吉敷(よしき)川だより

山口盆地を小さく貫く吉敷川、そのほとりに住まい、キノコや花を求め、山野を彷徨っています。移ろいゆく自然に心を重ねながら。

スミゾメキヤマタケ

2012-10-31 | Weblog
 今日はSさんと広島県千代田のあたりを歩く。
 アカマツ主体の森は荒れていて、野生の鹿がヒュウと甲高い鳴き声をたて、森の中からわたしたちを凝視する。時には、山道の前方をさっと横切る。

 めげずに歩いたが、きのこはまるでなく午前中歩くだけとなった。

 Sさんと次回を約して別れ、芸北を抜けて帰るはずだったが、どこでどう違ったか国道186号線を辿り、小雨の中を六日市から津和野へ出て、結局どこにも寄らず、350kmを走り、3時半過ぎに帰宅となる。

 広島県北部の紅葉は今週末が見頃のように思われる。

 少ないきのこに落胆していたら、愛しいナルちゃんの写真がメールで送られていた。半月前に別れたナルちゃんは予防接種も昨日終わって、ややぐずり気味だが、首もほぼ据わり、腹ばいの姿勢も頭が高くなった由。

 涙を溢れさせ、よだれを溢れさせた写真はなかなか可愛くて、妻とあわあわ言いながら際限もなく愛でる。あの子の瑞々しい肌と、反り返ったときの重さが眼と腕によみがえる。

 10月もあっという間に終わり、明日から新しい月、その新しい月が果てる頃、また愛しいナルちゃんが来るという。きのこの少ない1ヶ月は長いなあ・・・。ねぇ、ナルちゃん。
     「28日のきのこの続き」
     
     ヒメムラサキシメジ Calocybe ionides カサ径3.5cm。探して見つかるきのこでもないが、この森には普通に生える。
                    
                    ホソヤリタケ Macrotyphula juncea ガマノホタケ科ホソヤリタケ属 高さ約10cm。出
                    始めたばかりのよう。生長すれば15cmくらいになる。落ち葉の間からたくさん出てい
                    た。よく見れば柄部と頭部の境界は明瞭であった。
          
          ニセニクハリタケ Steccherinum murashkinskyi カサ径2cmちょっとの幼菌。シナモンのような甘い匂いが特徴的。
               
               シイタケ Lentinula edodes カサ径5cmくらい。
               
               シダレハナビタケ Deflexula fascicularis 高さ2cm弱。
          
          ヌメリニガイグチ Tylopilus castaneiceps カサ径5cm。
               
               エリマキツチグリ Geastrum triplex 内皮の径2cmほど。スギ林に大群生していた。
          
          不明種(オトメノカサ属) Cuphophyllus sp. カサ径2~6cm。一昨年より何カ所かのヒノキ林の林縁で見る。
     
     スミゾメキヤマタケ Hygrocybe chloroides カサ径5cmほど。全体が黄色みを帯び傷つくと黒く変色。掲載されている図鑑は工藤伸一著
     『東北のきのこ図鑑』。
          
          ツエタケ Hymenopellis sp. カサの径は2cmちょっと、著しい粘性がある。
               
               クロアシボソノボリリュウ Helvella atra 高さ4cmちょっと。
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トガリツキミタケ

2012-10-30 | Weblog
 午前中出かける。秋が深まると竹林公園に出るきのこを探すことを愉しみにしているが、この公園は手入れが次第におろそかになり、今はまさにヤブとなっていて、きのこの「き」も出ていないのであった。

 こう何にもないとあっさりと諦められ、次の場所・秋吉台へ向かう。秋吉台は広大でその辺縁の森もまたあまたある。湿ったところを歩いたが、そこそこにきのこが見られ、ほっとする。

 モウソウチクにアラカシなどが混じる森に、毎年シモコシが出る。これをシモコシと言って良いのかどうか分からないが、シモコシだと自分に言い聞かせている。肉に苦みもなく食べられそうだが、西洋では似た種で中毒死が伝えられ、最近は見るだけとなる。

 昨日のナガエノスギタケ近似種はナガエノスギタケより胞子がより大きく11.7×5.8μmあった。

 明日はまた高速道を朝早くから駆けることとなる。
               「今日のきのこ」
               
               ヒメダイダイタケ Hygrocybe aurantia カサ径1cmちょっと。ここのヒノキ林の林床には、これから群生す
               る。まち針のような幼菌がたくさん見られた。
          
