朝日新聞(09・5・12)によると、5月11日、京都大、大阪大、神戸大が関西経済連合会に加入した。国立大では初めてのことだという。私立大では慶応大、早稲田大、関西大、関西学院大など11学校法人が関経連の会員になっている。
04年に国立大学が独立行政法人化されて以降、ついにこんなことをやるようになったかと、私はあきれている。国からの運営交付金は毎年1%ずつ減らされている。そのなかで、人文・社会科学・基礎科学などが冷遇され、産業界と結びつく分野への重点化がすすんでいる。ノーベル賞受賞者もこれに警鐘乱打している。
京大などはみずからを大企業として位置づけ、経営者団体に加入するにいたった。加入すれば経済界との結びつきがよりつよまり、企業としての格があがると考えるのだろう。産学連携どころが、産学合体の段階に入った。
教育・研究の論理の衰退、企業利益や経済の論理の浸透がここまできたとの感を強くする。教育・研究の論理とは、真理の探究を最高目標にすることであり、利益とは結びつかない人文・社会科学や純粋科学・基礎科学を重視してきた。すくなくとも1970年代前半までの研究の成果が今度の日本生まれのノーベル賞受賞者4名という成果に結びついた。だが、1990年代以降、日本の大学は文部省の指示のもと、財界との結びつきをより強め、応用科学に特化するように大転換をしている。
戦時中までの抑圧の時代をぬけでて、学問の自由のもと、国家のための学問、道具としての学問から解放されて、真理探究に邁進し、大きな成果を挙げてきた。だがその道はねじまげられ、ついに大学が経済団体として自己規定するに至った。
大学の新自由主義的経営、教員の目標管理、評価、大学自体の国による評価は、短期の目標を追い求めるように研究の萎縮をもたらしている。論文をそんなに書かなかった益川さんなんかは今の時代なら排除される。
やがて道州制導入とともに、経営者団体の会員である主な国立大学は州立大学に移管され、弱小国立大学は廃止される。そんなことが透けて見える。
04年に国立大学が独立行政法人化されて以降、ついにこんなことをやるようになったかと、私はあきれている。国からの運営交付金は毎年1%ずつ減らされている。そのなかで、人文・社会科学・基礎科学などが冷遇され、産業界と結びつく分野への重点化がすすんでいる。ノーベル賞受賞者もこれに警鐘乱打している。
京大などはみずからを大企業として位置づけ、経営者団体に加入するにいたった。加入すれば経済界との結びつきがよりつよまり、企業としての格があがると考えるのだろう。産学連携どころが、産学合体の段階に入った。
教育・研究の論理の衰退、企業利益や経済の論理の浸透がここまできたとの感を強くする。教育・研究の論理とは、真理の探究を最高目標にすることであり、利益とは結びつかない人文・社会科学や純粋科学・基礎科学を重視してきた。すくなくとも1970年代前半までの研究の成果が今度の日本生まれのノーベル賞受賞者4名という成果に結びついた。だが、1990年代以降、日本の大学は文部省の指示のもと、財界との結びつきをより強め、応用科学に特化するように大転換をしている。
戦時中までの抑圧の時代をぬけでて、学問の自由のもと、国家のための学問、道具としての学問から解放されて、真理探究に邁進し、大きな成果を挙げてきた。だがその道はねじまげられ、ついに大学が経済団体として自己規定するに至った。
大学の新自由主義的経営、教員の目標管理、評価、大学自体の国による評価は、短期の目標を追い求めるように研究の萎縮をもたらしている。論文をそんなに書かなかった益川さんなんかは今の時代なら排除される。
やがて道州制導入とともに、経営者団体の会員である主な国立大学は州立大学に移管され、弱小国立大学は廃止される。そんなことが透けて見える。