波乱の海をぶじ目的地へ

現世は激しく変動しています。何があるか判りませんが、どうあろうと、そんな日々を貧しい言葉でなりと綴っていけたらと思います

燕三題

2012-06-09 17:40:19 | ポエム



燕一


早くも燕が
海を越えて来て
岬の展望台から
こちらの街々を
偵察している
海に臨む展望台から
海に背を向け
内陸の街に
視線を走らすものなど
燕をおいて
ほかには存在しない         



燕二



燕が飛来するのは

日の跳梁する真昼

彼らは故郷が

あまりに耀いていたものだから

夜になってもまだ

明るさのなかを飛んでいる 


            
燕三



かしこまったモーニング姿の
つばくらめが
街に飛来したよ
挨拶がてら
人の頭頂すれすれに滑空したりして
髪に南風を
吹きかけていったよ

この第一団が来たからには
次々到着して
この寂れた街も賑やかになるね
おしつけがましく
玄関に入りこんで来たりして

人の頭に南風を見舞ったのは
ほんの前触れに過ぎないのさ

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