吉敷(よしき)川だより

山口盆地を小さく貫く吉敷川、そのほとりに住まい、キノコや花を求め、山野を彷徨っています。移ろいゆく自然に心を重ねながら。

ハタケキノコ

2014-03-31 | Weblog
 家に落ち着くこともできず、花見がてら、徳地の森へ出かける。
 市内の桜はもうどこも満開であった。

 見わせば柳桜をこきまぜて都ぞ春の錦なりける 

 春の錦という言葉を新しく発見した素性法師の歌。
 そうしてわが里はまさに春の錦であった。
 街路樹のケヤキも小さな可愛い葉を展開し、日に照り映えている。

 大原湖の水は青く、水面から枝を広げたような柳の群落は、緑の葉を展開し始めていた。対岸には、けぶるようにソメイヨシノが7~8分咲きで、その景観はなかなかである。

 森をあちこち歩き、きのこを探す。山道いっぱいに、倒れた木の枝などが溢れていて、行く手を阻まれ、その先までは行けなかった。

     「今日の写真」
     
     大原湖の景観 国道489号線沿いの桜は満開で、対岸はまだ7~8分咲きのようだ。柳の葉がもう少し開き、桜も満開は1~2日くらいか?
       
       アクニオイタケ Mycena stipata カサ径2cm前後。針葉樹の倒木に出ていた。
       
       キチャホウライタケ Xeromphalina cauticinalis カサ径1~2cm。
     
     ハコネコノメソウ この1本だけ咲いていた。
       
       ニセクリイロチャワンタケ Peziza phyllogena 多分、毎年、今頃苔の斜面に生える。胞子の成熟を待ちたい。
     
     タマゴケ 自然は驚きがいっぱい。
       
       フクロシトネタケ Discina perlata 椀形5cm。見ればつい撮ってしまう。これくらいでもまだ胞子は熟していない。
     
     ハタケキノコ Agrocybepediades カサ径2.3cm。家に帰って庭で草取りをしていたら、ツツジの樹下に出ていた。
       
       同上 ヒダ、柄の様子。柄の基部はややふくらむ。
コメント (2)

コツブオオワカフサタケ

2014-03-30 | Weblog
 昨夜から降り続く雨は朝方弱くなり、やがて時折薄陽も差す。
 ちょっと遠出をと家を出たが、すぐに小雨が降り、振り向けば鳳翩山のあたりも、雨雲が覆っていて暗くなっている。

 遠くに出るのを断念し、市内の公園を歩く。小雨の中、傘を差して、何種かのきのこを写す。
 巡る季節に、律儀なきのこは変わらず今年も姿を現す。

 カラムラサキハツはたくさん見られた。また毎年同じあたりに生えるコツブオオワカフサタケ、さらにテングノメシガイ属、シイタケ、フクロシトネタケ、トガリアミガサタケ、ケコガサタケ属、クヌギタケ属、ツバキキンカクチャワンタケ、キボリニア・グラキリペスなどを見る。

       「今日の写真」
       
       コツブオオワカフサタケ Hebeloma crustuliniforme ver. microspermum カサ径4.7cm。早春と秋に生える。胞子は微イボ状で楕円
       形。8.3×4.5μm。
       
       同上 ヒダと柄の様子。
     
     カラムラサキハツ Russula omiensis カサ径4cmほど。他にもたくさん生えていたが、それらはみなカサの色が薄いものばかりであった。
     ヒダも柄も透明感がある。
       
       フクロシトネタケ Discina perlata 椀の径3cmばかり、胞子の生長には時間がかかる。
     
     フタイロニセフウセンタケ Cortinarius saturninus カサ径4cm弱。早春によく見られる。胞子は微イボ状で楕円形8.3×5μm。
コメント

シロヌメリガサ

2014-03-29 | Weblog
 雨は午後からのようで、朝は薄陽が差す。思い立って午前中、秋吉台へ向かう。
 いつものコースを少し歩いて、やっとオオセミタケを見つける。さらに場所を移動し、久しぶりの石灰岩が露出した山道を歩く。

 コナラやクヌギの落ち葉が堆積した山道に、落ち葉に埋まるように白いきのこがちらりと姿を見せる。
 落ち葉をかき分けて、よく見れば、カサに強い粘性があり、柄にも粘性がある。見たこともないきのこだが、やや離れたところにも5~6本生えていた。それらをカメラに収め車へ帰る。