          ヒメロクショウグサレキン Chlorociboria omnivirens カサ径4mm前後。朽ちたヒノキの切り株に出ていた。
               
               サマツモドキ Tricholomopsis rutilans カサ径2.5~5cmほど。やや色が薄いタイプ。
               
               ウスヒラタケ Pleurotus pulmonarius カサ径4cm前後。これからヒラタケの出る時期となる。
          
          シモコシ Tricholoma auratum 写真のものはカサ径4~5cm、大きいものは8cmほど。増補改訂新版『日本のきのこ』
          では猛毒のきのことなっている。
               
               同上 ヒダ、柄の様子。
     
     トガリツキミタケ Hygrocybe acutoconica カサ径1cmばかりの幼菌。カサに粘性がある。
          
          ムラサキアブラシメジモドキ Cortinarius salor カサ径2.5cm。このあたりでは普通に見られる種である。
                    
          これはムラサキアブラシメジ Corutinarius iodes カサ径5cm。(10月2日にみたもの)こちらはなかなかお目にかかれない。
          『北海道きのこ図鑑』には分布は北海道・北米とあるが、山口にも見られるのであった。
          ちなみに『Mushrooms of West Virginia and the Central Appalachians 』を開くと、iodesは掲載されていて、カサに黄色の斑が入った
          ものと斑のないものの写真があった。
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ナガエスギタケ近縁種

2012-10-29 | Weblog
 弛緩した精神が、車の点検とタイヤの交換で、ONにスイッチが入り、俄然遠くを眺めることとなった。朝7時過ぎに家を出て、高速道を突っ走る。

 テレビの今日の運勢では、乙女座はドンゲチョの12位、隣に乗っている口うるさい御仁が、だから運転は慎重に、と言う言葉を右から左に聞き流し、ひたすらとばす。

 一般道へ下りて、途中道に迷い、10分で行くところを小一時間かかり、目的地へ着けばきのこはまるでなく、車載のナビはフリーズして動かなくなるし、とさんざんであった。昼からやっと運勢を立て直す。
 昼食を済ませて、広島県芸北を足早に歩いたが、野や山がいよいよ秋色に染まり初め、天然色のパノラマ味わった。

 芸北の紅葉は今週末あたりからが見頃ではないだろうか。

          「今日のきのこ」
          
          チシオタケ Mycena haematopus カサ径約2cm。カサ縁の鋸歯状のフリンジが可愛い。
          
          ムキタケ Sarcomyxa serotina カサ径9cm。やや標高のあるブナの倒木やコナラの倒木などに群生する。食菌。
          
          クリタケ Hypholoma laterium カサ径2cm弱の幼菌。これからのようだ。
          
          アケボノドクツルタケ Amanita subjunquillea var.alba カサ径2~3cm。
               
               アオアシアセタケ Inocybe calamistrata カサ径2cm。
               
               チャナメツムタケ Pholiota lubrica カサ径10cm。
     
     ナガエノスギタケ近縁種 Hebeloma sp. カサ径12cm。柄の長さ40cm。初め分からないフウセンタケと思って写真に撮り柄の下部を掴ん
     で抜こうとするが、なかなか抜けない。揺すりながら抜いたら長さ40cmで驚く。ツバの痕跡が全くない。で不明種となる。
     
     同上 ヒダと柄の様子。ナガエノスギタケはツバがあるが本種には見られない。
     
     同上 アップで。
          
          ムラサキシメジ Lepista nuda カサ径8cm。
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ススケドクベニタケ

2012-10-28 | Weblog
  雨に勇気付けられ、森へ出かける。仁保の小さな森を歩き、次いで白石山の麓を歩き、さらに徳地の森を歩く。

 久しぶりにきのこを見ることができ、また結構見られ、退屈しなかった。

 夕方から、予約を入れていたディーラーで、タイヤを新しくしてもらった。金曜日に点検をしてもらい、エンジンの動脈硬化というか不整脈をを調整してもらった。そして今日は新しいタイヤに替えてもらい、道路へ出る。なんと車が路面に吸い付くような感じで、とても気分がいい。

 澱んだ精神にハッパをかけられるようで、明日は「高速道」をとばしてみたくなる。

 
「きのこ肖像展」の案内が届く。

 会期 2012年11月24日(土)~12月2日(日)まで
 場所 けいはんな記念公園 水景園内ギャラリー月の庭
 きのこのイラストや写真、絵本、造形など出展者は8名にのぼる。
 11月25日(日)14時からは竹しんじさんのきのこ写真トークがある。
 問い合わせ先 電話 0774-93-1200  http//www.keihanna-park.jp/
 近ければ出かけて、竹さんにきのこ写真を教わりたいと思う・・・。

