吉敷(よしき)川だより

山口盆地を小さく貫く吉敷川、そのほとりに住まい、キノコや花を求め、山野を彷徨っています。移ろいゆく自然に心を重ねながら。

オリーブシワチチタケ(仮)

2019-01-18 | Weblog
 久し振りに徳地の森へ向かう。山峡の小さな集落を通れば、秋に彼岸花の群生を見せる田や畑の畦には、あちこちで青々と特徴のある彼岸花の葉が広がっているのであった。
 この時期、光合成を邪魔する他の植物は大方枯れていて、冬のやさしい太陽の光を、だれも傷つけず独り占めである。

 うねうねの細い道を通り抜け、名ばかりの国道に出て、やがて長いトンネルを抜ければ、山神様の鎮座する非日常の世界へとスリップしてゆく。

 見上げれば、空は白い雲をちりばめて明るく、どこまでも青い。長靴を履き替えるなど、支度を調えて、湖畔の森を歩き始める。小さな鳥影が眼前を横切る。

 わたしたちは目をこらして、きのこを求める。小さなきのこを何種かカメラに収め、オリーブサラタケが出始める頃だがと、苔の斜面を丁寧に探す。

 大原湖は水位がきわめて低く、今年の雨量の予報も厳しいものがあるが、希望を持ちたいと思う。

 オリーブサラタケをやっと見つけた。しかし、よく見れば、小さな虫が子囊盤を食い荒らしていて、写真にならない。
 だが、なんとその近くに、オリーブシワチチタケが一個だけ出ていて、わたしたちを喜ばせる。
 写真に撮り、ヒダを傷つけると水のような乳は次第に黄色に変色する。乳をなめると後味が辛い。

 これから季節はいよいよ厳寒の時を迎えるが、日足は日々伸びて、わたしたちを励ましてくれる。明るく乗り越えたいと思う。

 わたしたちは、正午過ぎまで、森歩きを愉しんだ。
  「今日のきのこ」
  
  エノキタケ Flammulina velutipes 傘径5cm弱。家を出て間もなく、民家の柳の木から出ていたものを、見つけ、車のエンジンをかけたま
  ま、写真を撮る。
  
  ヒメコガサ Galerina subcerina ヒダの縁部は、ルーペで見ると白色粉状。傘径1cmちょっと。
   
  ミイノモミウラモドキ Entoloma conferendum 傘径2cmほどの幼菌。
  
  クヌギタケ類 Mycena sp. 傘径1.5cmほど。
  
  オリーブシワチチタケ(仮) 傘径2cmほど。大体4月頃から見るのだが、時に1月頃出ることがあるようだ。
  
  同上 ヒダと分泌する乳の様子。乳液の味は後味が辛い。
  
  コガネウスバタケ Hydnochaete tabacinoides 小さな傘を作っているものは径1~2cm。
  
  クロチャワンタケ Pseudoplectania nigrella 傘径1cmちょっと。
  
  不明種 何とも言えない色である。

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ツバキキンカクチャワンタケ

2019-01-13 | Weblog
 国道435号線を北西に取り、山陰に向かう。
 車を運転しながら、スギの植林地へ眼をやれば、いつもの濃緑色の景観は、もう赤銅色に変色している。今年は花粉は早いかも知れない。
 曇天だったが日が差し始めた。萩市佐々並ではとても霧が深かった。

 椿群生林などを歩いたが、きのこは少ない。古いムラサキシメジは何カ所かで見、エノキタケも既に古く、シイタケは生長しないまま、かちかちになっている。
 ツバキの樹下にしゃがみ込んでツバキキンカクチャワンタケを写していると、どこぞのばっちゃん二人が、のぞき込み、スマホに収め、わいわいと言いつつ遠ざかる。

 今日はとても暖かく、その上日曜日なので、椿群生林最奥部の食事処は車がほぼ満車であった。

 少ないきのこの写真を何種かカメラに収め、昼食を済ませて、帰途につく。
  「今日のきのこ」
  
  ツバキキンカクチャワンタケ Ciborinia camelliae 椀の径1cmちょっと。もうたくさん出ていた。しかし、意外とツバキの花が少なかった。
  
  センベイタケ Coriolopsis strumosa 傘径9cm。1年生のようで若い時とやや様子が違う。
  
  シマサルナシ 長径3cmほどの実がたくさん落ちていた。お隣中国にはシナサルナシがあって、それがニュージーランドに渡り、品種改良さ
  れてキウイになったという。
  
  同上 切断したもの。大きさを除けばキウイとほとんど変らない。本種も食べられる。
  
  マツカサキノコモドキ Strobilurus stephanocystis 傘径2cmほど。
  
  ハマシメジ Tricholoma myomyces 傘径4cmほど。クロマツが近くにあった。
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シロニカワタケ