 すると待っていたかのように小雨が降り出し、そのまま山口へ車を走らせる。

 我が家を素通りして、サクラの名所「一の坂川」を国道9号線から一瞥すれば、既にサクラは満開であった。

 咲き溢れる花を見れば、見る者の心も満たされる。しばらくは豊かな気持ちでいられる。

 ここ数日1.0TBのハードディスクの調子がおかしく、ついに立ち上がらなくなっていた。ハードディスクがいかれたかと思い、家電量販店に出かけ、2.0TBのハードディスクをもとめる。
 日頃は客も少ない店舗も、溢れるような人、人であった。

 帰って、パソコンに新しいハードディスクを取り付けたが、起動しない。別のUSBにつないだら、やっと認識した。ということはハードディスクの故障ではなく、パソコンのUSB接続部分が一つ故障しているということになる、やれやれ。

 雨は大分強く降っているようで、このまま明日も午前中は降りそうだ。そのあとはしばらく花の野を徘徊する楽しみがある。
     「今日の写真」
     
     オオセミタケ Ophiocordyceps heteropoda 頭部径7mmほど。たくさん出るのだが、この時期にはさすがにまだ少ない。
          
          ホコリタケ Lycoperdon perlatum 頭部径3cmほど。
       
       不明種 カサ径2.2cm。
       
       同上 ヒダは垂生、柄は下部が細く中空で、基部には根性菌糸束がいちじるしい。
     
     シロヌメリガサ Hygrophorus eburneus カサ径3.5cm、柄の長さ5cmカサには強い粘性、柄にも少しヌメリがある。山口では初めて見る種である。
       
       同上 別菌 本種は夏~秋にブナ帯に出るようだが、これは標高200mくらいのコナラやクヌギなどが見られる山道に出ていた。
     
     同上 ヒダは垂生で、やや疎。柄の頂部には麟片顕著、中ほどが少しふくらみ、基部は尖る。
     
     同上 カサ径1.5cmほどの幼菌。ヒダはまだ直生で、成長して垂生になるようだ。
コメント

ツクシ誰の子

2014-03-28 | Weblog
 午前中は溜まっていた家事をこなし、午後鴻ノ峰を一人で歩く。

 木戸神社のサクラは5、6分咲きで、気の早い花見客がシートを広げて花見弁当を堪能していた。

 小さな池の黒鯉はまるまるしていて勢いがいい。わたしの撒くパンくずに旺盛な食欲を見せる。その姿が面白いのか、花見に飽いた子ども達が寄ってくる。

 スズシロソウが可憐に大地を白く染めている。草むらに三人の婦人が、しきりになにか摘んでいる。はじめは、ツクシ摘みかなと思ったが、よく見れば手にヨモギが見える。

 この鴻ノ峰林道も午後からは頂上を目指す人もいないようである。わたしは口笛を吹きながら眼は地上のきのこをサーチしつつ、坂道を上る。

 カラムラサキハツ、フウセンタケ類、カシタケなどを見るが、いじけていて写真を撮る意欲は湧かない。
 午前中の雑用で歩いた歩数とあわせて、11000歩ばかりを歩いた。

 明日は雨模様で野を歩きたい欲望はひとまず収まりそう。
 以前から探していた本を、今日7冊ほど見つけることができ、胸が弾んでいる。明日は読書を楽しみたい。
 雨よ心おきなく降っておくれ。
         「今日の写真」
         
         スズシロソウ 群生していた。
       
       ツクシ 群生していた。ツクシを探し求め、これを摘んであっさりと煮た煮浸しの味が懐かしい。
       
       ギンリョウソウ 垂直の斜面に出ていた。
         
         テングノメシガイ属か 柄にはおびただしい麟片がある。
コメント

キクラゲ

2014-03-27 | Weblog
 朝早く、吉敷川沿いのサクラの様子を見に出かける。清流橋から下では二分咲き、蛍見橋から上のサクラは、まだほころび始めたばかりである。

 日の色は春の盛りを思わせ、サクラの咲き競うさまが脳内ではじけ、気分は高揚する。
 9時過ぎに二人で家を出て、まず秋吉台を歩く。2時間ばかり歩いたが、ウメムラセミタケもオオゼミタケもまだ見られない。
 次に萩へ向かう。

 海辺の森を歩いた。3~4年続けて見ていたアミヒラタケは、今年は倒木が朽ちてまるで見られない。
 大きなイチョウの木の根元に、巨大なトガリアミガサタケが生えていた。写真に撮り、その場で二つに割り、中にムカデが入っていないことを確認して、20数本採取した。しかし、1本だけ小さなムカデが入っていた。今日はこの他にキクラゲ、アラゲキクラゲ、シイタケを採取する。

