吉敷(よしき)川だより

山口盆地を小さく貫く吉敷川、そのほとりに住まい、キノコや花を求め、山野を彷徨っています。移ろいゆく自然に心を重ねながら。

オダワラノボリリュウ(神奈川キノコ会仮称)その2

2013-11-30 | Weblog
 秋吉台へ出かける。大分前からNさんに教えてもらっていた場所を訪ねてみた。多分この家ではと、郵便受けの名前を見ると書いてなくて、家も留守のようである。

 しかたなく近くの森を歩く。今日は暖かい方だが、それでも湿気の多い森にたたずむと冷えが長靴から這い上がる。

 わたしが写真を撮り終える間、相棒は駆け足で山道を行ったり来たりする。
 きのこの写真を何枚か撮って、帰る途中、折良く出会った地元の人に尋ねると、やはり最初に寄った家のようであった。在宅の折に再度訪ねたい。

 10月の末にオダワラノボリリュウ(神奈川キノコ会仮称)に出会ったが、今日覗いてみると、当初子囊盤の裏側を見せていたが、今はすっかり子実層を露出させて別種の趣である。肋脈らしきものが網の目のようになっていたが、それを反映して、子実層托はでこぼこであった。大きなものは高さ11cmあった。
     「今日の写真」
     
     オダワラノボリリュウ Helvella sp. 高さは11cm。子囊に8個の卵形の胞子があり、大きさは13.3~15×10~11μm。大きな油球が1つある。
       
       別菌 特徴のあるきのこは撮るのも楽しい。
  
  10月28日に撮ったもの。
          
          スエヒロタケ Schizophyllum commune タイや中国雲南省などではこのきのこを出汁に使うようで、おいしいらしい。
          だが一方免疫力の落ちた人の肺などに取り付き、肺真菌症を惹起する。
          
          アシボソノボリリュウタケ Helvella elastic 高さ6cmほど。
       
       フウセンタケ属① Cortinarius sp. カサ径3.5cmほど。カサ縁は色が淡い。若い菌は帯紫褐色、ヒダも初めは藤色。
       胞子は広楕円形で表面はとげ状、7.5×5.8μm。
     
     同上 若い別菌。 
     
     同上 若い時のヒダは藤色。
       
       フウセンタケ属② Cortinarius sp. 大きいものは径7cmほどになり、カサ中央には突起があり、柄の下部にはツバの痕
       があり、それから下は白色。胞子は広楕円形、粗面、8.3×5.8μm。
       
       同上 ヒダ、柄の様子。
       
       ヒメダイダイタケ Hygrocybe aurantia カサ径1cmちょっと。初冬と春を飾るきのこ。胞子は6×4μm。
       
       同上 ヒダは疎で、上生~垂生。
        
       ヌメリアカヌマベニタケ Cliphorus minutula カサ径1cmちょっと。カサにも柄にもいちじるしいヌメリがある。胞子は7.5×4μm。
       アカヤマタケ属からワカクサタケ属にトレードされたようだ。
       
       カレエダタケモドキ Clavulina rugosa 高さ3cmちょっと。発生の期間はとても長いようだ。胞子はほぼ球形で10.5μmほど。
            
            クリタケ Hypholoma lateritium カサ径6cm弱。他にもたくさん見られたが、概ね老菌であった。
          
          クヌギタケ属 Mycena sp. カサ径大きいものは4cm弱。
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トビチャニセフウセンタケ

2013-11-29 | Weblog
 妻は美容院、わたしはキツネノ嫁入りのような天気の中、フロントガラスに当たる雨の音を聞きながら市内へ出かける。

 花崗岩が風化した手入れのされていない、若いアカマツが育つ斜面を睨みながら歩く。いつもならシモコシが群生するのだが、今年はついに姿を見せずじまいである。が、トビチャニセフウセンタケは見られた。

 場所を変えて、Yさんに教えてもらった、タイサンボクの樹下の落ち葉を掻いてみたが、タマバリタケは見られない。
 諦めてもう一つの場所へ寄り、小さなきのこなどを写真に撮り、さて、タイサンボクの下へと移動しようとしたら、空はかき曇って雨が降り出した。車へ駆け込み、しばらく待ったが、諦めて帰途につく。

