ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

『パッチギ! LOVE&PEACE』

2007-06-03 00:50:36 | 映画
2005年の映画賞を総ナメだったにも関わらず、日本アカデミー賞では『ALWAYS 三丁目の夕日』に全て持っていかれた『パッチギ!』の続編。

前作から6年後の1974年の東京が舞台。アンソンの息子も小学生になったのだが、相変わらずアンソンは、ケンカに巻き込まれて大乱闘。朝鮮高校と大学の応援団とのケンカだから、因縁めいたモノがあるんだろうけど、もうこれが馬鹿馬鹿しくて笑っちゃう。

お、パッチギが戻ってきたと思ったのもつかの間、なんだかその先は、寅さん風の人情物語になっちゃった。前作の濃い空気感みたいなものが、薄まってしまった(時代の変化という説明も出来るとは思うけど)。そして、在日という哀しみが、息子の病気という悲しみに凌駕されてしまって、これだったら普通の情話だよね、って言われてしまうかも。

キャストに関しては、脇の方々は各々のポジションを分かっていて良かった。ワンシーンしか出ない人が多くて、もっと見たかったなあ。アンソン、キョンジャ兄妹は、前作から一新。沢尻があんな状態(ヘイポー氏の言葉を借りるなら「とんでもないおサセがやってきた」だな)なので、これは正解。中村ゆりは自身が在日だということを背負っての出演。映画プロデューサー役のラサール石井を、キッと睨むところが良かったです。

空気感が薄まったとはいえ、エンターテインメント映画として面白い。イーストウッドの硫黄島二部作にも劣らない戦争シーンあり、芸能人水泳大会あり、密輸密航あり、乱闘あり、ラブシーンあり、何でもかんでも詰め込みすぎだって批判もあった。そこまで大盛りだったのに、何かが、もの足りない。 それって欲張り?

ま、帰国したアンソン親子を描いた次作『男はつらいよ アンソンあじさいの恋』を楽しみにしよう(笑)。