 帰りにもう一箇所寄ろうとして、ガソリンが残り少ないのに気づく。山口~萩間にはガソリンスタンドが以前は三つあったが、今はもうまるでなく、寄り道はせず、一路山口をめざす。
       「今日の写真」
       
       シロニカワタケ Tremella pulvinaris 長径5cmほど。雨が降れば元気になるようだ。
         
         ハイムラサキフウセンタケ Cortinarius azureus カサ径2cmちょっと。
       
       アカヤマタケ属 Hygrocybe sp. カサ径1.2cmほど。幼菌は深紅だが、成長すると橙色を帯びる。
       
       キクラゲ Auricularia auricular-judae カサの径4~5cm。雨でしっかり膨張していた。陽が当たらないので色が淡い。
       
       トガリアミガサタケ Morchella conica 高さは12cm、柄は最も太いところで5cm。
       
       同上 別菌。今までは茹でて冷凍していたが、今回から、きれいに洗って、乾燥保存をすることにした。茹でると旨味が消えて、
       誰もおいしいと言わない。
コメント

明日は野に出よう

2014-03-26 | Weblog
 
 土屋文明が編集した『子規歌集』には「菌狩」として六首の歌が詠まれている。

 紅(くれない)の裾をうばらに引かれつつ都をとめの木の子かるらん
 奥山にさびしく立てるくれなゐの木の子は人の命とるとふ
 茱萸(ぐみ)の実のとをを(たわわか?)の一枝(ひとえ)かざしもち蕈狩(たけが)りの人山下る見ゆ
 いただきにあやしき神を祭りけり蕈(たけ)かりすさみ山深く来ぬ
 誰(た)が叫ぶ声の木玉(こだま)に鳥鳴きて奥山さびし木の子狩る頃
 浅山のいくち紅蕈(べにたけ)踏みわけて黒子(くろこ)の木の子とるもうれしく

 明治三十一年、子規が31歳の時の歌である。彼はもうその時は既に病床にあった。この歌の一群は、若き日の思い出か、伝聞なのであろうか。

 芭蕉も蕪村も菅茶山も室生犀星も萩原朔太郎も三好達治も堀口大学も立原道造も牧水も啄木も好き、子規や中原中也も大好き、飯田龍太やランドセルの俳人小林凜の俳句も大好き。
 そして、一等好きなのはナルちゃん。

 いよいよサクラの季節を迎える。古来我が国の詩人達の第一の役目は季節をたたえることであったと、長谷川櫂はいう。
 その新しき、たたえるべき季節がしっとりとした雨の向こうにやってくる。明日は野に出よう。
コメント

この春を生きる

2014-03-25 | Weblog
 一週間滞在したナルちゃんは、今日帰っていった。日々、知性の目覚めも目を見張るものがある。
 もはや我が家には聖域はなく、ナルちゃんが行きたいところには、みな行ける。ちょっと目を離した隙に、一人で二階へあがる。あわてて誰かが追っかける。
 また、私のパソコンの椅子に座り、マウスを操作しているのには閉口する。

 いままでは開けなかった机の引き出しを開けて、中のものを引っ張り出す。もう油断も隙もないのであった。

 彼はまだ口で言うより手の方が早いという感じで、わたしにしてもらいたいことがあると、憂愁な顔でとことこと近寄ってきて、両手を引っ張りに来る。こっちさこという感じである。

 そこで、誰に用事があるの?ちゃんと「じいじ」と言いなさいと催促すると、「じいじ、おっ」と言う。「じいじおいで」を一部省略している。

 あるいは、庭で草取りをしていると、小さな蟻がはっているのを見つけ、彼はすかさず「なんだ」と大声で呼ばわる。ダンゴムシにも興味津々で、わたしを喜ばせる。

 待ち遠しいが、彼と豊かな会話ができるには、なおしばらく時間がかかりそうである。


 いよいよ明日から自由時間だが、明日は雨になりそう、結構強く降りそうで、うれしい。
 これから4月の上旬に向けて是非見つけたいきのこがあり、気分は高まる。

 庭のベニバナミツマタは満開で、まだ樹高が60cmほど、より生長させるためには、根元の乾きをふせぐこと。これがこの木の最大のポイントのようだ。
 さらにベニバナエゴノキの蕾もふくらんできた。