 我が家に着くころには薄陽が差してきた。
          「今日の写真」
          
          トビチャニセフウセンタケ Cortinarius fasciatus カサ径2~3cm。アカマツの樹下の苔の中に点々と見られた。
               
               同上 ヒダの様子。
                 
                 チャカイガラタケ Daedaleopsis tricolor カサ径5cm前後。
                 
                 ムササビタケ Psathylla piluliformis カサ径2~3cm。今が盛りのようだ。
     
     コブミノカヤタケ類似種 Lepista sp. カサ径3~4.5cm。胞子は長径が7μmほどあり、不明種である。
          
          同上 ヒダ、柄の様子。
               
               同上 切断の様子。柄は中空。
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ヒメカンムリタケ

2013-11-28 | Weblog
 ぐっと冷えて、県内ではあちこちで初雪を観測したようだ。

 妻の外出の送り迎えを済ませ、一人で市内へ出かける。里山はアカマツ・コナラが衰退し、縄文の原始の森シイ・カシ林へと帰っていく様相を見せているが、点在するいくばくかの落葉樹の黄葉が淡く日に映えている。

 いつもの公園を歩けば、いつの間にか、苔むした斜面に、ヒメカンムリタケが点々とあるいはかたまって生えていた。
 しゃがんで写真を撮れば冷気が足から膝へと這い上がる。腰には「貼るカイロ」を貼り付けているが、これからは欠かせない。

 秋は一足飛びで、いよいよ冬である。野外のきのこ探しも少し落ち着く。この長い冬の期間を利用して、もっとパワーアップしなければいけない。
 そしてあのめくるめく春に備えたい。
     「今日の写真」
     
     ヒメカンムリタケ Neolecta vitellina 高さ1cmほど。似た子囊菌にカベンタケモドキがあるが、これはやや緯度の高いところで見られるよう
     だ。カベンタケは担子菌であり区別できる。
       
       同上 高さ2cmほどの別菌。これからしばらく目を楽しませてくれる。
               
               シイタケ Lentinula edodes カサ径3cmばかりの幼菌。
          
          コキララタケ Coprinellus domesticus カサ径2cmほど。
               
               ハタケシメジ Lyophyllum decastes カサ径5cmほど。まだ、点々と見られた。
          
          コツブオオワカフサタケ Hebeloma crustuliniforme var.microspermum カサ径4cmほど。早春と晩秋に姿を見せるようだ。
               
               同上 ヒダ、柄の様子。胞子は「北陸のきのこ図鑑」の範囲。
     
     フウセンタケ属 Cortinarius sp. カサ径4cmほど。カサ・柄にいちじるしい粘性がある。胞子は楕円形で微イボに覆われ、12.5×7.5μm。
     ツバアブラシメジにきわめて近い種なのではないだろうか。近くにはアラカシやウバメガシなどの植生があった。
          
          同上 ヒダ、柄そして蜘蛛の巣膜の様子。コルチナにも粘性があるように見える。柄は基部が細る。
       
       シロヒメホウキタケ類 胞子が確認できなかった。
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母さん、ありがとう

2013-11-27 | Weblog
 今日はしっかりと骨休め。使い過ぎる脚を休養させる。

 「ナルちゃんの日々 第11号」をやっと完成させた。今回アルバムを作っていて、ナルちゃんが食事の途中で睡魔とたたかう様を2ページにわたって入れたが、そのナルちゃんに注ぐ、娘の慈愛に満ちた表情が印象に残る。

 わたしが幼かった頃、「団子汁の団子を口にしたまま眠って」と母が何度となく繰り返し話していて、わたしは適当に相づちをうっていた。
 しかし、その言葉にはわが子に注ぐ母の万感の思いが深く籠もっていたことを、今にして思い起こすのであった。

 親不孝をわびても遅いが、ただ、母さんありがとう、と声に出して言ってみる。
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セミノハリセンボン

2013-11-26 | Weblog
 しっかり厚着をして出かける。家にいる時はそれほどの寒さを感じないが、陽の当たらない森の中で、きのこの写真を取っていると、寒気が大地から這い上がるように伝わってくる。

 この時期を好んで生えるきのこもあり、目はソナーのように落ち葉や草むらの上を照射する。

 世の中には多種多様な楽しみがあり、人々の思いもそれぞれで、みんな違ってみんな良い、と言うことであろうか、わたしたちはなぜかきのこに夢中で、落ち葉深き森を徘徊する。

 妻ときのこを探して野を歩くようになって、もう何年になるだろう。彼女は裸眼、わたしは老眼とその視野角は大きく違い、きのこをよく見つけるなかなかの助手である。
 そしてときどき、きのこの名前を言うようになり、驚かされる。

 柔らかくて明るい日射しと、冷気を含んだ透明な空気の溢れる野や森は、人の気配もなく、まったくわたしたちの遊び場、今日も豊かな時が流れる。
            「今日の写真」
            
