信長より絵師としての名を下賜されたーーと。
うわさは、瞬く間に都じゅうに知れ渡ってしまった。
「俵屋宗達」が描いた扇を手にれようと、大勢の人々が
こぞって店に押し寄せた。
もうお客への対応に四苦八苦~金子はいくらでも出す。
~やんごとなき方からの使者だと言いい
~遠国の大名の家来も
こんな状況から・・・
宗達の父が、息子の修行先として接触を図っていた絵師の名門。
それは、天下一の絵師集団として誉れ高い狩野一門であった。
*ここから、物語は、「狩野永徳」の登場、そして織田信長との「屏風絵」の話になっていきます。
狩野派は、室町幕府の御用絵師「正信」を祖とし、二代目「元信」三代目「直信」(松栄)は、大名に劣らぬ
一大勢力であった宗門、大阪本願寺(石山本願寺)の障壁画制作に父とともに参加したのをはじめ、京の
主要な寺院の障壁画を手掛け、宮廷や公家とも接触して、狩野の家名を一層高めるのに貢献した。
そして、その嫡男で現在の狩野一門を率いているのが州信(永徳)である。
幼い頃より祖父と父に作画の手ほどきを受けて育った永徳は、早くから
並々ならぬ画才を発揮した。
大徳寺の塔頭、「聚光院方丈障壁画」を父とともに手掛けたとき、永徳は
二十代の若者であった。 足利義輝に謁見している。
しかし、永徳が描いた「花鳥図」は、比類なき出来映えであると、瞬く間に
評判となった。
*
「聚光院方丈障壁画」 (花鳥図) すべてが国宝
(四季花鳥図襖) 梅図
*早春のせせらぎに勢いよくせり出す梅の大木。 その枝に咲く小さな花々の馥郁とした香りが
漂ってくるかのような画面は、まことに清々しく、見る者を画中に引き込む力がある。
部分を細かく・・・
梅ノ木 先に伸びる枝 二羽の小鳥 流水
「琴棋書画図」国宝
*現在は、京都国立博物館 寄託
*この絵を描いたのが20歳代と云われているが「近年、行われた、様式・建築年代の再調査、再検討の結果、
40歳頃とする説も・・・さらなる研究が待たれる~。 だから、歴史は面白い。
肖像画「織田信長」
信長の肖像画については、一般的にはご存じのこの1枚。
(永徳の弟 狩野宗秀作)
ここで 他のものも・・・
(長谷川等伯作)
(キリシタン伴天連による木炭デッサン)
*信長の死後、ジョヴァンニ・ニコラオによって描かれた・・・の説もあるが・・?
どれも 信長 って 感じだと思いますね、みんな特徴掴んでいる と 想像ですが
・・・写真の技術があれば決着ついたのに~
信長像も結構全国にあるようですが~
こんな凄い? のも。
岐阜市駅前に黄金の像が・・・「信長公の銅像を贈る会」が寄付金で設置したそうです。
「信長、普段、いや、出陣? こんな格好していた?
鎧、甲冑、長沓、手に鉄砲・・・マント(きっと赤でしょうね)」
この物語には作品として出て来ませんが
この2点は誰でもご存じの永徳作「国宝」の作品を紹介しておきます。
「唐獅子図屏風」 宮内庁三の丸尚蔵館
「檜図屏風」 東京国立博物館
永徳の絵が評判になっていった・・・
信長が・・・聞き捨てるはずもない。
さっそく、自らの政治的策略の道具として永徳の筆を利用した。
その頃、天下の派遣を争う武将たちの中で信長が最も警戒していたのは、
越後の国の上杉謙信であった。
謙信に上洛されてはならぬ・・・・信長は画策の末に謙信と同盟を結んだ。
同盟を結ぶ
win win
同盟を堅持する証として~何か・・・
思案した信長は~永徳による六曲一双の屏風絵
「洛中洛外図」に目を付けた。
「「洛中洛外図」とは、京都の市街(洛中)と郊外(洛外)の景観の風景を描いた
屏風絵。現存するものの中で良質なものは、30~40点とされる。
戦後期時代にあたる16世紀初期から江戸時代に制作された。
国宝が2点、重要文化財に指定されているのが5点ある。
信長は、永徳を御前に召し出した。
余が望む絵をすぐさまに描けるか、どうじゃ。
・・・・
は、 はい、お望みとあらば・・・。
しからば、「洛中洛外図」を描いてみせよ。
信長の命である~
その要求は、七日のうちに描きあげよとは~
七日後・・・
信長の目の前に、広がったのは、黄金に輝く絢爛たる都の風景~
六曲一双の扇に広がる金色の龍雲、御殿、社寺、屋敷、店。
そこに集まる老若男女、貴人、公家、武人、商人・・・・
*「洛中洛外図」上杉本 米沢藩主上杉家に伝来=米沢上杉博物館蔵
高さ160㎝ 幅365㎝ 金運 六曲一双
(右隻)
(右隻)第三扇 南蛮寺も~
(左隻)
(左隻 第三扇 細川殿)
見よ! この細かい描写~描かれているのは2500人にも・・・
この絵の制作には、次回に説明しますが。
まず「室町幕府第十三代足利義輝」からの依頼があり・・・
織田信長 →上杉謙信へ と 話が展開します。
→ →
(余談ですが)
信長から謙信に贈ったのこの屏風のほかに・・・
「赤地牡丹唐草文天鵞絨羊套(びろーどようとう)」
舶来趣味の信長、きっと謙信を驚かそうと思って~
パードレたちからの贈り物だと思うけど・・・
謙信も、びっくり? これ着ただろうか?
さて、完成した「洛中洛外図」を見た 信長は・・・
ーこ・・・こ・・・れは・・・。
声を上ずらせて、信長は立ち上がった。
明日へ~