黄昏どきを愉しむ

傘寿を過ぎた田舎爺さん 「脳」の体操に挑戦中!
まだまだ若くありたいと「老い」を楽しんでま~す

モネ 1枚に精魂込めて・・・

2020-04-16 | 日記
 今日はモネの連作を中心に画面美術館の開館です。
 昨日まで、ブログの「ジヴェルニーの食卓」(原田マハ著)を取り上げて、
マティス、ドガ、セザンヌ・・・そしてモネを主人公に、さらに彼らを取り囲む画家の
作品を鑑賞してきました。
 この本の最終章でもあるモネについて昨日に続いてお話を・・・

 印象派の登場には、絵の具の改良といった技術的な背景もありました。
それまでの画家は、風景もスケッチをもとに室内のアトリエで制作していました。
 ところが19世紀半ば、アメリカでチューブ入りの絵の具が考案されました。
このことで屋外で絵筆を握れるようになったのです。
          
     
 屋外で光を描いた印象派も、このチューブ入りの絵の具が発明されていなかったなら、モネをはじめとする画家は現れなかった・・・・のかも知れませんね。
 さらに、写真が発明され、カメラが普及していったことも印象派の登場に影響を
与えています。

 モネは「睡蓮」の絵にこだわり、何枚も同じような絵を描きました。
その数、なんと200点以上・・・・しかも、引っ越し先の庭(ジヴェルニーの庭)に
水を引いて睡蓮池を作ったほどです。 あとで「庭」を紹介します。
 彼はこの風景を通して光の変化を描きたかったのですが・・・
1枚の絵では変化を捉えることができません。
 そこで同じモチーフを何枚も描くことにより「光の変化」
「瞬間、瞬間の移ろいを」 表現しようとしたのです。

 同じモチーフを時間ごと、季節ごとに繰り返し描く技法を「連作」という。
 それでは、 数あるモネの作品から 「光」「色彩」「時間」「季節」を表現した
 作品を 鑑賞していきましょう。

 印象派展の第1回出品作品は「印象 日の出」 でした。
もう1枚の作品 「アルジャントゥイエのひなげし」
         
   モネの妻カミーユと息子のジャンを描いています・・・


 当時の妻、カミーユをモデル(長男ジャン)にした
   「散歩 日傘の女」
     筆の動き~光 風  感じられます・・・  
       草が
      モネはイゼールを下に据えて・・・見上げるように

   のどかな田園風景、妻や子供への温かなまなざしが。   

  
 さらに 同じ「日傘」のモチーフで モデルを変えて 向きを変えて・・・
   「左向きの日傘の女」       「右向きの日傘の女」 
  
       

  モデル オシュデ夫妻の三女  シュザンヌ・オシュデ

  
  モネの パレットには搾りたての・・・赤、青、黄色、緑、青~白
   盛り上がった絵の具は 間髪入れずに 筆に運ばれ、 
   カンヴァスに 載せられていく ~ 

  みるみるうちに 風になり 光の反射となり 揺れる草になっていく~

 時間との闘い? なのかも知れない。
 
文中、原田マハの表現に こんな1行がある…
 「時間によって風景は変わるんだ。
  いま見ているこの景色だけがすべてじゃないんだ。 
  ああ、なんでそんな単純なことに気づかなかったんだろう。 
  なんでそんな当たり前のことが・・・・と」
  
  如何ですか?  1枚の絵を 鑑賞するに 意味ある要素に
          「時間」を感じるなんて

 さぁ、次の作品です。 「積みわら」の連作です。
  まさに 1日の 太陽の動きを どう 捉えるか・・・
   積みわらの「影」の動き~ 光の当たり方~ 風の動きも感じる。

    「夏の朝」            「真昼間」
    

  「太陽の斜光線」             「黄昏」 
    
 
       「雪」
 


  昨日(4月15日)のニュースで 「ノートルダム大聖堂」
  コロナウイルスの影響で 修復工事が中止に~ 

 そう あの ルーアンの街にある大聖堂です。

 この絵を描くのに、モネは この聖堂の建物の前に部屋を借りて
4年間もの間、日々の時間の移ろいを追いかけて 制作したのです。
 
 「太陽」が昇り始める           「曇天」の日
 
   
 
 「夕方」 普通の日           「夕方」 西日が~
 
   

  画家の執念・・・辛抱強いですよね~ 我慢、我慢 
  
   「瞬間を捉えるって・・・簡単じゃない、 画家の目の鋭さ、脳に刻む
    記憶力も 凄い! 」 ただ、ただ敬服します。

  「ロンドンの国会議事堂」の作品も 20点以上も描いています。
 
    「霧を貫く陽光」         「太陽」      
     

   「夕暮れ」               「日没」
     


 そして 本日 最後の作品は
 
            「サン・ラザール駅」 

  1877年開業の パリのターミナル駅で一番歴史を持つ駅
  モネは ここでも 駅付近に部屋を借りて この連作を描いたのである。

    

  
  


    

  

  同じ モチーフですが、時間の経過が 一目で分かりますね。
   こうして 一堂に並べて鑑賞する・・・・

  これは、 解説付きの 我が「ブログ美術館」ならではの 妙味です。
             自画自賛! 

  さぁ、今日も随分多くの作品との出会いがありました。
   モネの凄さ 十分堪能していただいたのではないでしょうか。

  明日は 最後の最後 「睡蓮」について 鑑賞してもらいます。


  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

続 黄昏どきを愉しむ

 傘寿を超すと「人生の壁」を超えた。  でも、脳も体もまだいけそう~  もう少し、世間の仲間から抜け出すのを待とう。  指先の運動と、脳の体操のために「ブログ」が友となってエネルギの補給としたい。