2019-01-11 | Weblog
 暮れから新年にかけて、孫達と遊びすぎ、今日初めての森歩き、わたしたちは気分を新たに秋吉台の森へ向かう。

 歩くだけを楽しむ気持ちで、底冷えのする湿った森へ分け入れば、思いがけず、何種かのきのこを見ることができた。
 さらに次の場所へ移動する。そこでも何種か写真を撮る。
 今年もまた森が歩けるうれしさに、わたしたちの足取りは軽い。

 昼食を家で取り、気になる市内のわがフィールドへ、今度は一人で出かけてみる。
 大地はカサカサに乾いていて、わずかに切り株から出ていた一種をカメラに収めたのみだが、現場を確認できただけでも満足である。

 明日・明後日とわずかな雨マークだが、期待はせずに待ってみよう。
  「今日のきのこ」
  
  センボンクヌギタケ Mycena laevigata 傘径1cmほど。図鑑には針葉樹から出るとあるが、わたしが見るのは皆広葉樹からである。
  
  ニオイアシナガタケ Mycena filopes 傘径1cmほど。より大きいアシナガタケは傘の径は3cmほどになり、柄に縦筋が顕著である。
  
  ヒラタケ Pleurotus ostreatus 傘径8cmほど。冬のきのこの少ない時期のこの存在感・・・。
  
  シロニカワタケ Tremella pulvinalis 子実体の径1.5cmほど。径2cmほどの落ち枝に何個か出ていた。
  
  エノキタケ Flammulina velutipes 傘径2.5cmほど。
  
  キヒラタケ Phyllotopsis nidulans 傘径5~7cmほど。若い時は傘の様子もなかなか美しいが、本種は人間でいうと中年を過ぎているようだ。
  
  同上 ヒダの様子。
  
  ニセニクハリタケ Steccherinum murashkinskyi 傘径は3cmばかりの幼菌。本種はえもいわれぬシナモンの香りが特徴で、子実層托は針状である。
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体力を回復して、それから

2019-01-10 | Weblog
 年の暮れから愛しい孫達がやってきて、正月の5日には帰るつもりだったのが、先ずナルちゃんがインフルにかかり、ついで娘がインフルとなった。

 そして、昨日9日にはナルちゃんは回復し、娘の症状もほぼ改善したので、下松へと帰っていった。
 結局、生後3ヶ月のアオちゃんとじじ・ばばはインフルエンザにはかからなかった。

 その間、アオちゃんは来たときより、泣く声が倍ぐらい大きくなり、腕の中で反り返る力が格段と増し、何より相手の顔を見て笑うようになった。

 「あ」とか「う」に似た言葉にならない声を発し、さらに彼の両手にわたしの親指を握らせると、ぐっぐっと力を入れてくる
 しかし腕にはまるで力が伝わらなくて、彼の意に沿わないらしく、顔にはひっかき傷が絶えない。また、足先に手を添えると、ぐっぐっとやはり力を入れて脚を動かしたりして、意思の疎通が大分できるようになった。

 また、お兄ちゃんとなったナルちゃんは、弟の面倒見が非常に良く、これからの二人の成長が楽しみである。

 わたしは相変わらず、展示用のきのこ図版の写真修正を行っていて、後もう数日で終わり、その後印刷などに取りかかることとなる。

 日々きのこの名前などをなぞっていると、忘れていたことなどをまた思い出し、あるいは疑問に思って、あれこれ図鑑にあたり、新しく認識しなおすなど、きのこのオフシーズンを有意義に過ごしている。

 野を、枯れ葉や枯れ草の匂いが漂う野を早く歩きたいと思う。

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インフルエンザ

2019-01-05 | Weblog
 マイクロソフトに似た名前にだまされて、グレードアップをしたつもりが、変なソフトをインストールし、起動するたびに、ソフトの購入期限が迫っていると脅かされる。
 他のソフトの起動にも時間がかかり、また「ホームページビルダー」の様子もおかしいので、昨年の暮れ、防府の「パソコンS」へ連絡して、見てもらった。

 不要ソフトを削除してもらったり、「ホームページビルダー」のフォントなどについて教えてもらう。
 フォントは基本的には指定してはいけないと言う。
 わたしは「きのこ図鑑」を作成する際、あれこれ悩んで、フォントを指定したものが多く、画面にさまざまなフォントが入り乱れている。
 また、それを修正するのに、「HTMLソース」の使い方など初めて知り、今その修正に取り組んでいる。パソコンソフトの起動も少し速くなった。
 またきのこ図版の修正もなんとかタ行を終わりそうである。