            ツチグリ Astraeus hygrometricus 頭部径2.5cmほど。あちこちで花盛りのようである。
          
          セミノハリセンボン Isaria takamizusanensis 冬虫夏草。小さな虫ピンのような形で高さは1~2mmほど。
          
          スミゾメキヤマタケ Hygrocybe chloroides カサが開いて特別に大きくなっている。径7cmほど。胞子は楕円形10.5×6.7μm。
            
            同上 ヒダ、柄の様子。
          
          ヒメコガサ Galerina subcerina 1cmちょっと。似た種にシスチジアがアセタケ属に似たヒナコガサがある。
            
            同上 ヒダ、柄の様子。
            
            シロコップタケ Cookeina insititia 漸く衰えてきた。発生を確認してから3週間経っている。
            
            ヒトヨタケ Coprinopsis atramentaria カサ径2cmほど。あちこちに見られた。春から生え、夏ちょっと休んで、
            晩秋初冬まで楽しませてくれる。
            
            タバコウロコタケ属 Hymenochate sp. 以前の『日本のきのこ』に記載されているエビウロコタケに類似している。
            増補改訂新版では、タバコウロコタケ属には多数の種が含まれ、国内での研究が進んでおらず未記録種が多いと
            あり、属名までにとどめている。
            
            同上 子実層面。
            
            ムササビタケ Psathylla piluliformis カサ径3cm前後。
          
          ナラタケ(広義) Armillaria mellea カサ径4~6cm。今年はどこも大豊作のようだ。
            
            ヌメリツバタケ Mucidula mucida カサ径3cm。カサが褐色味を帯びて、別種の趣き。
          
          フウセンタケ属 Cortinarius sp. カサ径1.3cmほど。トビチャニセでも、トガリニセでもなく藪の中。胞子は楕円形で粗面、大きさは6.7×4.7μm。
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乾燥注意報

2013-11-25 | Weblog
 昼過ぎに愛しいナルちゃんは帰っていった。

 今日は暖かい一日で、一日家にいて、わずかばかりのチューリップの球根などを植える。小雨が朝の内に降ったが、テレビの天気予報では、乾燥注意報がすぐに出る。

 きのこも乾燥にはめっぽう弱く、乾燥注意報は気がもめる。わたしも、若い時には思いもしなかったが、乾燥にはまるで弱くなった。
 皮膚が乾燥して痒く、目はもう10数年前から乾燥目である。
 そうして最後には心も干からびていく。それを埋めようとして酒を飲んでいたが、その酒も止めてしまった。

 ボージョレヌーボーも、焼酎も心を沸かさない。心を沸かすのはナルちゃんと野のきのこだけである。明日は野に出よう!
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シロシメジの胞子を撒く

2013-11-24 | Weblog
 午前中「森の案内人レベルアップ講座」のノルディックウオーキング講座に参加して、有意義な1時間を過ごす。
 帰りに、大原湖畔に寄り、車に載せていたシロシメジのカサだけを、ビニール袋に入れ、水を注ぎ、指で何度となく小さくつぶす。

 水を少し足して、適当な斜面に撒いておいた。果たして何年か後にシロシメジが出るか、生きて確かめないと・・・。

 ナルちゃんは、昼食を済ませて帰ると言っていたが、母親のお腹の調子が悪く、結局もう1泊ということになった。

 彼は環境が変わって、興奮が続くのか、連日、なかなか寝つかない。音も立てられず、自分の部屋で彼が寝るのをひたすら待つ。
 その間に、MOからCDにコピーしていた古い写真が出てきていたのを、ハードディスクへしこしこと転写する。

 山登りの写真なども、あれこれ出てきて、懐かしくついつい時間がかかる。
 ナルちゃんは9時53分にやっと寝てくれた。
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シロシメジ2

2013-11-23 | Weblog
 朝突然思い出す。写真を送るのを忘れていたことを・・・。出かけける前であったが、急いで8枚ばかりの写真を送り、ナルちゃんにバイバイして、家を後にする。

 先日見た腹菌類の生標本を送るため、再訪して2個ばかりゲットし、さらに脚を伸ばして、江汐公園を歩く。

 祝日ともなれば公園の人でも多く、賑やかな歓声が聞こえる。

 14時過ぎまで歩いて、帰途につく。
 途中買い物に寄ったスーパーで駐車しようとして、手前、奥と空いていたので、手前より奥へ車を進めたら、大きな車がバックで、わたしが駐めようとした奥の駐車枠へ入ろうとしていた。わたしはすぐにバックで、手前の駐車枠へ車を駐める。先方の車から降りた若い男の人が、すみませんでしたと言う。わたしはとっさにこちらこそすみませんでしたと、挨拶を返す。

 なんだかとても気分が良く、ついスーパーで高い総菜を買ってしまった。

 昨夜、ナルちゃんは興奮して11時過ぎまで起きていたが、今朝は7時前に起き出し朝から夜遅くまでテンションは高いままである。
 賑やかなのもなかなかいい。
          「今日の写真」
          
