ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

『ロード・オブ・ウォー』

2006-01-12 23:55:50 | 映画
シネフロントにて。

世界で暗躍する武器商人の証言を元に作られた映画。出だしは、一発の弾丸の製造から一人の人間を殺すまでの「一生」が、弾から見た主観的な映像。いろんな人の手に渡る。どんどん、北朝鮮やアフリカの貧しい国へ武器が流れていく様子がこれだけでも分かる。

いまにも泣き出しそうな顔のニコラス・ケイジ演ずるユーリーは、ある日、たった一丁の拳銃を転売したところから、世界的な武器商人としての人生を歩き出す。もちろん、闇商売だから国際手配されている。だから、CIAに追われアフリカのどこかの道路に不時着したときなんかは、証拠隠滅するために、現地の人々に武器や弾丸「プレゼント」してしまう。失敗をしつつも、超有名モデルを、稼いだ金を使った「演出」で落とそうと躍起なったり。

そんな滑稽な状況も挟んではいるけれど、そうやって手に入れた奥さんにも自分の職業をひた隠しにしながら、交渉に飛び回っている。本末転倒で悲惨。

といっても、もっと悲惨なのは、銃を手に入れてしまった国の人々。消費されるかの如く、人間が死んでゆく。娼婦がエイズのことを「明日死ぬかもしれないのに、10年先に死ぬかもしれないような病気なんて怖くないわ」と言っていた言葉が胸に刺さる。

「武器」という名の、先進国と発展途上国との切っても切れない縁を結んでいる彼は、仕事を辞めることが出来ない。そこに問題の根深さがある。