 愛しいアオちゃんに時にミルクを飲ませたり、腕やあんよの体操に付き合い、あるいはナルちゃんと日課の「階段上り10回」を朝、昼、晩とやったりしながらの作業である。
 
 そして今日は、ナルちゃん達の帰る日であった。

 ところが、ナルちゃんに異変があって、風邪とばかり思って、松尾小児科で診てもらうと、なんとインフルエンザとの診断を受けたのが昨日。

 我家は生後3ヶ月のアオちゃんとジジババなど、インフルエンザに弱いものばかり。戦いは昨日から始まっていて、娘の奮闘が続く。
 そうして、今まだアオちゃんやわたしたち夫婦に異変がないのがうれしい。

 ナルちゃんの熱も少し安定したようであるが予断は許されず、帰還は明日以降になりそうである。
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あけましておめでとうございます。

2019-01-01 | Weblog

    
                          あけましておめでとうございます。
        本年もきのこと孫にかかわって、懸命に生きていきたいと思っています。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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1年間ありがとうございました

2018-12-31 | Weblog
 過ぎてしまえば、あっという間の1年間でした。
 世の中のさまざまな出来事を、よしの髄から覗いていますが、人間はほんとによりよい方向に進化しているのか、いささか寂しい気がしています。

 また、天候もなかなかに過激すぎるし、山口では梅雨の短さと、夏の雨の少なさに泣かされました。確認したい夏の森のきのこがたくさんあったのですが、今年はまるで見ることができませんでした。

 ここ数年、山口の雨は少なくなるばかりで、来年に期待をかけるのは無理かも知れませんが、しかし、良い年であるようにと、ただ、願うばかりです。

 今年1年わがブログやホームページをご覧いただき、またご指導をいただき、ほんとうにありがとうございました。

 来年は79歳になりますが、75~79歳の逢魔が時を抜けて、新しい地平を切り開くくらいのつもりで、生き、そしてきのこを見てゆきたいと思っています。

 今後ともよろしくお願いいたします。

 どうぞみなさま、良いお年をお迎えください。
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フタツミヒメコガサ(青木仮)?

2018-12-27 | Weblog
 生まれてまだ2ヶ月と15日ほどのアオちゃんの成長は著しい。
 眼もこの2~3日で、次第に見えるようになってきたのではないかと思える。抱いているわたしをしっかり見つめてくれる。
 機嫌のいい時はしきりに笑顔を見せ、わたしたちを芯から喜ばせる。

 さて朝遅くに、家を出て、一人市内の公園を歩いた。小さなヒナノヒガサやヒナコガサ類を見、さらにハマシメジや不明の地下生菌を見て、帰途につく。

 ヒナコガサ類を顕微鏡で覗くと、どうも便腹形の縁シスチジアや2胞子生の担子器があり、青木仮称のフタツミヒメコガサにたどりつく。
 また地下生菌は胞子が成熟していないようであった。

 野を繁く歩けば未知のきのこに出会う機会も増え、ぼけ防止にははなはだいいようだ。

 明日から寒くなりそう。夕方急いで、ナルちゃんに手伝ってもらって、晩白柚を20個ばかり残して100個近く収穫する。
 今年の晩白柚はとても器量が悪いものばかりですこしがっかりする。倉庫に古い毛布を敷きその上に晩白柚を置き、覆いは古いテント地をかぶせておいた。1週間近く追熟させることにする。

 夜、愛しいアオちゃんが、わたしの腕の中ですやすや眠るのを見て、わたしはもう少し長生きしそうな予感、いや長生きしたい気分である。

 そういえば、昨日ナルちゃんと市立図書館へ行ったおり、女性から声がかかった。よく見ればわたしが50歳前後の頃、遠くは石川県の白山、あるいは近県の名のある山をともに歩いたKさんである。
 聞けば、11月に74歳の主人を亡くしたばかりという。

 わたしは彼女が歌を愛し、絵手紙、俳句、山歩きそして本をこよなく愛すことを知っている。きっとまた、元気を回復するであろう。気を落とさないよう、言葉を添えて、図書館を後にした。
  「今日の写真」
  
  サザンカの落花 ハナビラの豊かな色彩に、ついカメラを向ける。
  
  ヒナノヒガサ Rickenella fibula (Bull.) Raithelh. 傘径7mmほど。
  
  フタツミヒメコガサ(青木仮称)Galerina sp. 傘径8mm。便腹形の縁シスチジアと2胞子生の担子器から、青木仮称の本種にたどりつく。
  
  ハマシメジ Tricholoma myomyces (Pers.) J.E. Lange 傘径大きいもので5cm。まだ幼菌も多く見られた。
  
  地下生菌 不整形の径2cmほど。ハマシメジの近くに何個か見られた。胞子を見たが今ひとつはっきりしない。
  
  同上 もう1個掘り上げ、2個並べて写す。
   
  同上 若い菌の切断の様子。
  
  同上 これも若い菌のようで、虫の卵か何かが溢れるように付いている。胞子は結局分からない。
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コムラサキイッポンシメジ