     「今日のきのこ」
     
     冬虫夏草 高さは1.7cm。苔むした斜面に出ていた。
     
     ムラサキアブラシメジ Cortinarius iodes カサ径5cm。あちこちに結構見られた。幼菌はカサのまだらが不明瞭。
          
          ススケドクベニタケ Russulaemetica var.griseascens カサ径6cmちょっと。モミの樹下に生えていた。肉を噛んでみると
          後口がなかなかに辛い。カサの色合いが淡いけど本種名でいいのであろう。
          
          同上 ヒダ、柄の様子。柄は縦条があり黒ずんでいる。他は明日掲載したい。
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明日を夢見る

2012-10-27 | Weblog
  この間から気になっていた週刊朝日の、橋下大阪市長バッシングの件である。
 どうしてああまで個人を攻撃するのか週刊朝日の姿勢に違和感を覚える。ジャーナリストとしての矜持はどこにあるのだろう。

 そして、その100%親会社が朝日新聞とあり、わたしを困惑させる。

 わたしは長い間朝日新聞を読んでいたが、親友が読売も面白いと言うので今読売新聞を読んでいる。しかし、この新聞にも飽いてしまった。だが、もう 朝日新聞に戻ることが出来ない。いっそローカルの中国新聞を取ろうかと思う。

 もう一つ石原都知事の新党結成である。時に正鵠を射る彼の論理に胸の掬う思いがしたものだが、80才で新たな挑戦である。70才を超した者としては、彼の意気に拍手を送りたい。

 さてわが人生もあやかしの異空間のとば口、何があっても不思議ではないが、80歳の人ががんばっている。老け込むときではないぞと、ひたすら明日を夢見る。
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時はさりげなく過ぎていく

2012-10-26 | Weblog
  久しぶりに鴻の峰を歩く。初めのうちは脚が痛かったが、途中から調子がよくなり、若者のように歩く。
 大地はすっかり乾燥していて、きのこはツチナメコがツツジ類の低木の樹下に何本か出、次いで、カラカサタケが立ったまま小さな甲虫類に喰われているのを見る。

 兄弟(おとどい)山の紅葉もまだまだの感である。帰りに県庁前のケヤキ通りを走ってみたが、紅葉がなかなかですばらしく、秋はいよいよたけなわとなりそう・・・。

 夕方、車を点検に出す。エンジンをかけたまま停車していると、ときどき不整脈のような破調をきたす旨を伝えた。
 エンジニアの答えは、空気を取り入れる管にススが溜まっていたが除去した、とのことであった。点検後はスムーズなエンジンの音が心地よい。

 明日・明後日と雨のようで、しっかり降ってもらいたいと思う。それにしても今年の秋は暖かい。
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キリノミタケ③

2012-10-25 | Weblog
  今日も庭の草取りに専念する。黄花カタバミがびっしりと生えている。種から芽を出しばかりのものや大株になっているものなど、日頃放置している報いである。

 二人で本気になって取っていると、妻がこれは白実南天かもしれない、と芽が出て3cmばかりの苗を指差して言う。よく見ると横一列に同じような間隔で6本ばかり出ていた。
 昨年の秋にもらった種をあちこち適当に播いたが、もう播いた場所を忘れていた。生えているのが分かり、うれしい。
 庭の晩白柚は今年も台風の直撃がなく、少し黄色くなってきた。実りゆく姿を見るのもいいものである。


 昨日、キリノミタケのその後を見に出かけた。前回写真にとった個体はまだ蕾のままであった。意外と、蕾からカサが開くのには時間がかかるようだ。
 たった1個ほど木の割れ目から窮屈そうに開いていたものをカメラに収めていたら、三脚で別の蕾を倒してしまい、仕方なく短い柄の上からちぎり取り持ち帰る。

 帰って、割れているところから開いてみると、子実層面は成菌のように平滑ではなく、多少凹凸があった。さらにもうちょっと若い菌を割ってみれば、中身の様子がはっきりするのだが、むやみに取るのもはばかられて、結局は開くのを待つことになってしまう。

     「キリノミタケの写真」
     
     キリノミタケ Choriaactis geaster 木の割れ目から窮屈そうに出ていた。開いたばかりのようだ。
          
          同上 既に胞子を飛散させた後であろう、しおれていた。
     
     同上 やや幼菌の子実層面。多少の凹凸が残っている。
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「きのこ図鑑」更新

