かに古いが、朽ちてぼろぼろではない。感動ものだ。
 展示品の多くは3000年ほど前の新王国時代のもので一部は後のプトレマイオス朝時代のものもある。圧倒的な存在感だ。見学をおすすめする。
 入館料1500円。説明イヤホン500円。図録2300円。しめて4300円だった。本来ならこんなものはすべて出張で行かせるべきだと思うのだが、出張どころか研修にさえもしないご時勢だ。
 京都文化博物館でやっている「チュニジア世界遺産 古代カルタゴとローマ展」も行かなければならない。4月4日までだ。頼まれた宿題を1週間前に提出したので心が軽くなった。必ず行こう。
コメント
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