          キツネタケ属 Laccaria sp. カサ径7cmほど。胞子は球形で刺に覆われ径6.8μmほど。オオキツネタケに似て
          いるが、根元の菌糸は白い。
          
          同上 べつのもの。
            
            同上 ヒダ、柄の様子。
        
        シロシメジ Tricholoma japonicum カサ径7cmほど。まだ健在であった。何個か採取した。ヒダを水で溶いて、近くの赤土
        の山へ撒いてみよう。
        
        同上 カサ、ヒダの様子。
         
         ヒナノヒガサ Rickenella fibula カサ径1.2cmほど。全体に微毛をかぶる大分前からたくさん見ているが、カサの径の
         大きなものがあり、今ひとつ判然としない。
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アカウロコタケ

2013-11-22 | Weblog
 妻の歯科医院通いの、送り迎えを済ませたのち、一人徳地の森へ出かける。

 落ち葉が厚く積もった大地のきのこを探すのも骨が折れる。しかし、好きの道、何の苦になりましょう、とばかり地面や枯れ木をにらみながら徘徊する。

 目が慣れれば、あっちこっちと挨拶をくれるきのこ達がいる。丁寧に写真に撮り、一時の幸いを得て、正午を大分過ぎ、帰途につく。

 帰れば、ナルちゃんは当初一泊二日の予定だったが二泊三日に変更になり、今日来るとのご託宣がある。

 迎撃態勢を整え、首を長くして待てば、4時過ぎに彼はにこやかにおいでになった。
 わたしに元気をくれる神さまの贈りものと親しく遊ぶ。

 自分の部屋に籠もっていても、廊下を歩く彼の足音が心地よい。

     「今日の写真」
     
     ニセショウロ属 Scleroderma sp. 頭部の径は大きいもので6cmほど。殻皮は切断するとやや淡紅色に変わる。球形の胞子は
     黒褐色毛状突起に覆われている。ニセショウロでいいのだろう。
        
        同上 切断の様子。やや赤変する。
        
        アカウロコタケ Hymenochaete mougeotii きのこ達の色のセンスもなかなかである。
        
        クリタケ Hypholoma lateritium カサ径2cm前後の幼菌。
         
         ニガクリタケ属 Hypoloma sp. カサ径2cmちょっと。胞子はそう変わりはないのだが、クリタケとするには違和感がある。
          
          同上 ヒダ、柄の様子。
                   
          クロコバンタケ Camarops polysperma 子実層面は胞子をかぶって濡れているように見える。
       
       アカヤマタケ属 Hygrocybe sp. カサ径1cm弱。大きいものは1.5cm。
       
       同上 柄、ヒダの様子。ヒダは強く垂生する。カサや柄に白い毛が密生する。
       
       ナラタケ(広義) Armillaria mellea カサ径2cm前後。別の場所では径5cm前後のものが群生していた。
          
          スギエダタケ Strobilurus ohshimae カサ径2~3cm。スギ林に盛んに生えている。
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スミゾメキヤマタケ

2013-11-21 | Weblog
 冬蜂の 死にどころなく 歩きけり 村上鬼城

 山林に自由存す われ此の句を吟じて血のわくを覚ゆ、と謳ったのは独歩であるが、今は冒頭の一句が心にかかる。
 誰かわたしをそうした目で見ているのでは・・・、いやそうではなく、わたし自身がわたしを見ている句のようにも見える・・・。

 今日もその冬蜂のように、市内の森を歩く。そうして静かな森を歩けば、わたしもまた、ひっそりと静かな人になる。
          「今日の写真」
          
          ナラタケ(広義) Armillaria mellea カサ径6cm前後。今年はどこの森でも、よくこのきのこに出会う。
          
          ウバノカサ Cuphophyllus pratensis カサ径2.5cmほど。
        
        スミゾメキヤマタケ Hygrocybe chloroide カサ径4cmほど。たくさん生えていた。
          
          ハダイロガサ Cuphophyllus pratensis カサ径4cm弱。
          
          ヒメワカフサタケ Hebeloma sacchariolens カサ径5cmちょっと。
          
          不明種 カサ径3cmほど。見当がつかない。
          
          コタマゴテングタケ Amanita citrina var.citrina カサ径4cm弱。柄の基部のツボは襟状である。側にはギンリョウソウモドキが覗いている。
        
        フウセンタケ属 Cortinarius sp. カサ径7cmほど。カサに粘性があるが、乾きやすい。
        
        ショウゲンジ Cortinarius caperatus カサ径6cmほど。まだがんばっている。
        
        シワカラカサタケ Cystoderma amianthinum カサ径5cmほど。
      
      ケコガサタケ属 Galerina sp.  胞子を見れば広楕円形の長径7.5μmで、不明種となる。  
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