2012-10-24 | Weblog
  明るい秋の日の窓辺で小説を読み、ついでパソコンでのアルバム作りに精を出し、倦んだら庭の草取りである。
 今朝の冷え込みはなかなかで、これで蚊も退散したかと思いつつ、気分よく庭の草取りを行っていたが、やがて気温が上がり、ぶーんという蚊の羽音がきこえる。敵もなかなかしぶとい。

 二階のベランダに乾した炬燵布団はふかふかとなり、5ヶ月ぶりに炬燵をセットする。

 わがホームページの素人「きのこ図鑑」に新たに5種掲載した。
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ヒメロクショウグサレキン

2012-10-23 | Weblog
 夜来の雨が止んだが、季節はまた進んでいく。きのこは少ないと思いつつ、今日も車で20分ばかりの森を歩く。

 今年の気候の異常は、繊細な菌類などに顕著な影響を与えたようだ。気温の高さや雨の少なさで、発生する時期が遅れたり、ほとんど発生しなかったりと、老いたるきのこ愛好家を泣かせる。

 ここの森のハタケシメジもダメージは大きい。大きくなりきれずに、カサの径2~4cmくらいで既に老菌のおもむきである。また小さな針山状態のものも散見されたが、大きくはなれないだろう。

 アラゲキクラゲが雨を吸って、乾燥したものを水に戻したように、ふくよかに膨らみ、目につきやすい。それを写真に撮り、袋に採る。行かんとする秋の森を歩けば、落ち葉を踏みしめる音が、しんと心に響く。

 もう一箇所寄ろうとしたが、きのこの少なさにやる気ホルモンも萎え、帰途につく。
          「今日の写真」
          
          ハタケシメジ Lyophyllum decastes カサ径1~2cm。ここのハタケシメジはみんないじけている。
     
     ヒメロクショウグサレキン カサ径3~4mm。
          
          不明種・チャワンタケ類 カサ径6~8mm。
               
               アラゲキクラゲ Auricularia polytricha 径8cmほど。雨を吸って生き返ったようだ。
          
          ネンドタケモドキ Phelinus setifer 全体の幅が15cmほど。
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キリノミタケ その後

2012-10-22 | Weblog
 大きなノグルミの木が目立つ森を歩く。この森は久しぶりでコウボウフデを探した。
 既に盛期は過ぎた時期だが、今年はひょっとして遅れているのでは、と訪ねたら、既に倒れたものが多かったが、健在のものもあった。

 森は相変わらず乾いている。だが、乾燥もものかわ、コガネタケの群生(やや盛期を過ぎていた)があったり、またヌメリスギタケモドキがあちこちに出ていた。
 広葉樹に生えるヌメリスギタケモドキはありふれたきのこだが、土に汚れることもなく、好きなきのこなので採取して帰る。

 また、フォトジェニックな形と色のヒイロチャワンタケを多数見て、写真に収める。ちょっとした風の動きで、白い胞子を放出していた。
 数は少ないものの何種かカメラに収め、ついでに4日ぶりにキリノミタケを見に行く。

 わたしは4日前に見たそのままの姿があるとばかり錯覚したが、行ってみれば既にみな萎れていて、写真にならない。
 かろうじて幼菌をカメラに収め引き上げた。硬そうなきのこなので、持ちが良いのではと思ったが、実際は花の時期(撮影最適時)はきわめて短いようだ。
 そういった理由で、人の目に付きにくいことが、あちこちでの発見が遅れている理由ではないだろうか。
     「今日の写真」
     
     ヒイロチャワンタケ Aleuria aurantia 椀の径大きいものは8cm。裸地を好むようだ。群生していた。
               
               クチベニタケ Caloscypha japonicum 頭部の径約8mm。これは斜面を好むきのこ。乾いていて可愛そう・・・。
          
          コガネタケ Phaeolepiota aurea カサ径9cm。笹藪に群生していたが、既に老菌が多く採取はしなかった。黄色みの強い
          ものは下痢・嘔吐をするらしいが、美味しいきのこである。
                    
                    コウボウフデ Pseudotulostoma japonicum 高さ10cm。既に盛期を過ぎていた。
          
          ヌメリスギタケモドキ Pholiota aurivellus カサ径大きいものは4cm。きのこが少ないときだけに、この色合いに救われる思いだ。
          
          同上 同じ木に生えていたもの。アップで。
     
     同上 別の木に生えていた。
     
     キリノミタケ Choriaactis geaster 幼菌。高さ5cm前後。このような蕾が4~5個見られた。やや乾いていて、黒味が薄らいでいる。成菌は
     萎れてしぼんでいて、乾燥には弱いようだ。
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