2018-12-25 | Weblog
 昨日、昼からナルちゃん達が来るというので、その前にと、独りで市内の公園などを歩いた。きのこはわずかに2種見たのみであった。

 昼過ぎて、生後3ヶ月未満のアオちゃんと体重が増え気味のナルちゃんがやってきた。
 初めは恐ろしくて抱くのをためらったが、妻に勧められアオちゃんを抱き上げる。抱くのがぎこちないのか、暫くするとアオちゃんは体をよじらせて、むずかる。

 しかし、昨日から今日にかけて何度か抱き上げたりすると、大分慣れてきて、その上、アオちゃんもわたしの声に違和感をもたなくなったのか、時折笑顔を見せることがあり、それはまさに天使のほほえみであった。

 ナルちゃんとは、二階の子ども部屋だったところに、小さなテントを張って、ナルちゃんの秘密基地として、一緒に遊び、さらに、何度かに分けて、パソコンのゲームをともに楽しんだ。
 アオちゃんは眼がようやく少し見え始めたようで、その表情は千変万化、いくら見ても見たりない。

 パソコンの動きが遅くなったことや、ホームページビルダーの動きもおかしくなって、その上更新して、ファンクションきーのF5を押しても更新しない。パソコン専門家に見ていただき、やっと快適にパソコンが動くようになってきた。

 また、きのこ図版はパソコン上には完成したが、プリントアウトする段階で、パソコン上で見たものと、プリントアウトしたものと比べれば、プリントアウトしたものがとても色が淡くて、がっかりする。千枚ほどの図版の写真を入れ替えないといけない。
 この冬はやることがいっぱいありそう・・・。

  「昨日のきのこ」
  
  アラゲコベニチャワンタケ属 Scutellinia.sp広葉樹の腐朽木上に出ていた。子囊盤の径は7mmほど。縁部には高さ1mmほどの毛が密生する。
  胞子は楕円形で微イボにおおわれ、径は15.8×7.5μm。
  
  コムラサキイッポンシメジ Entoloma violaceum 傘径7cm弱。ツツジ類の植え込みの下に出ていた。
  
  別菌
   
  同上 ヒダと柄の様子。
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天の一本道

2018-12-20 | Weblog
     天の一本道   草野心平

  山の麓の雑木林に陽はそそぎ。林のなかは斑(まだら)に明るく。日溜り
  の。微(かす)かな微かな陽炎のたつ落ち葉の上に寝ころびながら空の枝模
  様を眺めてゐた。まぶたに空の青はぬれ。ひかりは絶えず降りそ
  そぎ。自分は独り重たい愛の中にゐた愛の重みを支へてゐた。
  その時カサコソ音がして一羽の鳥がとびたった。あかじあをじ
  かそんな小鳥が向こうの赤松の林に向ったおなじその時。はるか向
  うの空の高みを渡り鳥らしい一ト群(ひとむれ)が流れてゐた。声もたてずに
  或ひは鳴きあってゐるのかもしれない一ト群(ひとむれ)が。愛そのもののや
  うにかなしくせつなく。
  天の白い一本道を流れていった。

 中央公論刊行の『日本の詩歌 21』を眺めていれば、草野心平が身近に感じられ、彼がいち早く宮澤賢治の『春と修羅』を評価したことはむべなるかなと思わせる。彼の詩魂をわたしは愛する。

 なお、この「天の一本道」の解説は誰が行ったか書いてないが、次のように記されている。
 「同じように空を渡るけれども、雲と鳥の行く道は同じではない。雲の流れる道は風の吹く方向であり、鳥の渡る道は「天の白い一本道」である。秋の雑木林に寝ころんで、落ち葉の中から飛び立った小鳥の行く手を追ってみると、渡り鳥らしい一群がはるかの空に見えた。作者はその一群の行く手に描かれた「天の白い一本道」を思い、命あるものの智慧の不思議さに感動した。
 眼には見えず、しかもかっきりと描かれている「天の白い一本道」。逸(そ)れることを許されない「天の白い一本道」。去年も鳥たちはその道を渡り、一昨年もその道を渡って行った。
 生命の本能が知覚する道を、遠い昔から、鳥たちは年ごとの秋に渡っていった。
 私ども人間を導くものは何だろう。偶然か、意志か、その行く手に待伏せしているものは何だろう。機械文明の極点においてすら、私どは時として運命の不思議に首をかしげるのである。


 今日は一日細い雨が断続的に降った。冬の雨は心にしみる。
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