 山口県もサクラの開花が宣言された。これから1週間から10日後が満開ということであろう。

 この爛漫の春を生きる、ただそれだけでいい。
コメント

キボリニア・グラキリペス

2014-03-24 | Weblog
 気にかかる鳳翩山の麓を歩いてみる。ミイノモミウラモドキやフユノコガサ、それにコナエカレバタケなどが見られたが、新しいきのこは何も見られず、引き返して市内の公園を歩く。

 ハクモクレンの樹下にたくさん子囊菌が出ていた。近似種も多く昨日見た種と胞子を見る限りではなかなか区別がつかない。


 気がつけば、ナルちゃんはいつの間にか、食卓の上に頭一つ出るように成長している。
 ほんの少し前までは、食卓に手が触れるだけだったのだが・・・。

 ほんとうに時間というものはすばらしい。そうして何気ない暮らしの内に時間は経つ。
 新しい時への期待もあるが、老いていく者には酷薄な現実である。時を重ねて行くわが身を思う。
       「今日の写真」
       
       キボリニア・グラキリペス Ciborinia gracilipes ハクモクレンの樹下にたくさん出ていた。椀の径は7mmほど。胞子は楕円形で10×5μm
       ほど。なお側にはツバキの木があり、その樹下にはツバキキンカクチャワンタケがたくさん出ていた。
コメント

キンカクキン類

2014-03-23 | Weblog
 午前中、ナルちゃんと庭に出て遊ぶ。わたしは草取り、彼は砂遊びと歌壇の縁石の上に、小さな丸っこい石を並べる作業を行う。

 はじめちょっと見本を見せて、細長い花崗岩の縁石の上に、丸い石を並べさせたが、自分で適当に見つけては、縁石の上に並べる。
 真剣に石を並べる姿は、今までにない姿で、頼もしい限りである。

 午後は一人近郊の森を歩き、さらに何カ所か寄り道をする。 少ないながらも、早春に見られるイッポンシメジ類や菌核チャワンタケの仲間を見る。トガリアミガサタケなども見て、帰途につく。

 春はもうぐいと手元に引き寄せられた感じである。
          「今日の写真」
          
          イッポンシメジ属 Entoloma sp.  カサ径1.5cm。コキイロウラベニタケではと思ったが、胞子は広楕円形多角体で、7.5×6.7μ㎜。
          
          キンカクキン類 ヒサカキの下で見る。カサ径8mmほど。
            
            同上 別の個体。
            
            同上 小さな菌核がついている。
                              
                              マムシグサ 20cm前後のものがたくさん出ていた。
            
            トガリアミガサタケ Morchella conica 高さは8cmほど。ここのものは既に老菌が多い。
          
          ツバキキンカクチャワンタケ Ciborinia camelliae 椀の径2cmほど。
コメント

ベニヤマタケ

2014-03-22 | Weblog
 広島のSさんと秋吉台を歩いた。まず、ベニヤマタケを探す。今年はやや遅れているようで、発生箇所は限られている。

 何とか小さな個体を写真に収め、次にオオセミタケの見られるあたりを歩いてみる。
 この場所では4月の中旬以降が盛期のオオセミタケだが、既に1月に発生したところもあり、念のため歩いてみた。
 結局見つからず、シイタケを写真に撮って、次にニリンソウの群生地に向かう。

 まだイチリンソウもニリンソウも、花の時期には早く、近くに出ていた、ヒメアジロガサモドキとキクラゲを写真に撮って山口に引き返す。

 最後に市内をちょっと歩き、トガリアミガサタケを撮って、正午過ぎには、彼は広島へ、わたしはナルちゃんの待つ我が家へと急ぐ。

 昼は大好きなざる蕎麦を食べて(これからざる蕎麦がおいしくなる)、ナルちゃんと一緒に遊び、遊びに飽いたら、次はビデオで「ドラえもん」を見て楽しむ。

 日々成長する柔らかい命の様子を直接見られるのはうれしい。
       「今日の写真」
       
       ベニヤマタケ Hygrocybe coccinea カサ径2cmほど。今年は発生が遅れている。カサはすぐに日焼けする。
         
         シイタケ Lentinula edodes カサ径大きいものは7cmちょっと。焼いて食べたがなかなかいい。
         
         ヒメアジロガサモドキ Galerina fasciculate 大きいものはカサ径6cm近いものがあった。
         
         キクラゲ Auricularia auricular-judae 椀の径4cmほど。
コメント